【今回レビューする内容】 2024年 価格別の電子レンジ・オーブンレンジ新製品全機種の性能とおすすめと選び方:人気機種の火力の違いや、性能面でのランキング
【紹介するブランド名】シャープ ヘルシオ日立 ヘルシーシェフ・東芝 石窯ドーム パナソニック エレック 3つ星 ビストロ 東芝 石窯ドーム アイリスオーヤマ ツインバード 象印 EVERINO バルミューダ など
今回のお題
最新オーブンレンジ・電子レンジのおすすめの選び方は?
どもAtlasです。
今日は、2024年10月現在、最新の電子レンジ・オーブンレンジの選び方を「まとめ」ます。
皆さんの目的や予算に合わせながら「失敗しない!レンジの選び方」を説明しつつ、「具体的なのおすすめ機種」を提案します。
1・小型電子レンジの比較
容量:15L〜18L
人数:1-2人向け
種類: レンジ or オーブンレンジ
2・中型電子レンジの比較
容量:20L〜26L
人数:2-4人向け
種類: レンジ or オーブンレンジ
3・小型スチームオーブンの比較
容量:18L〜26L
人数:1-2人向け
種類:スチームレンジ(庫内1段)
4・中型スチームオーブンの比較
容量:30L〜
人数:4人以上(世帯向け)
種類:スチームレンジ(庫内2段)
5・オーブン/レンジ全体の選び方 【まとめ】
=目的別・予算別のおすすめの提案
このブログ「家電批評モノマニア」では、以上の記事で現行モデルだけで95機、旧機種を含めと150機以上は比較しました。
今回の記事(5回目)は、全体の導入編でもあり、結論編でもあります。
基本に立ち返り、性能面の「最新レンジのグレード」は、どのように見分けられるのかを、改めて解説します。
その上で、予算別・価格別に、最終的に「おすすめ」できる機種について考えていきます。
少々長い記事ですが、最後までお付き合い頂ければと思います。
1・電子レンジの賢い選び方
というわけで、「選び方の基本」の解説です。
1・本体のサイズ
2・ヘルツ対応
3・電子レンジのセンサー
4・オーブン・グリルの火力
5・トースター機能
6・スチーム機能
7・ 訪問修理サービス
はじめに、どのグレードの電子レンジを知っておいてほしい「選び方の基本中の基本」の解説からです。
以上、7点に分けて、順番に紹介していきます。
第1に、本体のサイズです。
問題になるのは、主に(大きめの)スチームオーブンをお探しの方です。
同じような形状でも、各社からは、庫内が1段式の小型モデルと、2段式の中型モデルが出ています。
このうち、中型モデルは、けっこうな背の高さがあります。
そのため、ご家庭のレンジ台に設置できない場合があります。事前に寸法をみるのがまず「大切」です。
設置は、スチームオーブンだと、融通が利く場合も多いです。
なぜなら、筐体に断熱性を持たせることで「壁ピタ」できる機種が多いからです。
逆に、普通の(オーブン)レンジだと、廃熱のため「壁ピタ」配置が禁止の機種がほとんどです。側面も片面は開放配置にするのが原則です。
設置してみたら「思ったよりスペースが必要」になる場合も多いので、ここも注意してください。
今回は、サイズ面についても、詳しく解説していきます。
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第2に、ヘルツ対応状況です。
1万円前後の格安な電子レンジで主に問題になります。
格安の電子レンジの場合、電力会社のヘルツ数の違いで「西日本専用 (60Hz)」・「東日本専用 (50Hz)」と製品が分かれます。
引っ越しの多い方は、注意するべき部分です。
1.5万円以上の製品の場合、基本的に「ヘルツフリー」で使えます。
しかし、そういった(オーブン)レンジでも、特に東日本(50Hz)だと、レンジ出力(加熱力)が500Wに止まる機種が多いです。
今回の記事では、問題になりそうな機種はその部分を詳しく解説しています。
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第3に、電子レンジのセンサーです。
レンジで意外と性能差がでるのが「電子レンジのセンサー」の種類です。
粗悪なセンサーだと、自動あたための際や、解凍の際に「加熱ムラ」が生じます。
後ほど詳しく説明しますが、センサーには性能差があります。
高級機を含めて、この部分に注意が必要なので、今回、特に詳しく解説しています。
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第4に、オーブンとグリル機能の火力です。
オーブン機能の場合、重要なのは、「オーブンの最高温度」です。
例えば、オーブン対応レンジでピザをクリスピーに焼きたい場合、「最高温度」は注意しておくに越したことはありません。
性能的には、最高温度として「250度」だせれば合格点と言えます。
グリル機能の場合、上火ヒーターの火力の強さが重要です。
お肉や魚に焦げ目を付けるためには、ある程度火力において優秀な製品を選ぶ必要があります。
ただ、グリルは、上火のスペックをだすメーカーが「限られる」ので、比較が難しいところです。ただ、スペックをみながら解説していきます。
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第5に、トースト機能の優秀性です。
オーブンレンジならどれもトーストが同じように焼けるというのは「誤解」です。
機種ごとに焼ける枚数が異なるほか、裏返さないと焼けない機種、焼くのに10分以上かかる機種、構造的に焼きムラが避けられない機種などがあります。
利用されるかたも多いでしょうし、詳しめに解説します。
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第6に、スチーム機能の優秀性です。
スチームオーブンは、簡易的な「角皿式」と本格的な「水タンク式」に分かれます。
さらに、上位機は、過熱水蒸気だけでオーブン・グリル調理をする「ウォーターオーブン」と、ヒーターを併用する「スチームオーブン」にも分かれます。
スチームの発生のさせ方が簡易的だと、「焼く・煮る・炒める・揚げる」など、多様な料理手法が扱えず、作れるレシピやが少なくなります。
今回の記事では、この点もふまえた解説をしていきます。
