【今回レビューする内容】2025年 ハイレゾ対応ヘッドフォンの性能とおすすめ・選び方 :ワイヤードヘッドホン・高音質・高級ヘッドホン:オンイヤー密閉型製品の違いと人気ランキング
【比較する製品型番】SONY MDR-Z7M2MDR-M1 ST MDR-MV1 Q beyerdynamic T5 T1 3rd Generation DT 1990 PRO オーディオテクニカ ATH-ADX5000 ATH-ADX3000 ATH-A900Z ATH-MSR7b ATH-WS1100 ATH-WP900 ATH-AWKT ATH-AWAS DENON AH-D5200 AH-D7200 JVC WOOD 01 HA-SW01 HA-SW02 ゼンハイザー HD599 SE HD 660S2 HD 660S2 AKG K702 K712 PRO v-moda Studio Monitor M-200 iBasso Audio SR2 フィリップス Fidelio X3/00 FiiO FT1Pro FIO-FT1PRO-B FiiO FT3 FIO-FT3-B FIO-FT3-WB FiiO FT5 FIO-FT5-B FiiO FT1 Black FIO-FT1-B FiiO Snowsky WIND FIO-SSWIN ほか
今回のお題
高音質なハイレゾヘッドホンのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2025年6月現在、最新のハイレゾ対応ヘッドフォンを比較します。
圧縮規格と周波数帯域の部分で、しっかり「対応」といえる機種をえり抜いて見ていきます。
1・有線ハイレゾヘッドホンの比較
接続:有線ケーブル
装着:オーバーイヤー型
2・Bluetoothヘッドホンの比較
接続:Bluetooth
装着:オーバーイヤー型
記事をお読み頂くにあたって、はじめに「注意」して頂きたいことがあります。
上表のように、2記事に分けている部分です。
1回目記事(今回)は、「有線方式」のハイレゾヘッドホンのだけの紹介です。
高級機も多いタイプで、オーディオファンが自宅でじっくり聴くための本格機が多いです。
逆に、軽量で、外出先で使えるような仕様の製品は、Bluetooth全盛の現在、最近だとほぼなくなりました。
2回目記事(こちら)では、Bluetooth対応のハイレゾヘッドホンを扱います。
有線と無線と両方対応できる場合も、2回目記事(こちら)で紹介しています。
ただし、2回目記事に限ってはハイレゾに規格対応しない機種も交えての紹介です。しかし、どの製品ハイレゾ対応機なのかは、簡単にわかるようにして書いています。
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音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
疲れにくさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各製品を機種ごと比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
よろしくお願いします。
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1・完全ワイヤレスイヤホンの比較
2・左右直結Bluetoothイヤホンの比較
3・ハイレゾ対応イヤホンの比較
4・ノイキャン対応イヤホンの比較
5・Bluetoothヘッドホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ハイレゾヘッドホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、ヘッドホン比較シリーズ全体の7回目記事として書きました。
1-1・ハイレゾヘッドホンの選び方の基本

はじめに、ハイレゾヘッドホンの「選び方の基本」からです。
主に初めて対応機を買う方に向けた情報です。
あらかじめ説明しておくと、ヘッドホンなら何でも「ハイレゾ対応」というわけではありません。
対応するヘッドホン製品は、業界団体による認証マークが付与されています。
認定基準は、ヘッドホンの周波数帯域のうち数値の大きい方が、40kHZを超えていることが条件です。
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再生周波数帯域とは、ヘッドフォンの仕様を表す数値の1つです。
スペック表では、「4Hz〜40kHz」などと数値が出されます。
この数値の読み方は簡単です。
左値(4Hz)が、小さいほど「低音がしっかり聞こえるヘッドホン」であること、右値(40kHz)が大きいほど「高音が削られずに聞こえるヘッドホン」であることを意味します。
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CD音源の時代は、メディアの容量の関係から、20kHz以上の高音域は削られていました。
そのため、大抵のヘッドホンは、高音域は20kHzほどのスペックでした。
したがって、ハイレゾ音源に対応させたい場合は、今回紹介するような「ハイレゾ対応ヘッドホン」が必要です。
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なお、人間の耳の可聴域は(20Hz-20kHz)です。
そのため、過剰な数値はオーバースペックに思えますが、測定値のスペックに余裕があるほど、自然な臨場感を感じやすいです。
そのため、業界は40kHzという1つのハイレゾ基準を出したと言うことになります。
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今回の記事では、この業界基準に合致した、ハイレゾ対応ヘッドホン「だけ」を紹介します。
1・再生周波数帯域の広さ
2・ドライバーの大きさ(音質)