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第7に、訪問修理サービスの有無です。
電子レンジは、温めに使うマグネトロンに寿命(7-8年)があります。
また、機能が複雑化した上位機となると、故障リスクも無ではありません。
・シャープ
・パナソニック
・日立
・東芝
・ハイアール
Atlasが調査した限り、電子レンジの「4大メーカー」をふくむ、これらのメーカーの場合、訪問修理が可能な部門があります。
少なくとも数日で、技術員が修理をしてくれます。
・ツインバード工業
・バルミューダ
・アイリスオーヤマ
・象印
・シロカ
一方、準大手となるこれらのメーカーは、基本的に、電気店への持込か、預かり(郵送修理)となります。
10kgを超える白物家電である電子レンジの場合、修理サービスが容易に利用できるかどうか?も、選ぶ際のポイントとなります。
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以上、電子レンジを選ぶ場合に重要視した方がよいポイントを解説しました。
今回は、この基準に沿って、価格の安い価格帯の「電子レンジ」から10万円を超える「スチームレンジ」まで、順番に、選び方のポイントを紹介していきます。
2・格安な単機能レンジの選び方
はじめに、単機能の電子レンジの選び方を解説します。
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なお、以下の記事では、Atlasが高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチと思う部分は青字で書いています。
【2023年発売】
【東日本用50Hz地域】
1・Haier JM-17K-50-W
¥8,180 楽天市場 (10/5執筆時)
【西日本用60Hz地域】
2・Haier JM-17K-60-W
¥8,180 楽天市場 (10/5執筆時)
庫内容量:17L(1-2人向け)
ヘルツフリー:
トースト機能:
自動あたため:
オーブン機能:
スチーム減油:
搭載センサー:
サイズ:幅440x奥行320x高さ258mm
JM-17K-5は、日本のデンキヤで販売のある電子レンジでは「最安」といえるハイアールの製品です。
庫内容量は、17Lです。
少人数世帯には使いやすいサイズです。比較的安価で、デザインも良いです。
しかし、この機種を選ぶ場合、いくつかの点で注意が必要です。
第1に、オーブン機能・トースト機能が搭載されない点です。
単機能の電子レンジは、単に「チン」ができるだけの製品です。
トースターは別に買う必要があります。
第2に、ヘルツフリーではない点です。
中学の社会科でも習いますが、日本は、上図の赤線を境に、東は50Hz西は60Hzに、電気の周波数が分かれます。
そのため、ヘルツフリーではない格安機の場合、別の地域に引っ越す場合、電子レンジを「買い直す」必要があります。
こ比較的短期で移動が考えられる大学生や単身赴任の方は注意が必要です。
第3に、ターンテーブル式である点です(左図)。
この方式は加熱ムラが少なくなる利点がありますが、本機はテーブルが小さいので、大きなお弁当などだと回りません。掃除もやや面倒です。
最近は、格安機でもフラット庫内(右図)が珍しくないため、そういった機種を選ぶのが良いかと思います。
第4に、設置スペースです。
冒頭でも書いたように、格安機の多くは、本体の遮熱性に限界があります。そのため、設置には、左右・上方・後方に10cm以上の空き空間が必要です。
小型冷蔵庫やテーブルの上などの「開放空間」に置くなら問題ないです。ただ、ボックスや収納棚のような場所に設置する場合、この点に注意してください。
3・TWINBIRD ミラーガラス DR-D278B
¥13,840 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:20L(2-3人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:
自動あたため:
オーブン機能:
スチーム減油:
搭載センサー:
サイズ :幅460x奥行350x高さ270mm
DR-D269Bは、日本の、ツインバードの電子レンジです。
デザイン面では、フロントパネルにマジックミラーを採用し、調理時以外内部が見えない点で人気です。
また、丸皿(ターンテーブル)がないフラット庫内なので、庫内の掃除がしやすい点も見どころです。
庫内容量は、20Lです。
単機能電子レンジとしては大きめで、2-3人家族でも使えそうです。
本体サイズは、幅460x奥行350x高さ270mmです。
少し大きめですが。冷蔵庫の耐熱天板にも乗るでしょう。
ただ、本機も上下左右側面全てに一定の空間が必要です。
その点で言えば、ボックス収納などには向かず、実際的には、冷蔵庫や、キッチンのテーブルなどの開放空間用に設置するのに向く設計です。
ヘルツ対応は、ヘルツフリー電子レンジとなります。
他機種を含めて、ヘルツフリー対応機種を買う場合、1.2万円以上の予算が必要です。
電子レンジ機能は、この機種は、あまり性能は高くありません。
なぜなら、電子レンジ用のセンサーが未搭載だからです。
センサーがない電子レンジは、「自動あたため機能」が付属しません。自分でレンジ出力の強さと加熱時間を設定する必要があるため、利便性に劣ります。
4・Panasonic 電子レンジ NE-FL1C
¥21,078 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:22L(2-3人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:
自動あたため:対応
オーブン機能:
スチーム減油:
搭載センサー:蒸気センサー
サイズ:幅488x奥行380x高さ29.0mm
NE-E22Aシリーズは、パナソニックのレンジです。
2万円前後で選ぶ場合、人気のあるシリーズの最新機です。
庫内容量は、22Lです。
1人でも良いですが、2-3人家族向けにも対応できます。
本体サイズは、 幅488x奥行380x高さ29.0mmです。
490mmを超えてくると、【小型冷蔵庫の比較記事】で紹介したような冷蔵庫うのうち、120Lクラスのモデルだと、(耐熱天板に脚は乗るにせよ)冷蔵庫の幅から本体がはみ出してきます。