3・ヘッドホンの重さ・遮音性
その際、「再生周波数帯域の広さ」のほか、音質に直結するドライバー(=音を出す振動板)のサイズも詳しく紹介します。
また、使い勝手に直結する重さや遮音性などに注目して比較します。
なお、以下の製品紹介では、試聴が「趣味」なAtlasの調査結果に基づきつつも、スペック数値も重視して、ある程度客観的に選んでいます。
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というわけで、比較をはじめます。
1・有線ハイレゾヘッドホンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:SONY〈日本〉
1-3:JVC〈日本〉
1-4:DENON〈日本〉
1-5:オーディオテクニカ〈日本〉
1-6: v-moda〈米国〉
1-7:ゼンハイザー〈ドイツ〉
1-8:AKG〈オーストリア〉
1-9:フィリップス〈オランダ〉
2・有線ハイレゾヘッドホンの比較 (2)
2-1:beyerdynamic〈ドイツ〉
2-2:FiiO・iBasso ほか
2-3:最終的なおすすめ機種の提案
以上のようなメーカー順に、各機を見ていきます。
だいたいの順番としては、音漏れの少ない密閉型のヘッドホンを主に販売する企業がはじめで、オープン型(開放型」がメインの企業を後ろにという感じにしました。
1-2・SONYのヘッドホン
はじめに、SONYの製品です。
ソニーの場合、現在の主力はBluetooth(と有線の兼用)になっていいます。。
有線専用は、モニター用と、ハイエンドクラスのみの展開です。
ヘッドホンは、1機を除き、音漏れしにくい密閉型構造での展開です。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2019年発売】
1・SONY MDR-M1 ST
¥32,343 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:24Ω
再生周波数帯域: 3Hz〜80kHz
ドライバー:40mm
重さ: 215グラム
MDR-M1 STも、ソニーのハイレゾ対応のヘッドフォンです。
本機は、いわゆる「モニターヘッドホン」で、主に「本職向け」になります。
それもあり、販売は「ソニーミュージックソリューションズ 」です。
保証も、1年保証がないため、注意が必要です。
重さは、215グラムです。
十分軽量といって良い水準です。
タイプは、密閉型です。
スタジオでのプロユースに最適化するため、イヤーパッドに工夫があるほか、ジョイントにシリコンリングを採用するなどし、体動によるノイズの低減など、専用設計された製品です。
実際、この製品は、プロ向けのため「ハンドメイド製造」であり、特別な出荷前調整も行っています。
先述のように「保証がない」ですが、作りに自信がある裏返し、とも言えます。
イヤーパットの工夫で、長時間利用でも疲れにくいので、家庭用としても通用する製品です。
再生周波数帯域は、3Hz〜80kHzです。
ドライバーは、40mmのダイナミック型です。
技術仕様は公開されませんが、「独自開発」このことです。
ただ、利用される振動板の材質などは、同じです。
音質は、「モニターヘッドホン」なので、中音域を犠牲にしない、「バランス重視」のフラットな音質です。
ただ、高音の解像感、低音の迫力も十分なので、むしろ「バランスが良い」とも言えます。味付けの少なさは物足りなく感じる人もいますが、しかし、「スタジオの再現」という、ある意味のハイレゾ音源の目的を考えると、かえって、良いかもしれません。
インピーダンスは、24Ωです。
ハイレゾ対応のスマホや、小型音楽プレーヤーでも使えます。
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以上、ソニーのMDR-M1 STの紹介でした。
「モニターヘッドホン」として、スタジオ用に最適化されている製品です。このタイプで、ハイレゾに対応する製品は珍しく、希少価値があります。
音質的に家庭用と目指す方向は違うので、一般向けではないにせよ、ハイレゾの導入目的が「スタジオ録音の再現」ならば、この機種は、雰囲気込みで「あり」に思えます。
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【2023年発売】
2・SONY MDR-MV1 Q
¥42,900 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:24Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜80kHz
ドライバー:40mm
重さ: 223グラム
なお、MDR-M1 STをベースにしながら、オープン型にした製品が2023年に登場しました。
形状的には、MDR-M1 STと似ますが、振動板は、開放型のダクト構造に合わせた新設計で、単純に、背面だけをオープンバックににしたわけではないです。
ソニーの開放型というのは、記憶のかぎり本機が初めてですこし違和感を感じました。
どうも、同社の空間オーディオ(360 Reality Audio)を含めて、立体音響の作成に、ヘッドホン内の反響音が「致命的」らしく、そちら方面のクリエーター向きに出された製品のようです。
今回は「ハイレゾ」の話なので少し外れますが、スペック的にはこちらも「ハイレゾ対応」です。
逆に、低音域側の周波数帯域は5Hzと(悪くないですが)下がります。ただ、同じ形状のものを開放型にすると、そうなるかと思います。
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結論的にいえば、総じてモニター的なフラットな音質ですが、用途を想定したプロ向けなので、一般的には選択肢にしなくて良いかと思います。
ただ、これで空間オーディオの音源を聞いたらどうなのかは(それでも)気にはなります。見かけも「格好良い」です。機会があれば、加筆します。