その点で言えば、本機は、冷蔵庫に置く場合、小型な冷蔵庫でも少し大きめな「150Lクラス」以上でないと厳しいです。
もちろん、テーブルなどに置くなら問題ないです。
一方、棚など密閉された場所に置く場合、本機も、熱を逃がすための空間がある程度必要です。
ただ、本機は、価格がすこし高いこともあって、ある程度本体で遮熱できる関係で、必要スペースは少なめです。
ヘルツ対応は、この機種も、全国で使えるヘルツフリーとなります。
電子レンジ機能は、このグレードだとセンサー搭載です。
センサーが搭載される機種は、レンジ出力や加熱時間を設定しなくても「自動あたため」が可能です。
センサーは、蒸気センサーを用います。
20年前にもあった「レトロ」なセンサーですが、中級機でも未だ採用例が多いです。
蒸気センサーは、2つの温度計を利用しつつ庫内の蒸気量を計測し、食品の温度を推定するいう仕組みです。
そのため、ラップをキツくした状態の食品は、加熱してラップが外れるまで温度を判定できません。
解凍も、蒸気センサーは、自動解凍の際、時間設定は不要ですが、調理物のグラム指定が必要で、「全自動」にはなりません。
ちなみに、質の良い上位機種(オーブンレンジ)は、重量で加熱時間を調整する「重量センサー」や、赤外線量で判定する「赤外線センサー」を搭載します。
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結論的にいえば、高度な電子レンジ機能が欲しい場合は、「オーブン機能が不要」な方も、上位のセンサーが搭載される「オーブンレンジ」を選ぶ必要があります。
サイズはほとんど変わらないので、設置面での問題はないでしょう。
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1・小型電子レンジの比較
容量:15L〜18L
2・中型電子レンジの比較
容量:22L〜26L
なお、1万円前後までの単機能の電子レンジは多くの機種が販売されています。
より具体的に機能差が知りたい方は、必要とされるサイズによって、上記のリンク記事をご覧ください。
3・オーブンレンジの選び方
続いて、オーブンレンジを紹介します。
オーブンレンジは、オーブン・グリル機能が搭載されるほか、トースト機能が搭載される電子レンジとなります。
1人暮らしの方も、トーストくらいは焼くでしょう。ワンルームマンションは狭いですし、トースターを別に買うより、設置面でも有利です。
【2020年11月発売】
5・Panasonic エレック NE-T15A4-W
¥21,473 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:15L(1-2人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:230度
スチーム減油:
搭載センサー:重量センサー
サイズ:幅450×奥行365×高さ290cm
NE-T15Aシリーズは、2万円前後の予算で選ぶ場合、デンキヤでも人気のあるパナソニックのオーブンレンジです。
庫内容量は、15Lです。
小型機の平均(18L)より小さいのは、オーブンに必要な断熱性を確保するためです。
大盛弁当サイズもたいてい入りますし、1-2人ならば問題ないです。
一方、小型のオーブンレンジも熱を逃がすためのスペースは必要です。
本機は、後ろ10cmと、左右のどちらかを完全開放した上で、反対側を4.5cmあける必要があります。
シビアではあります。専用収納など、ボックスのような場所に入れる場合は、この部分に注意してください。
電子レンジ機能は、ラップをした食品や、ふた付きの弁当に対応できる、重量センサーを搭載する点が注目点です。蒸気センサーに比べて高度であり、あたためムラは少ないでしょう。
解凍も、自動解凍時、時間もグラム指定も不要の「全自動」にできます。お刺身などの解凍に便利な「半解凍ボタン」もあります。
ただし、重量センサー搭載の格安オーブンレンジは、どれもフラット庫内ではなく、円盤で食材を回しながら加熱する、ターンテーブル仕様です(写真)。
サイズは直径27cmなので大きめ弁当でも「回り」ますし、回る分、温めムラも少ないです。
ただ、お手入れのしやすさの部分などは、フラット庫内式に少し及びません。
とはいえ、他社機も、重量センサー付きはすべてこの仕様です。
オーブン機能は、最高温度に着目すると230度まで出せる機種です。
250度出せる上位機もありますが、230度出せれば本格的な料理を除き、オーブン調理に問題なく対応できます。
グリル調理は、しかし対応できません。
オーブンとの違いは分かりにくいですが、上火が強く、食材に焦げ目が付けられるのが「グリル」ととりあえず考えてください。お肉や魚を焼くための機能です。
本機は、直火を利用して食材の表面を焼く「グリル調理」は対応できません。
この部分を重視するならば、次に紹介する「スチームオーブン」以上のグレードが必要です。
トースト機能も、裏返す必要なしに2枚まで焼ける機種です。
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以上、パナソニックのNE-T15Aシリーズの紹介でした。
オーブン・電子レンジ・トーストの機能が「標準レベル以上」の水準の機種です。予算としては、2万円前後必要と言うことになるでしょう。
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なお、オーブンレンジの場合、特に、レンジの加熱ムラに関係する「センサー」部分で、さらに性能の良いものは(ほぼ)ないです。
主要家電メーカー(パナソニック・日立・東芝・シャープ)では、質の良いセンサーはスチーム式しか搭載しないからです。
(スチーム機能がない)オーブンレンジは「格安機」の扱いになるので、グリル・オーブン部分や、自動調理・ネット連携の部分でも高度な性能を持つ機種はありません。
外装の高級感もそのように言えます。
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結論的にいえば、(スチーム不要でも)レンジ部分ほかの性能を求める場合は、必然的にスチーム式オーブンレンジを探すことになります。