【2018年発売】
3・ソニー ステレオヘッドホン MDR-Z7M2
¥74,385 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:70Ω
再生周波数帯域: 4Hz〜100kHz
ドライバー:70mm
重さ: 340グラム
MDR-Z7は、ソニーのハイレゾ対応ヘッドフォンの最高峰のモデルです。
近頃、中級機のMDR-1AM2が生産完了になりました。
それもあり、家庭向け、一般向けの有線のハイレゾ対応ヘッドホンでは、同社で最後に残った1機です。
重さは、335グラムです。
その点では、「しっかり音楽を聴く」ための高級機です。
タイプは、密閉型です。
再生周波数帯域は、4Hz〜100kHzと、広いです。
ドライバーは、耳全体をすっぽり被うサイズと言える大口径70mmHDドライバーユニットを搭載します。
アルミニウムコートLCP振動板の採用など、基本システムは同じです。
しかし、口径が大きな分、とくに低音域にパワーに功を奏しています。
音質は、特に、低音域に向かって余裕があります。
そのため、大音量にしなくても、迫力のある音が聞こえる傾向です。
ケーブルは、通常のヘッドホンケーブルと、多くの情報量を送れるバランスケーブルが付属しています。
このブログの【ウォークマンの比較記事】で紹介した同社の端末に、このケーブルで接続することで高音質を得られます。
もちろん、市販の高品質ケーブルに換装することでさらなる音質向上も狙えます。
従来的なヘッドホン端子用のステレオミニプラグも付属するため、バランス接続に対応できない機器でもOKです。
インピーダンスは、70Ωです。
本格的なオーディオにつなげて使うよう設計されたモデルです。
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以上、ソニーのMDR-Z7の紹介でした。
大きめのドライバーを採用したモデルです。バランスケーブル接続に対応しますし、呼応級音楽プレーヤーと接続して利用するとその能力を発揮できると思います。
1-3・Audio-technicaのヘッドホン
続いて、日本のオーディオ機器メーカーのオーディオテクニカの製品です。
同社は、開放型もありますが、密閉型構造のヘッドホンも出しています。
ハイレゾ系の製品は、どちらかと言えば、「バランス重視」な音質傾向です。
【2015年発売】
4・オーディオテクニカ ATH-A900Z
¥20,282 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:42Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:53mm
重さ: 330グラム
ATH-A900は、オーディオテクニカのヘッドフォンです。
ハイレゾに対応するモデルとしては、同社では最も安いシリーズです。
タイプは、密閉型です。
重さは、330gです。
若干重めの水準です。
ヘッドバンド部分を見た感じ軽量に見えますが、そうでもありません。
再生周波数帯域は、 5Hz〜40kHzです。
ハイレゾに必要なスペックをギリギリ満たす水準です。
ドライバーは、しかしながら、口径が大きい53mmです。
硬質カーボンによるコーティングをして強度を出しています。。口径の大きさが奏功して、ストレスのない広がりのある音が聴けます。
音質は、オーディオテクニカらしい、バランス重視で、フラットな音質です。
同社の製品の傾向ですが、無個性で味付けがない(邪魔にならない)感じです。
どの音源にも合いやすいですが、この部分については好き嫌いがあるでしょう。
デザインは、若干本体デザインが古風ですが、フィット感はソニーと同様に良いです。
インピーダンスは、42Ωです。スマホや携帯音楽プレーヤーというよりも、本格的なオーディオ製品用でしょう。
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以上、オーディオテクニカのATH-A900の紹介でした。
ソニーの入門機に較べると大口径のドライバを採用するのが魅力な機種です。
とくに、低音域に余裕がありそうです。なお、密閉型ですが、オーディオテクニカの製品は遮音性がさほどなく、「セミオープン」ともいえます。自宅用でしょう。
【2018年発売】(在庫限り)
5・オーディオテクニカ ATH-MSR7b BK
6・オーディオテクニカ ATH-MSR7b GM
¥40,000 楽天市場 (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:35Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜50kHz
ドライバー:45mm
重さ: 237グラム
ATH-MSR7bは、オーディオテクニカのヘッドフォンです。
先ほどの製品と比べると、ヘッドバンド部分は一般的な製品と同じです。
タイプは、密閉型です。
重さは、237グラムと軽量と言って良い水準です。
再生周波数帯域も、 5Hz〜50kHzですから、高音域のスペックが伸びています。
ドライバーは、この製品の場合、小さめの45mmです。
一方、設計的には軽量化が優先されており、ユニット構成も同社の製品としては結構「単純」に思えます。
2つの音響スペースと3つの空気孔(ベント)を採用するなど、音はあまりこもらず中低音の音質は良いですが、全体的な迫力は、やや控えめです。
音質は、引き続き、無個性で味付けがない感じです。
インピーダンスは、35Ωです。こちらも、本格的なオーディオ製品用でしょう。
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以上、オーディオテクニカのATH-MSR7bの紹介でした。
軽量性を意識した機種です。
ただ、ユニットサイズの問題もあるため、個人的には、やや音圧が物足りないです。いずれにしても、オーディオテクニカらしい音色は、ATH-A900のほうでしょう。
【2015年発売】
7・オーディオテクニカ ATH-WS1100
¥16,455 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:38Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:53mm
重さ: 281グラム
ATH-WS1100は、オーディオテクニカの別系統のモデルです。
タイプは、密閉型です。
重低音が強調されたSolid Bassシリーズの上位機となります。
再生周波数帯域は、 5Hz〜40kHzです。
ハイレゾに必要なスペックをギリギリ満たす水準に止まっています。
インピーダンスは、38Ωですので、どちらかというと本格的なオーディオ機器向けです。
ポータブル用としては開発されていさそうです。
ドライバーは、口径は、一般的な53mmです。
低音域は、しかし、ただ、ディープモーション・ハイレゾオーディオドライバーという一連のパーツで、低域出力の能率が高い仕様です。
大型の高磁束磁気回路と広い開口部が奏功しています。
中高音域も、損なわない配慮がなされていますが、傾向としては低音重視の人が選ぶモデルでしょう。
重さは、その一方で、281グラムと軽量化に成功でしています。
ただ、他社の同価格帯の商品に比べるとやや重めです。
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以上、オーディオテクニカのATH-WS1100の紹介でした。
低音をしっかり聞かせる同社のSolid Bassシリーズの特長が良くでている機種です。
一方、ハイレゾ用と考えた場合、高音域にあまり余裕がない、と言えるでしょう。ただ「ドンシャリ」系ヘッドホンとしては、良くできています。
【2019年発売】
8・オーディオテクニカ ATH-WP900
¥65,882 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:38Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜50kHz
ドライバー:53mm
重さ: 243グラム
ATH-WP900は、オーディオテクニカの天然木材を利用した、ハイグレード製品です。
タイプは、こちらも密閉型です。
同社は、伝統的に、ハウジングに木材を使った製品を販売してきており、同シリーズの最新機がこちらとなります。
今回は、ギターのフジケンに塗装を依頼して作成した、メイプル材を利用します。
再生周波数帯域は、 5Hz〜50kHzです。
高音域に、多少余裕がある製品です。
インピーダンスは、こちらも、38Ωですので、どちらかというと本格的なオーディオ機器向けです。
ドライバーは、口径は、この製品も53mmです。
ただし、設計は異なり、中・低音域の音質向上のための新形状バッフルを採用します。
高音域には、DLC(Diamond Like Carbon)コーティング振動板を採用しました。
振動板はある程度剛性があった方が、ハイレゾに合うため、各社とも工夫が多い場所です。
重さは、243グラムと軽量です。
なお、ケーブルは、ステレオケーブルのほか、バランスケーブルも付属します。
しています。
ただ、他社の同価格帯の商品に比べるとやや重めです。
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以上、オーディオテクニカのATH-WP900の紹介でした。
同社の下位機より大幅に高い製品です。ただ、値段の高さは、外観の天然木材の部材費によるところが多いため、やや趣味性が高い製品でしょう。
ハウジングの素材が音質に影響する部分は否定しませんが、より安い素材でも実現できる点をふまえれば、割高ではあります。
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【2019年発売】
9・オーディオテクニカ ATH-AWKT
¥220,000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:48Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜45kHz
ドライバー:53mm
重さ: 405グラム
10・オーディオテクニカ ATH-AWAS
¥162,800 楽天市場 (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:40Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜42kHz
ドライバー:53mm
重さ: 395グラム
なお、同社のハイレゾイヤホンのハイエンドは、以上の2機です。
こちらの製品は、黒檀・アサダ桜という高級木を利用しています。
重量級のあるモニターグレードの製品です。53mmというドライバーサイズや、DLC振動板の採用は下位機種と同じです。
内部パーツは、それぞれ専用設計となります。
下位機種と比較すると両機種とも、D.A.D.S.(Double Air Damping System)と呼ぶ、二重構造を採用し、低音域に余裕を持たせています。
さらに、 ATH-AWKTは、パーメンジュール合金の磁気回路を採用し、音のクリアさを高めます。
そのため、下位機とは音質は変わるでしょう。ただ、基本的な音響思想は、下位機種と同系統ですし、値段差ほどの差は、一般的にありません。
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結論的にいえば、(スピーカーシステムならともかく)、ヘッドホンにおいて、ここまでの製品は、個人的には不要かなとは思います。