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【2023年発売】
6・BALMUDA The Range K09A
¥47,280 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:20L(1-3人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:250度
スチーム減油:
センサー:温度センサー
サイズ:幅45.6×奥行43.5×高さ33.1cm
【2024年発売】
7・象印 EVERINO ES-GW26
¥49,270 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
¥70,000 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:26L(2-4人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:250度
スチーム減油:
搭載センサー:赤外線センサー(温度)
サイズ:幅48.6×奥行39.9×高さ37.0cm
ただ、象印とバルミューダの2社は、最上位機にスチーム機の展開がない関係で「例外的」です。
以上の「オーブンレンジ」が「最上位」です。
「最上位機」となるので、外装の高級感は両社とも、他社のスチーム式の上位機並に格好良いです。
機能面も、例えば、象印のエブリオならば、センサーは(最高ではないですが)この本体か書くならば「そこそこ良い」といえる、赤外線+温度センサーのコンビです。
その上で、「レンジ→グリル」の手動運転・自動運転ができる機能など、他のオーブンレンジには見られない、「独自性」もあります。
この機能を利用しての「調理の時短」や「揚げ物系総菜自動のあたため」など、スチーム式の高級機と比べても、便利といえる部分はあります。
1・小型電子レンジ・オーブンレンジの比較
容量:15L〜18L
2・中型電子レンジ・オーブンレンジの比較
容量:22L〜26L
このブログでは、他社モデルを含め、もう少し安めのオーブンレンジや、もう少し大きなオーブンレンジなどは、以上のリンク記事でかなりの数を紹介しました。
サイズ別に分けています。
例えば、バルミューダは、18Lクラスの小型機なので1番の記事、象印は、26Lなので、2番記事で詳しく書いています。
4・スチームオーブンレンジの選び方
つづいて、スチームオーブンレンジの選び方です。
スチームオーブンとは、事実上、オーブンレンジの「上位機種」です。
今の家電市場では、スチーム機能が省略された高性能機というのは見あたりません。
各社とも最も力を入れている製品で、様々なタイプがあります。
基本的には、本体に水タンクがあり、水を100度以上の「過熱水蒸気」にすることで、オーブン・グリル調理ができるスチーム調理機能をもつ点に、共通点があります。
この場合、油を使わない揚げ物ができたり、旨みを損なわず肉の余分な油落としができたり、野菜をビタミンを損なわず加熱できたりします。
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最新機能を搭載した3万円以上の高級機は、軒並みスチームオーブンとなっています。
「スチームは不要」という方も、例えば、センサー面で高機能な電子レンジが欲しい場合や、高性能なグリル・オーブン機能が欲しい場合、このタイプを選ぶ必要があります。
1・シャープ
→スチーム調理機能に強い
2・東芝
→ オーブン調理機能に強い
3・日立
→ レンジのセンサーに強い
4・パナソニック
→ グリル調理と解凍に強い
スチームオーブンは、大手だと4社が、各グレードの製品を展開します。
上表はそれを簡単にまとめたものす。
以下では、各社の「入門機(小型機)」を例にしつつ、もう少し、具体的に「メーカーごとの個性」を説明してみます。
【2022年9月発売】
6・SHARP ヘルシオ AX-UA30
¥53,286 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
【2021年8月発売】
6・SHARP ヘルシオ AX-UA20
¥50,470 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:22L(1-3人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:250度
スチーム減油:水タンク式
搭載センサー:蒸気センサー
サイズ:幅470x奥行390×高さ340mm
同社は、スチームオーブンをはじめて出したメーカーです。本機は、最新のヘルシオでは、最も小型で、設置性の良さで評判の最新機です。
新旧ありますが、メニューとボタン構成の入替以外、基本性能は同等です。
庫内容量は、22Lです。
このクラスだと、メーカー推奨の仕様人数は「2人」ですが、子を含めた3人家族程度ならばOKでしょう。
スチーム式の場合、これ以上庫内容量が小さいコンパクト機というのはありません。
とはいえ、本機は、(120Lクラスで、幅470cm未満の冷蔵庫を除けば)小型冷蔵庫の耐熱天板の上にも無理なく置けます。
本体サイズは、幅470x奥行390×高さ340mmです。
(スチームのない)オーブンレンジと比べると、幅は同じですが、奥行と高さは必要です。
ただ、この部分は注意が必要です。
というのも、このクラスの「高級機」になると、各社とも、左右と後ろの壁ピタ配置に対応するからです。
とくに後ろのスペースが不要になるので、ボックス収納時はもちろん、普通の棚の上に設置する場合も、スッキリ設置できます。
この部分を考慮すれば、(本体サイズの小さな)オーブンレンジと設置性はそう変わらない場合が多いです。
スチームオーブン機能は、シャープの場合、電熱ヒーターの助けが不要で、過熱水蒸気の熱だけで、オーブン・グリル調理ができる仕様です。
この方式の場合、減油・減塩効果が高く、栄養素が最も残りやすいという利点があります。
他社は、スチーム噴射とヒーター加熱を併用するので、健康効果の部分では同社が優位です。
オーブン・グリル機能もある程度優秀で、水を使わず、電熱ヒーターだけの加熱ができます。