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このほか、越前漆器と和鹿革のパッドを採用した「工芸品グレード」なATH-W2022の販売もあります。2022年に登場した記念モデルです。
100万円を超えてきます。ケースは木曽檜と白桐、京都産ちりめん生地、箱は越前和紙と、とことんこだわっています。もちろん、他山の石ですが、感心もしました。
【2017年発売】
11・オーディオテクニカ ATH-ADX5000
¥238,238 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:420Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜50kHz
ドライバー:58mm
重さ:270g
ATH-ADX5000も、オーディオテクニカの最高級機です。
タイプは、オープン型になります。
超高級なレファレンスモデルです。日本のメーカーとしては挑戦的な価格設定です。
重さは、同じく高級機のDT 1990 PROと比べて270gと軽量です。
実物を見ると、オープン型の利点を活かした軽量化が各所に見られますが、その部分をつきつめた「産業デザイン」としても美しい本体です。
再生周波数帯域は、5Hz〜50kHzです。ハイレゾに重要な高音域について、従来モデルよりも柔軟に対応させてきました。
ドライバーは、58mmです。
ドライバーを一体成形して入る点が贅沢です。
余分なパーツを含めないことで、純粋な音の振動をそのまま伝える工夫です。音のスピード感は最初の試聴時から感じられました。この部分は、ピュアオーディオには重要な部分です。
インピーダンスは、ただし420Ωです。
能率は良くないので、相当「趣味性」の強い製品と言えます。接続は、6.3mmのステレオプラグです。
音質は、オーディオテクニカの「味付けのなさ」をつきつめた印象です。
耳心地の良い「詩的な表現」は得意ではないので、音に関する説明はしませんが、「場の再現性」を強く感じられました。
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以上、オーディオテクニカの ATH-ADX5000の紹介でした。
価格的には、1つ抜けた高級品ですが、優れた性質を持つ製品です。
ただ、ニッチ市場の製品ですので、割高ではありますが、ダイナミックドライバ採用のオープン型のヘッドホンでは、「完成型」の1つと言えるでしょう。
次に見る後継機が出たので、改めて調査しましたが、音抜けも、解像感、スピード感はかなり良く、長年のロングセラーである理由が分かりました。
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【2025年発売】
12・オーディオテクニカ ATH-ADX3000
¥165,000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:50Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜45kHz
ドライバー:58mm
重さ:257g
なお、2025年に同じオープン型の「弟分」が出ました。
ドライバーは、58mmです。
同じタングステンコートで、バッフル一体型ですが、ボイスコイルが、 「ドイツ製パーメンジュール磁気回路」から、純鉄ヨーク磁気回路に変更がみられます。
あとは、外装部分(ハニカムパンチングの目の粗さ、フレームのマグネシウム合金不採用、イヤパッドの質感)などが変わります。
重さは、一方、257gとやや軽量です。
コスト面の外装変更の結果とも言えますが、時代的に軽量なモデルのニーズが増したため、そこを意識したようには思います。
そのほか、インピーダンスが下がった点、示される周波数帯域の幅が、若干縮まった点が目に付いた違いです。
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結論的にいえば、上位機の仕様のうち、音質に関わる部分の省略を最小限にして、このシリーズの持つ、スピード感や、音歪みの少なさなどを保持した部分で、好印象の製品です。
価格的には、まだまだ上級者向けながら、値段に「手加減」はあるため、外装より音質重視で選ぶ場合、良い機種の1つです。
1-4・DENONのヘッドホン
つづいて、日本のデノンの密閉型構造のハイレゾヘッドホンです。
低音域の充実度に定評のあるメーカーですが、オーバヘッド型でハイレゾ対応機を一定数出しています。
【2018年発売】
13・DENON AH-D5200
¥59,773 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:24Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:50mm
重さ:385g
AH-D5200 は、DENONの密閉型ヘッドフォンの上位機です。
重さは、385グラムです。
ドライバーが大きいという理由もありますが、ハウジングにゼブラウッドを利用するなど、軽量感よりも高級感を重視した仕様ゆえでしょう。
もちろん、木製ハウジングは、音質面にも特徴を与えるため、重さは無駄ではありません。
再生周波数帯域は、5Hz〜40kHzです。
やはり、高音域がハイレゾに対応するギリギリの水準です。
ドライバーは、50mmです。
同社の最上位機同様のフリーエッジ型ドライバーです。
とくに低域の安定感に寄与すると思われますが、デノンのスピーカーにもみられたシステムです。
音質は、DENONらしいと言えます。
つまり、音節的には高音域にも冒険をしない、堅実な音作りです。SONYと聞き比べると、分かりやすいでしょう。
低音域は、値段相応な重層です。バランスを意識しつつも、低音重視で使いたい人はおすすめできます。
インピーダンスは、24Ωです。ポータブルな携帯機器でも使えます。
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以上、DENONのAH-D5200の紹介でした。
ヘッドホンの音質がイマイチ「ピン」と来なかった、ステレオスピーカーユーザーに試して欲しいヘッドホンです。
その評価基準だと、かなり得点が高いでしょう。ただし、重さや素材などを考えると、自宅で利用するものです。
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【2023年発売】
14・DENON AH-D7200
¥85,470 楽天市場 (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:24Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:50mm
重さ:385g
なお、同じ形状のフラッグシップとなるのが、AH-D7200です。
本機も、同じく50mmのフリーエッジドライバーですが、素材が異なり、(化0本)ナノファイバー振動板になります。
ただ、価格差の多くを占めるのは、やはり、羊革のヘッドバンドと、ハウジングの天然木に、アメリカン・ウォールナット材を採用しているからかと思います。
そのほか、着脱式ケーブルの銅の純度などに差が見られます。
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結論的にいえば、音質面で差はあるでしょうが、ハイエンドの常で、AH-D5200に比べると、コスパが良いとは言えない、という感じです。
1-5・JVCのヘッドホン
つづいて、日本のJVCケンウッド(日本ビクター)の密閉型構造のハイレゾヘッドホンです。
【2015年発売】
【上位機種】
15・JVC WOOD 01 HA-SW01
¥35,500 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
【下位機種】
16・JVC WOOD 02 HA-SW02
¥29,764 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:56Ω
再生周波数帯域: 8Hz〜45kHz
ドライバー:40mm
重さ:330g / 320g
WOOD 01は、JVCケンウッドのCLASS-Sシリーズに属するハイレゾ対応機です。
重さは、330gです。
したがって、軽量化のために音質は犠牲にしないタイプの「音質重視」の機種です。
再生周波数帯域も、8Hz〜45kHzです。
ドライバーは、口径は40mmです。
Bluetooth型だと、このサイズも多いですが、有線としてはそこまで大きくないです。
ただ、「聴き疲れしにくさ」と「中音域の良さ」で選ばれるメーカーですし、そこまで問題には思えません。重さとのバランスを考えた、最適解なのでしょう。
音質は、独特です。
JVCは、ヘッドホンのハウジングに限らず、天然木を利用した振動板を利用することに「こだわり」があります。
中・低音域に安定感のあるのは、材質的なこだわりがあるからでしょう。
高音域については、一方で、さほどの工夫があるとも言えません。
インピーダンスは、大きいので、携帯機器には向かない可能性があります。
なお、【上位機種】は、内部ユニットのいくつかに、木製パーツが増えるほか、音響用ハンダで接着した点が、下位機種と異なります。
ただ、値段差分の音の差は、基本的には感じられないレベルでしょう。
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以上、JVCのWOOD 01の紹介でした。
「ハイレゾ向き」かは留保せざるを得ないですが、同社伝統のWOODシリーズらしく、「温もりのある自然な響き」は期待できます。
あまり大きなボリュームにせず、自宅でゆったり聴きたい製品です。
1-6・V-MODAのヘッドホン
つづいて、米国のローランドが展開するv-modaのモニターヘッドホンです。
こちらも、密閉型構造のハイレゾヘッドホンです。
【2020年発売】
17・v-moda Studio Monitor M-200
¥33,880 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
インピーダンス:30Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:50mm
重さ:290g
Studio Monitor M-200 は、米国のv-modaが発売するモニターヘッドホンです。
クラブDJ初の音響企業ですが、2019年から、ローランドに吸収されたこともあり、日本では割と楽器屋系列で見かけるようになっています。
重さは、290gです。
モニターヘッドホンとしては少し軽めでしょう。とはいえ、プロ用なので、耐久重視でもあります。
再生周波数帯域も、5Hz〜40kHzです。
ハイレゾ対応ですが、低音方向も強調したい、という数値でしょう。
ドライバーは、50mmです。
軽量化に奏功することの多い、CCAWコイルを採用していること以外、取り立ててスペックは強調されません。
音質は、基本的には低音重視です。
v-modaの従来からの企業的特徴ですから、これをキープしつつ、「原音忠実性」をたかめ、ハイレゾ音源に対応させたという仕様です。
インピーダンスは、30Ωです。
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以上、v-modaのStudio Monitor M-200 の紹介でした。
デンキヤ系列ではあまり見られない製品ですが、コアなファンも多いブランドのハイレゾ機です。
外観も個性的なので、周りがあまり使っていない製品を試したい方は選択肢にできるでしょう。
1-7・ゼンハイザーの開放型ヘッドホン
はじめに、ドイツの老舗音響メーカーのゼンハイザーのハイレゾ対応の開放型ヘッドホンからです。
【2016年発売】
【通常型番】