オーブンの最高温度は 最大250度です。
シャープの場合、方式上の利点で時間制限なくこの温度を維持できるため、加熱力は強いと言えます。
電子レンジの性能は、他社と比較した場合、イマイチです。
本機の蒸気センサーは、先述のように、ラップした食品の温度が正確に検知できません。
そのため、解凍などの際に、グラム単位で重さを指定して加熱する必要があり、やや面倒です。
トースト機能は、裏返す必要なしに2枚まで焼ける機種です。
ただ、2枚焼くのに10分と時間は必要です。
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以上、シャープのAX-CA450 の紹介でした。
過熱水蒸気だけで調理できる点で、スチームオーブン機能は他社を凌駕します。
一方、オーブンや電子レンジの性能は、「そこそこ」ですので、ダイエットや健康を最重要視する方に特化して「おすすめ」すべき機種と言えます。
【2024年8月発売】
7・東芝 石窯ドーム ER-D90A
¥51,622 楽天市場 (10/5執筆時)
【2023年8月発売】
(通常型番)
7・東芝 石窯ドーム ER-YD90-K
¥48,800 楽天市場 (10/5執筆時)
庫内容量:26L(1-3人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:250度
スチーム減油:水タンク式
センサー:赤外線・温度センサー
外形寸法:幅480x高さ350x奥行390mm
第2に、東芝の石窯ドームシリーズです。
小型の現行機では、最も性能の良い製品です。
新旧両機種ありますが、「石窯おまかせ焼き」という、時間も分量もしてなしでの「フルオート調理」に対応できるようになったのが見どころです。
(大きめの)中型オーブンの機能の一部が降りてきた感じで、上図のうち、鶏肉・野菜のみの対応ですが、いずれもダイエット食材ですし、欲しい方はいるでしょう。
庫内容量は、26Lです。
1-3人用とすると、シャープよりやや広めです。
本体サイズは、幅480x高さ350x奥行390mmです。
小型とはいえ、幅が少し広めです。
なお、東芝は、後方の壁ピタ配置は対応ですが、上表のように、わずかながら、左右に隔離距離が必要です。
この部分の仕様だけで言えば、シャープに負けます。
スチームオーブン機能は、シャープと仕組みが異なります。
東芝の場合、スチーム(過熱水蒸気)だけではパワーが足りないため、ヒーターによる食材の加熱で補う方式です。
この場合、減塩・減油効果や栄養素の残存性などの点で、シャープには及びません。
一方、東芝機は、100度以下の「蒸し」ができる部分を強調します。
同社の中型上位機と違い50℃から70℃の「野菜蒸し(低温蒸し)」はできませんが、80℃〜100℃は、ヒーターやレンジの補助なしで、スチーム単独できるため「卵料理(高温蒸し)」の部分で、レパートリーが広いです。
発酵や解凍もスチームで可能で、その部分が個性です。
オーブンの性能は、東芝が最も力を入れる部分です。
独自の石窯構造で、オーブン調理の際に、ピザ釜のような遠赤効果を期待できます。
さらに、扉を除く全方位にヒーターを配置し、ムラ無く遠赤外線を放射する仕組みです。
そのため、ピザやお肉などについて、「外はカリッと」「中はふっくりと」加熱できます。ピザなどの洋食調理が多い、若い世代にはとくに人気があります。
グリルの性能は、しかし、イマイチです。
包み込むように加熱する方式なので、上火火力をさほど強力にする必要がないからでしょう。
したがって、肉や魚の「食材の表面に焼き目を入れる」のは、やや苦手とします。
電子レンジの性能は、赤外線センサーと、温度センサーをダブルで付属します。
赤外線センサーのが高度ですが、補助的に温度センサーを持つのは、オーブン用というほか、解凍ムラ解消にも有利だからといえます。
実際、東芝機は、食材の解凍機能は、後ほど見るパナソニックに次いで強いと言えます。
また、これはこ他社機にも言えますが、一般的な「自動あたため」も、上級のセンサー搭載機ほど、食材に合わせた適切な温度で「ゆっくり、じっくり」美味しく温めていくようになります。
蒸気センサーなどしか持たない下位機種は、(少しお馬鹿なので)食材にかかわらず「最大ワット数」で一気にあたためる「力技」な機種が多いので、その部分も差です。
トースト機能は、スチームを併用することでふっくら焼き上げるスチームトーストが可能です。2枚までの対応で、8分15秒で焼き上げます。
ただ、東芝の場合、トースト中に手で裏返さないといけないのが難点です。
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以上、東芝のER-XD90の紹介でした。
東芝のオーブンは、オーブン機能の充実がポイントです。電子レンジ部分もそれなりに優れています。
本編でも書きましたが、肉の調理やピザ焼きを中心に考えるならば、「東芝を指名買いで良い」と言えます。
【2023年8月発売】MRO-S7B W K
8・日立 ヘルシーシェフ MRO-S7B
¥39,102 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:27L
外形寸法:幅483×奥行388x高さ355mm
【2022年8月発売】
8・日立 ヘルシーシェフ MRO-S7A-R
¥25,374 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
【2021年発売】
8・日立 ヘルシーシェフ MRO-S7Z-R
¥29,300 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:22L
外形寸法:幅483×奥行388x高さ340mm
レンジ出力:1000W
トースト:2枚(裏返し)
スチーム:水タンク式
センサー:重量・蒸気・温度
オーブン最高温度:250度
第3に、日立のヘルシーシェフです。同社の人気の小型機となります。
2023年から外観が大きく変わり、ほぼ同じサイズのまま庫内容量も増えました。
あとは、ごく一部の自動メニューの入替)だけで、基本性能は同じです。
庫内容量は、22Lです。
本体サイズは、幅483×奥行388x高さ340mmです。
おなじ22Lサイズだったシャープ機とほぼ同様です。