18・ゼンハイザー オープン型 HD 599
¥23,800 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
【Amazon限定】
19・ゼンハイザー オープン型 HD599 SE
¥21,203 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:50Ω
再生周波数帯域: 12Hz〜38.5kHz
ドライバー:40mm
重さ:250g
HD 599は、ドイツの音響メーカーであるゼンハイザーのヘッドフォンです。
タイプは、こちらはオープン型です。
この価格愛ではオープン型の「代表格」とも言えるモデルであり、独特の「プリン型」は根強いファンがいます。
なお、この製品には、アマゾン限定色があります。簡易包装での発送となりますが、性能は同じです。
重さは、250グラムと、オープン型としては平均的です。
再生周波数帯域は、しかしながら、12Hz〜38.5kHzです。
この部分の数値でとらえると、低音・高音共に余裕が少ない状況です。
ドライバーは、サイズ非公開ですが、およそ40mmです。
音質は、味付けの少ない「まろやかな」サウンドです。
解像感・メリハリよりも、聞きやすさが重視されているヘッドフォンで、固定ファンも多いです。
インピーダンスは、50Ωと高めです。
実際、開放型なので、自宅のオーディオ機器で聴くのに向いている機種です。
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以上、ゼンハイザーのHD 599の紹介でした。
再生周波数帯域の点で、決して「ハイレゾ向き」とは言えない機種ですが、良い音が出せるのは変わりません。
実力がある機種ですので、ヘッドフォンアンプなどのDACを通すとより真の性能が発揮されそうです。
【2023年発売】HD 660S後継機
20・ゼンハイザー オープン型 HD 660S2
¥88,000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:300Ω
再生周波数帯域: 8Hz〜41.5kHz
ドライバー:38mm
重さ:260g
HD 660S2も、ドイツの音響メーカーであるゼンハイザーの開放型ヘッドフォンです。
2017年に登場した初代から、5年ぶりに新機種になりました。
スペック的に音域がやや拡がりました。
その上で、とくに、低音の音圧が上がったのが今回の改良点です。
重さは、260グラムです。
下位機種より20gほど重い水準です。
ただ、さほど変わらないと言えばそうです。
タイプは、オープン型です。
再生周波数帯域は、8Hz〜41.5kHzです。
下位機種より、やや向上しています。
ただし、高音域は「ハイレゾ」ギリギリの水準ではあります。同社も明確に「ハイレゾ用」とは言いません。本機の個性は、どちらかと言えば低音なので。
ドライバーは、38mmです。
サイズは、前世代と同じですが、最低域の音圧を倍に改良しています。
振動板にラミネート加工をしつつ、形状を変更した結果です。なお、42mmという説もありますが、カタログでは調査時、日・英共にこのサイズでした。
2つの部分に分かれる面白い形なので、やや楕円形なのかもしれないです。
正確には不明です。
音質は、開放型だけでいっても、低音域が充実する傾向です。
インピーダンスは、300Ωですので、本格的なシステムにつなげるべき製品です。
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以上、ゼンハイザーのHD 660S2の紹介でした。
しっかりしたアンプとつなげて、開放型特有の抜け感を感じつつ、低音域の充実度を楽しむ製品でしょう。
一方、ハイレゾ向きかと言われると難しい部分で、少なくともそこをターゲットにした製品ではない、という言い方になります。
【2021年発売】
21・ゼンハイザー オープン型 HD 560S
¥22,700 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:120Ω
再生周波数帯域: 6Hz〜38kHz
ドライバー:38mm
重さ:240g
HD 560sも、ドイツの音響メーカーであるゼンハイザーの開放型ヘッドフォンです。
ヘッドホンは新機種への更新頻度が遅いですが、本機は、2021年に発売された新しめの製品です。
重さは、240グラムです。
HD 599と同じほどで、HD 660sより、軽量性を意識したとされます。
再生周波数帯域は、6Hz〜38kHzです。
したがって、ハイレゾ対応機として、高音域は平凡です。
ただ、低音域方面が6Hzとスペックが良いです。
実際、この部分を重視した改良だったようで、低音域の表現力はより充実します。
ドライバーは、38mmです。
素材は、不明ですが「ポリマー化学物質をブレンド」との表現が見られます。
音質は、基本的には、本機も、音抜けのよい、フラットな音質のモニターヘッドホンです。
方向性はHD 660sと同じです。
インピーダンスは、引き続き高めの、120Ωです。
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以上、ゼンハイザーのHD 560sの紹介でした。
ようするに、安めのHD 660sという表現が適当かと思います。
味付け少なめなので、扱いは難しく、「音源そのものを聴く」タイプです。
多少こちらの方がハイレゾには良い気もしますが、聴く音源の質に左右されるようになるので、ゼンハイザーで選ぶならば、一般的には、HD 599のほうが扱いやすいかと思いました。
1-8・AKGの開放型ヘッドホン
続いて、AKGの製品です。
AKGは、オーストリアの音響メーカーです。
JBLなどと同じくHarman傘下で、そのルートで日本にやってきているようです。
【2020年発売】K702-Y3-E
22・AKG K702-Y3 オープンエアー型
¥20,900 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:62Ω
再生周波数帯域: 10Hz〜39.8kHz
ドライバー:
重さ:235g
K702は、AKGのハイレゾ対応製品です。
もともと2011年に展開されたモデルです。保証期間の延長(3年)で型番が変わりました。
イヤーパッドに低反発性素材を使って、長時間かけても疲れないと評判のあるヘッドフォンです。
タイプは、オープン型です。
密閉型ではないため、自宅で使うオープンタイプのヘッドフォンです。
重さは、235グラムと軽量です。
装着感も良いため、疲れにくいヘッドホンです。
再生周波数帯域は、10Hz〜39.8kHzです。
ハイレゾ対応をそこまで意識した作りではないです。
インピーダンスは、62Ωです。
能率が悪いので、携帯音楽プレーヤーには向かないと言える機種です。
自宅やスタジオで使うと真価が発揮できるタイプのヘッドフォンです。
音質は、低音が強調されず、中・高音域で勝負をかけるような感じです。
耳疲れしにくい音質と言えます。ゼンハイザーと割と似た傾向でね。ドイツとオーストリアはお隣同士ですし傾向は似るのでしょうか。
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以上、AKGのK702の紹介でした。
恐らく、統計を取れば最も評価を得るだろう「ハイレベルのオーソドックスさ」がある機種です。ハイレゾに向いている機種ではないですが、クラシックには、このメーカーが個人的にはおすすめです。
【2020年発売】K712 PRO-Y3-E
23・ AKG K712 PRO-Y3
¥38,800 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:オープン型
インピーダンス:62Ω
再生周波数帯域: 10Hz〜39.8kHz
ドライバー:
重さ:235g
K712PROは、AKGのハイエンドモデルです。
唯一、モニタリング用ヘッドフォンという高級オーディオの称号?を付けられています。こちらも2013年モデルが、保証延長で型番が変わっています。
デザインも下位機種よりもスタイリッシュで、価格相応の高級感があります。
再生周波数帯域は、10Hz〜39.8kHzというハイレゾを満たす最低水準です。
数字に表れない部分の能力は高そうですが、スペック的には、先ほどの機種と同等です。
インピーダンスは62Ωです。
こちらもオープンタイプの構造なので、携帯用ハイレゾプレーヤーではなく、自宅やスタジオ向きのヘッドフォンだといえます。
1-9・フィリップスの開放型ヘッドホン
続いて、オランダのフィリップスが製造するハイレゾ対応ヘッドホンです。
音響機器メーカーというよりも世界的な総合家電メーカですが、定期的に「佳作」といえる音響機器を日本市場に投入し続けています。
【2021年発売】
24・フィリップス Fidelio X3/00
¥33,493 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:セミオープン型
インピーダンス:30Ω
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:50mm
重さ: 380グラム
Fidelio X3 は、オランダのフィリップスが製造するハイレゾ対応ヘッドホンです。
タイプは、セミオープンです。
音抜けは良いですが、自宅用です。
重さは、380グラムです。
それなりに重量感がありますが、フィット感はよいので、装着疲れは少なく感じます。
再生周波数帯域は、低音域が5Hzで、高音域が40kHzです。
ギリギリにハイレゾに対応する水準ですので、それだけをメインに作成されたモデルではないでしょう。
ドライバーは、50mmと重量感に見合うサイズです。
こちらについては、ダイヤフラムドライバーで、被膜下にダンピングジェルを充填しています。
軟質な素材を使うのは同社の特徴で、過剰な周波数を吸収し、バランス調整することを目的にしています。
一方、開放型で問題となる共振については、二層構造のイヤーシェルを導入する工夫があります。
インピーダンスも、30Ωとそれなりに使いやすそうです。
音質は、基本的にはフラットで原音忠実性を旨とします。
その上で、雑味がないよう調整されています。その上で、高音域もしっかり出ていました。
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以上、Fidelio X3 の紹介でした。
新技術というより、従来このシリーズが培った技術を積み重ね、ハイレゾ機にしたという製品です。
その点で革新性はないですが、実際的に音は良いため、値段相応の音質は期待して良いでしょう。
次回に続く!
ハイレゾ対応のおすすめヘッドホンは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、ハイレゾヘッドフォンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・有線ハイレゾヘッドホンの比較 (2)
2-1:beyerdynamic〈ドイツ〉
2-2: FiiO・iBasso ほか
2-3:最終的なおすすめ機種の提案
次回の2回目記事(こちら)では、ドイツのbeyerdynamicの製品をみたあと、ここまで紹介していない企業の製品をみていきます。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
疲れにくさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、ここまで紹介してきた製品全てから、価格別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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