日立の場合、後ろ側は壁にはピッタリ寄せられますが、左右は4.5cmのスペースが必要です。
冷蔵庫上などの開放空間なら問題ないでしょうが、ボックス収納の場合は注意点です。
スチームオーブン機能は、東芝と同じく、スチーム噴射とヒーター加熱を併用する方式です。
減塩・減油調理などは無難にこなせますが、ヒーター補助が必要ない、シャープほど徹底できません。「高温蒸し」も東芝と違い非対応です。例えば、茶碗蒸しなどはできますが、レンジ加熱併用でつくる方式ですので、仕上がりに差があります。
オーブン機能は、最大250度を5分間出せる実力はあります。
しかし、構造面を含めて、東芝の石窯構造のような独自性には乏しいです。
グリル機能も、上火がさほど強くなく、平凡です。
電子レンジ機能は、しかしながら、日立は非常にユニークです。
なぜなら、重量センサーが付属するからです。
格安機でも重量センサー搭載機はありました。しかし、本機の場合、ターンテーブル不要での採用ですから、レベルは高いです。
これを、蒸気・温度センサーがフォローする形ですから、小型機としては全メーカーを通しても、最もセンサーが力を入れています。
この点で言えば、電子レンジとしての「レンチン」機能を多用する方は、日立が向きます。
解凍は、ただ、スチームを利用した解凍ができないので、お肉やお魚の解凍は、あまり得意ではないです。
トースト機能は、2枚まで対応できます。
トースト中に裏返す必要がありますが、自動で8分(旧機は9分)です。
ただ、6枚切りのみ対応で、あとは手動でもう少し時間がかかりますので、差ほど得意とも言えないです。
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以上、日立のMRO-S7の紹介でした。
繰り返せば、電子レンジ機能が他社が追いつけないほど充実している点に特長があります。電子レンジの加熱ムラや加熱不足は、ほぼ生じないでしょう。
ある意味、「電子レンジとしての王道」路線を地でいっており、「レンジとしての本質を見失っていない」点がAtlasとしては好ましいと思います。
普段は総菜や冷凍食品などの「あたため」中心で、土日だけ「凝った料理」という生活スタイルならば、総合的な満足度は、この機種は最も高そうです。
【2022年11月発売】
9・パナソニックビストロ NE-BS6A
¥63,800 楽天市場 (10/5執筆時)
庫内容量:26L(1-3人向け)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:230度
スチーム減油:水タンク式
搭載センサー:スイングサーチ赤外線
サイズ:幅500×高さ347×奥行400mm
第4に、パナソニックの三つ星ビストロです。
本機は、同社の小型モデルでは、最も性能が良いものです。
大きめのカラー液晶と、高ふわっと「丁寧に」締まるソフトダンパードアを採用ていて、高級感があります。
庫内容量は、26Lです。
本体サイズは、幅500×高さ347×奥行400mmです。
他社の小型スチームオーブンに比べると、やや幅広です。
120Lの小型冷蔵庫だとやや厳しく、150Lサイズ以上なら乗るだろうという感じです。
一方、本機も、後側の壁ピタ配置は可能です。しかし、上部10cmほか、吸気口がある関係で左右も2cmあける必要はあります。
スチームオーブン機能は、東芝・日立と同じで、スチーム噴射とオーブン(電熱線)による加熱を併用する簡易的な方式です。
加えて、他社と異なり、「塩サバ・塩鮭・アジの開き・肉巻き野菜」の自動調理メニュー以外過熱水蒸気調理を利用できない仕様です。
鶏肉の唐揚げなどのノンフライ調理はできますが、減油・減塩料理という部分は他社より機能が控えめです。
オーブン機能は、最低限です。
(水を利用しない場合の)最高温度は「250度」ですが、維持時間は5分までです。
能力として悪くはなく実用水準とは言えます。しかし、他社に比べると、独自性がありません。
グリル機能は、逆に相当力を入れています。
パナソニックは、上面に強火力の遠赤Wヒーターを搭載し「グリル機能」を強化しています。
簡単に言えば、肉や坂などの表面に、焼き目を付けるこんがり系の料理がとくに得意な製品です。誤解を恐れずに言えば、同社が目指しているのは、「石窯」でなく「炭火焼」の方向性だと思います。
また、上図のような「ビストログリル皿」を添付し、電子レンジのマイクロ波を照射することで、「両面焼きグリル」を再現するなど、「焼くこと」をとにかく重視します。
電子レンジ機能も、わりと高度で、スイングサーチ赤外線センサーを搭載します。
赤外線センサーを高度化し、広い範囲を測れるようにしたセンサーです。このため、赤外線センサーの弱点だった加熱ムラが軽減します。
小型のスチームレンジでは、重量センサーを使う日立の次に良いセンサーといえます。
解凍機能は、センシングした上で、ムラのないサイクロンウェーブ加熱とスチームを併用する形式です。
冷凍されたお肉やお魚の解凍については、小型機では本機が最も優秀です。
トーストは、こちらは、4枚同時の調理が可能です。
また、プレートの改良などで、裏返す必要なしに両面を焼けるようになりました。
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以上、パナソニックのNE-BS600の紹介でした。
同社は、この機種以外も「こんがり系」のグリル調理を重視しています。電子レンジセンサーも日立に次ぐ水準なので、総合的な性能バランスは最も高いと言えそうです。総合家電メーカーらしいです。
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以上、主要4メーカーの小型のスチームオーブンの比較でした。
3・小型スチームオーブンの比較
容量:18L〜26L
人数:1-2人向け
種類:スチームレンジ(庫内1段)
なお、これらのオーブンは、以上のリンク先ページで詳しく比較しています。「小型」と書きましたが、1-3人家族程度までなら十分なサイズです。
(食べ盛り前の)子供さんならば、4人位までOKでしょう。
5・世帯向けスチームオーブンの選び方
最後に、スチームオーブンの世帯用モデル(中型以上)を紹介します。
このグレードは、横幅方向の設置スペースは、小型のスチームオーブンと代わらないものが多いです。
しかし、庫内が2段になっているため、高さが多少ある機種です。設置には注意してください。
なお、中型はかなりの数がありますが、以下では、各メーカーの「最新・最上位機種」を紹介します。
10万円程度が相場ですが、型落ちや下位機種ならば、5万円前後から良い機種が選べます。
そのような機種を選ぶ場合も「最新の最上位機種」を理解することで、「現状の機能のトレンド」が分かりますの。
とりあえずは、順番にお読みいただければと思います。
【2024年6月発売】
10・シャープ ヘルシオ AX-LSX3B
¥173,168 楽天市場 (10/5執筆時)
【2023年7月発売】
10・シャープ ヘルシオ AX-LSX3A
¥118,477 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:30L 2段(4人以上)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:230度
スチーム減油:水タンク式
搭載センサー:64眼赤外線ムーブ・蒸気温度
サイズ:幅490×奥行430×高さ420mm
第1に、シャープのヘルシオの最高級機です。
2024年からの新機能
1・ほかほかキープ機能(まかせて調理)
2・ヘルシオトレー追加(らくグリ調理)
3 ・ワンディッシュメニュー対応
新旧ありますが、詳しくは【中級スチームオーブンの比較記事】で書いたように、決定的な変化はないので、今のところは旧機がかなりお買得です。
庫内容量は、30Lです。
その上で、棚が2段で二段同時調理にも対応しますので、実際の調理容量はさらに多いです。
4人以上の世帯用としても利用できます。
本体サイズは、一幅490×奥行430×高さ420mmです。
他社機でもそうですが、2段調理対応の中型機の場合、奥行と高さが出てきます。
シャープ機は、左右・後ろの壁にピッタリ置いても問題ないですが、水蒸気がでる上部だけは、10cmの余裕が必要です。
スチームオーブン機能は、先ほどみた下位機と同じで、過熱水蒸気だけ使う栄養重視の方式です。
一方、スチームを利用する調理方法はより多彩になっています。庫内が上下2段になっているのを活かして、焼き料理と蒸し料理が別に同時調理できるよう進化しました。
また、熱風ファンが付属したのも特長です。
そのために、以前別の記事で紹介した「コンベクションオーブン」のような使い方もできるようになりました。
オーブン機能は、10分間限定で300度を出せる仕様です。
時間経過後も250度を維持可能なので、性能は「文句ない水準」です。
グリル機能は、スチームを食材に集中させることで、単に食材の表面を「あぶり焼き」にする機能が搭載です。
パナソニックを除けば、「焼き」については最も期待できます。
電子レンジの性能は、小型機と較べた場合、温度センサーセンサーのほか、スイングサーチ赤外線センサーを搭載する点が、大きな相違点です。
これを利用して、様々な食材の同時調理ができたりします。
なお、中型の高級機は、どのメーカーも多眼の赤外線アレイセンサーを採用します。
しかし、同じセンサーでも「グレード」があります。
赤外線の素子数(眼数)と稼働(スイング・ムーブ)など、機構が上位になるほど、加熱ムラなどが生じず、また、温度的な誤差も少なくなり、料理技法も多様化します。
シャープの場合、最上位機は、64眼ムーブセンサー(1024計測点)です。能力が高いです。
シャープは、複数の調理法を庫内で同時に行う「エリア別料理」が得意ですが、それを実施するには、優秀なセンサーが必要だったからだと言えます。
自動調理は、「焼く・炒める・揚げる・蒸す」という調理法を選ぶだけで、時間や温度などを「おまかせで自動で設定」してくれる「まかせて調理」に対応します。
常温・冷蔵素材ほか、冷凍素材からでも問題ないです。ボタン1つで、「ほぼ完全な自動調理機能」が可能であり、シャープの良い部分です。
ここは、電子レンジにおける最近のトレンドです。
各社とも方向性は少しずつ変わるものの、ただトレイに乗せる「フルオート」で頃合いに仕上げてくれる調理法となります。
他社もいろいろ工夫がありますが、シャープは以前からこの部分に取り組んでいたこともあり、「ほったらかし調理」の部分では、最も優れると言って良いです。
ネットワーク機能も、充実します。
Wi-Fiを通じたスマホとの連携や、喋るAIであるシャープの「ココロボ(ココロキッチン)」が料理履歴から「アドバイス」をくれます。
こうした、IOT家電の部分だけで言えば、シャープは他社よりダントツで優れます。
レシピの数もかなり多く、「料理を楽しむ」という点でも小型機種に比べて強化されています。
トーストは、自動メニューで対応可能です。
本機は、裏返さずに両面焼けます。4枚同時に焼けますが、10分ほどかかります。
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以上、シャープのヘルシオの最上位機の紹介でした。
シャープの場合、下位機種の弱点だったオーブン機能とレンジ機能が上位機になるほど「底上げ」されていく傾向があります。
【2024年6月発売】
11・東芝 石窯ドーム ER-D7000A-K
11・東芝 石窯ドーム ER-D7000A-W
¥102,000 楽天市場 (10/5執筆時)
庫内容量:30L 2段(4人以上)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:300度
スチーム減油:水タンク式
搭載センサー:8眼スイングサーチ赤外線+温度
サイズ :幅498×奥行399×高さ396mm
第2に、東芝の石窯ドームの最高級機です。
庫内容量は、30Lです。
2段調理に対応できますし、シャープ機と同じです。
外形寸法は、幅498×奥行399×高さ396mmです。
シャープに比べるとやや幅はあるのですが、置行と高さは割とコンパクトです。
ただ、後側ほか、左右側面ともに壁面にはぴったり設置できる設計なので、それを勘案すると、実際の設置性は良さそうです。
ただし、蒸気出口がある上部は10cmの余裕が必要です。
スチームオーブン機能は、ヒーターと過熱水蒸気を併用する方式です。
この部分に力を入れるシャープに比べると、減油・減塩効果は低めです。
ただ100℃以下のスチームは、35度〜100℃までから細かく設定できます。
スチームだけで定温を作れるので温度は安定的で、「レンジ加熱併用不要」なので金属鍋も使えます。
同社の小型機と比べても、低温スチームができるので、卵料理だけでなく、野菜系の「蒸し料理」の仕上がりが良いです。
オーブン機能は 同社の小型機同様に、定評のある石窯構造を採用ます。
その上で、こちらは、大きなファンを取り付けることで、熱風の循環をさらに良くして、より「ムラのない」オーブン加熱を可能にしています。
また、強力なドーム型ヒーターを新採用し、350度(5分間)という庫内温度も実現できています。
グリル機能は、下位機種は弱点でした。
それにに比べると、強火力のドーム型ヒーターにより、しっかり「焼き目」を付けられます。ただ、他社に比べると、あまり力を入れる部分ではないです。
電子レンジの性能も良いです。
シャープと同じ、64眼のムーブ式の赤外線センサーを採用します。
スイング技術と64眼センサーの相乗効果で、1024ポイントの監視が可能で、日立を除けば最高性能です。
自動調理は、484項目対応し、一部は、カラー液晶でのレシピ表示に対応します。
一方、調理の面で面白いのは、「石窯おまかせ焼き」です。先述の「フルオート調理」機能の東芝版です。
東芝の場合、「オーブンで焼く」部分の同時調理ですが、分量、温度、加熱時間を調整せずとも、勝手に自動調理してくれます。
肉・野菜ほか、魚・煮込み・グラタン類にも利用できま。シャープに比べると、この機能で、冷凍食材に対応できない部分がやや残念です。
「揚げる・蒸す・茹でる」なども選べるシャープ機ほどは充実しません。とはいえ、東芝の売りは、オーブン(焼く)ですし、その部分では力強いでしょう。
ネットワーク機能は、同社の最上位機はWi-Fiを装備します。
シャープほど充実はしませんが、レシピの取得や過熱時間データの転送など、堅実に対応します。
トースト機能は、味の面では、スチームトースト機能が売りです。
ただ、最上位機種でも東芝の場合は、トースト中に手で裏返さないいけないのが難点です。なお、4枚まで焼けます。
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以上、東芝の最上位機種の紹介でした。
このように、東芝の場合は、上位機種になるほど、電子レンジ性能を高めているほか、得意とするオーブン・グリル調理の性能も強化しています。
【2023年7月発売】
12・日立 ヘルシーシェフ MRO-W10B-K
¥70,000 Amazon.co.jp (10/5執筆時)
庫内容量:30L 2段(4人以上)
ヘルツフリー:対応
トースト機能:対応
オーブン機能:300度(5分)
スチーム減油:水タンク式
センサー:重量/8眼赤外線/ 温度
サイズ :幅497×奥行442×高さ375mm
第3に、日立の最上位モデルです。
庫内容量は、30Lです。
価格は安いですが、庫内2段ですし、他社の最上位機と同じです。
外形寸法は、幅497×奥行442×高さ375mmです。
東芝に比べると多少奥行が必要です。
また、他社同様に左右後方の壁ピタ配置に対応しますが、本機も、上方向に10cmの蒸気を逃がすスペースは必要です。
スチームオーブン機能は、ヒーターと過熱水蒸気を併用する方式で、シャープに比べると多少機能面で落ちます。低温蒸しもできません。
オーブン・グリル機能は しかしながら、ダブル光速ヒーターの採用で、通常250度、10分間300度の高温状態が出せるようになっています。
東芝・パナソニックに比べると「平凡」ですが、下位機種の弱点は緩和されています。
電子レンジの性能は、下位機種も優れていました。
しかし、日立は、重量センサーと温度センサーに、赤外線センサー(8眼・スイング式)をさらに加えています(Wスキャン)。
そのため、電子レンジの部分では他社の追随を許しません。
解凍機能も、したがって、優秀です。
ただ、日立は、割と細かくお肉やお魚の種類などを指定する形式なので、解凍は上手です。ただ、設定は覚えるまでは面倒です。
ネットワーク機能は、ただ無線LANを搭載し、本体のカラー液晶にメニューやレシピを表示できます。
自動調理は、「熱風旨み焼き」としてフルオートの「おまかせ調理」に対応しました。
オーブン・グリル調理を基本として、「焼く系」の自動調理をしてくれます。
肉(豚・牛・鶏)と魚料理に使えますが、焼く系のレシピに限定される部分では、シャープなどに及びません。
しかし、常温・冷蔵のほか冷凍食材に対応できる部分を含めて、日立の「フルオート調理」も悪くないです。
また、日立の場合、Wスキャン調理機能も言及に値します。
こちらは、メニューにあるレシピに限定されはしますが、規定分量より少なく作る場合も「調整不要」で勝手に調理してくれます。
「セミオート」と言えるかもしれませんが、優秀です。
トーストは、日立の場合、途中で裏返す必要があります。
また、トーストは2枚までの対応です。
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以上、日立の最高級機の紹介でした。
比較的価格が安く最上位機種が手に入るのが魅力です。
性能面は、日立は、上位機種になるほど、得意な電子レンジ機能をさらに伸ばす傾向にあります。
次回につづく
オーブンレンジ・電子レンジのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、電子レンジとオーブンレンジの選び方についてまとめました。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
対応人数 1-2人程度まで
スチーム調理 ★☆☆☆☆
レンジ性能 ★★★★★
オーブン性能 ★★★★★
トースト性能 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く2回目記事(こちら)では、まだ紹介できていない、パナソニックの最上位機をみておきます。
その上で、「全体のまとめ」として、予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
あと少し、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら