【今回レビューする内容】2023年 最新のハイレゾ対応ポータブルヘッドホンアンプの性能とおすすめ・選び方:人気ポタアンの違いと人気ランキング USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ:有線イヤホンをBluetoothワイヤレス化できる小型アンプ:iPhone iOS Android対応
【比較する製品型番】 FiiO FiiO Q11 FIO-Q11-B FiiO KA5 FIO-KA5-B BTR7 BTR5 2021 FiiO KA3 FIO-KA3 FIO-Q3-MQA KA2 TC FIO-KA2-TC FIO-KA2-LT iFi xDSD Gryphon iFi GO blu iFi hip-dac 2 nano iBasso Audio DC05 SHANLING UA2 UA1 UA3 UA5 SHANLING UP5 UP4 CHORD Mojo MOJO-BLK Chord Electronics Hugo 2 Black Silver radius Ne RK-DA50CK iFi audio GO bar FiiO KA1 TC FIO-KA1-TC KA1 LT FIO-KA1-LT iBasso Audio DC06 DC05 iBasso Audio DC06 DC05 Hidizs DH80S DC03PRO Hidizs DH80 HiBy FD1 Chord Electronics Mojo 2 CHO-MOJO2 Chord Electronics Hugo 2 Black Astell&Kern AK HC2 IRV-AK-HC2 RK-DA70L DA70LK radius Ne RK-DA60CK RK-DA50CK ikko Audio Music Patch ITM05 Hidizs DH80 DH80S HiBy Music HiBy FD1 RADSONE EarStudio ES100 MK2 ikko Audio zerda ITM01 ほか
今回のお題
音質の良いヘッドホンアンプのおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2023年5月現在、最新のポータブルヘッドフォンアンプ(ポタアン)を比較します。
スマホの音質向上などの目的で定期的にブームになるオーディオジャンルです。
各社とも似たような形状の製品が多いですが、主に「音の傾向」に影響を与える部分の仕様に注目しながら説明していきます。
人気のBluetooth対応の製品を含めて、ハイレゾ音源対応の小型機を多く取りあげる予定です。。
1・ポータブルアンプの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:FiiO〈中国〉
1-3:iFI Audio〈台湾〉
2・ポータブルアンプの比較 (2)
2-1:Shanling〈中国〉
2-2:iBasso Audio〈中国〉
2-3:Astell&Kern 〈韓国〉
2-4:Radius〈日本〉
2-5:Hidizs〈中国〉
3・ポータブルアンプの比較 (3)
3-1:ikko Audio〈中国〉
3-2:CHORD〈イギリス〉
3-3:その他の企業〈各社〉
3-4:最終的なおすすめの提案【結論】
今回は、3回連続記事です。
1回目記事となる今回は、「ポタアンの選び方の基本」を紹介したあと、メーカーごと、順番に最新製品のスペックを詳しく比較します。
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3-1・SONY〈日本〉
:PHA-1A PHA-2A
:PHA-3
3-2・ONKYO 〈日本〉
:DAC-HA200(B)
3-3・TEAC〈日本〉
:HA-P50SE-B
:HA-P90SD-R
3-4・JVC〈日本〉
:SU-AX01
なお、上表は、過去に人気だった日本メーカーの製品です。
市場縮小の結果、2019年頃に、どのメーカーも生産終了(撤退)してしまいました。
現在は、中国・台湾などの中小のオーディオ企業が設計した製品を、日本の代理店が輸入する形式がほとんどです。
デンキヤに並ぶものも、たいていそのような流通ルートです。
「分かりにくい状況」なので、今回はこのような新状況を整理して、「現在の水準」で比較するつもりです。
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軽量性 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
対応音源の幅 ★★★★★
スマホ利便性 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
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1・ハイレゾ対応ヘッドホンの比較
2・ハイレゾ対応イヤホンの比較
3・ハイレゾ対応ポタアンの比較
4・Bluetoothヘッドホンの比較
5・Bluetoothイヤホンの比較
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較
7・ノイキャンヘッドホンの比較
8・ノイキャンイヤホンの比較
9・Beatsのヘッドホンの比較
10・ライトニング端子イヤホンの比較
11・ウェアラブルネックスピーカーの比較
12・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのポータブルオーディオ関係の比較記事の3回目記事として書きました。
1-1・ポータブルアンプの選び方の基本
はじめに、ポータブルアンプの「選び方の基本」の説明からです。
1・サンプリング周波数
= 48Hz以上
2・ビット数
= 24bit以上
ポータブルアンプは、定期的に「ブーム」があります。
2015年前後の(第一次)「ハイレゾポタアンブーム」の際は、ポタアンが、上表のような、「ハイレゾ音源に対応する最低水準」をクリアしていれば、「高性能」と言えました。
しかし、現行の「最新水準のポタアン」で、このスペックのクリアは、「常識的」です。
実際、DAC部品の値下がりなどで、1万円以下の格安機でも、上表のスペックを「クリア」しています。
したがって、この点だけでは、ポタアンを選ぶ基準とはなりません。
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1・サンプリング周波数
= 384Hz以上
2・ビット数
= 32bit以上
結論的にいえば、USB接続において、上表のスペック満たすのが、現在の「平均値」です。
このスペックに及ばないポタアンは、例外もありますが、「売れ残りの旧機種」が多いです。
一方、最近は、768kHz/32bit表記の製品も現れていて、(意味があるかは置いておき)あそれが、次の第3世代仕様」
その上で、Bluetoothでの「ワイヤレスハイレゾ再生」に対応するのが、最新ポタアンの「現在地」です。
Bluetoothの場合、「96Hz/24bit」に圧縮規格上のボトルネックがあります。そのため、ワイヤレス接続で、96Hz/24bitがあれば、十分な「高性能ワイヤレス機」です。
なお、iOS系(iPhone)は、(一部のLightning端子搭載製品以外は)どの機種もスマートにUSB接続しにくいため、Bluetooth接続できるポータブルアンプに注目して選ぶのが良いかと思います。
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これらの部分を見ておけば「変な製品を選ばない」でしょう。
1・出力(=mW)
= 100mW以上
= 200mW以上(バランス接続)
2・ノイズフロア(=μV)
= 5μV以下
あえて言えば、写真(左図)のような超小型ポタアンで、開放型(オープンエア)などで、(Ωの値が極単位多い)高インピーダンスヘッドホンにつなげる場合、出力(最大音量)とノイズフロア(雑音のなさの指標)をみておけば良い程度です。
ただ、この部分は多くの方には関係ない部分ですので、(ニッチな仕様で)言及する必要があるポタアンの場合だけ、ふれていく予定です。
続いて、サンプリング周波数とビット数について、もう一点、補足しておきます。
ハイレゾ音源は、E-ONKYO や、MORA など売られています。
そちらで売られている楽曲のハイレゾ音源(Flac/WAV)は、たいてい、96kHz・24bitの音源です。
この部分で言えば、最近のポタアンのスペックは過剰であり、「オーバースペック」です。
それでも、DSDなど、「音の解像度を楽しむための音源」は、少しずつ増えており、それらを「楽しめる」のは、最新機だけです。
また、高ビットレート・周波数に対応できる製品は、原音再現性が高まった「最新のチップ」を採用しているので、通常解像度のハイレゾ音源でも、音は(基本的に)良いです。
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その点で言えば、「買い直し」として、数年ぶりに、ポタアンを探している方も、現在は「買い時」です。
1・ハイレゾ対応ヘッドホンの比較
2・ハイレゾ対応イヤホンの比較
なお、もう一点だけ、「入門者向け」に補足しておきます。
ハイレゾの聴きたい場合、ポタアンに付ける再生機器(イヤホン/ヘッドフォン/スピーカー)もハイレゾに対応する必要があります。
具体的に言えば、高音域の再生周波数帯域が、40kHz以上出せる再生機器(イヤホン/ヘッドフォン)でないと、ポタアンの性能を活かせません。
このブログでは、上記の記事で、詳しく紹介しました。
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以上、ポータブルアンプを選ぶ場合の基本を紹介しました。
こうした要素をふまえつつ、冒頭で説明した順番で各社のポタアンを細かく比較していきます。
1-2・FiiOのヘッドホンアンプの比較
はじめに紹介するのは、FiiOです。
中国の音響メーカーですが、最近はグローバルに見ても、ポタアン市場の中心です。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2021年発売】
1・FiiO BTR5 2021
¥21,580 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:9時間
Bluetooth:対応
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (2.5mm)
音圧:80mW×2(120mW×2)
ノイズフロア:2μV(2.22μV)
サイズ:72x32x11mm
重さ:43.7g
対応:iPhone Windows Mac Android
BTR5は、中国のFiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
日本では、アキバのオヤイデが昔から輸入しています。
Atlasもなじみが深いブランドです。
本機は、2020年に出ていた旧型(FIO-BTR5-B)の後継機となります。
本機は、Bluetoothを搭載しています。
そのため、USB有線ほか、スマホなどの再生機器との間は無線で接続することもできるポータブルアンプです。
重さは、43.7gです。
小型で、携帯性も良い機種です。
バッテリーは、シングルエンドで普通につなげた場合、最大で9時間です。
バランス接続をする場合は、7時間です。
550mAhのバッテリーが内蔵されます。
DACは、米国のESSのDAC+アンプ統合型チップ「ES9219C」を搭載します。
この部分が旧機(ES9218P)から大きく変わった部分です。
なおDACというのは、デジタル音声をアナログ音声に変換する回路です。ポタアンにおいては、音質傾向に影響を与える重要なパーツと言えます。
パーツ代としてはさほど高いものではないですが、構成により音質は大きく変わります。各メーカーも、このパーツを中心に考えて音を設計する場合が大半です。本機の採用するES9219Cは、後ほどみるシャンリングなども同じものを使っています。
消費電力の改善ほか、MQAのデコードに対応するなど、高性能な最新DACです。
また、本機は、左右独立構成で2機のDACが搭載です。
DACをデュアル構成にするのは、入門用のポタアンにおける最近の「流行」です。普通につなげる場合も、解像感の向上効果が期待できます。
サンプリング周波数は、USB接続に限りますが、32bit/ 384KHzまで対応できます。
冒頭書いたように、音源の展開的にここまでは不要(オーバースペック)ではあるのですが、幅が広い分には良いでしょう。
DSDは、256MHzまで、MQAのデコードも対応します。
なお、MQAはハイレゾを超圧縮してストリーミング再生に適応できるようにする規格のことです。
音圧は、専用ケーブルでヘッドホンとバランス出力する場合は、240mW(120mW×2)です。
一方、一般的な3.5mmステレオ端子でシングルエンド出力する場合は、160mW(80mW×2)です。
なお、本機は、シングルエンド接続の時は2つのDACは使われない仕様で、
ライバルのSHANLING UPシリーズのDUAL DACブーストモードに相当するような機能の記載は見られないです。
ノイズフロアは、2μV(バランス時2.22μV)です。
本機は超小型機ではないのでさほど気にしなくても良いかとは思います。しかし、数字としては悪くないです。
スマホへの接続は、iOS系・Android系ともフォローします。
接続については、先述のようにBluetoothほか、USB-C端子経由での入力も可能です。
ケーブルは、USB-Cケーブル、USB-Aケーブルともに付属します。
その場合は、384kHz/32bit水準の再生力を持ちますので、高性能です。
Bluetooth接続は、一方、業界の圧縮規格(コーデック)上の限界で、最大でも96kHz/24bitまで対応になります。
コーデックは、「AAC・SBC・aptX/aptX LL・ aptX HD・LDAC・LHDC」と、ほぼフルで対応します。スマホ側がこれらに対応する場合、その音質で転送されます。
上表のうち、ハイレゾ用に使えるコーデックは、上表では「aptX HD・LDAC」です。そのほか、マイナーですが、LHDCにも対応です。
いずれも、ハイレゾ規格については、通信量の関係で、ある程度電波が安定している空間(自宅など)でないと、遮断はある程度あるでしょう。
本機は、Bluetooth 5.0に対応です。
スマホ側がBluetooth5以上ならば、通信安定性の部分も向上します。
PC・Macについても、利用が可能です。
USB-DACとしてほか、Bluetooth経由でも使えます。
ヘッドホン出力は、一般的な3.5mmのステレオミニジャックと、2.5mmのバランス出力もできます。
バランス出力の方が一般的に音質が良いですが、ヘッドホン(ケーブル)側の対応も必要となります。
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以上、FiiOのBTR5の紹介でした。
ライバル機は他社にもありますが、割と古くからDACを作っており、定評もあるメーカーである部分での信頼性は強調できます。
Bluetooth接続に対応できる中級機で、バランス出力ができる機種を探しているならば候補になるでしょう。 お気に入りの有線ヘッドホンを「手軽」にワイヤレスにしたい場合にも、便利に思います。
ただ、4.4mmのバランスに対応できない部分は注意してください。
一方、3.5mmのステレオ端子で、普通のヘッドホン(だけ)をつなげるつもりの方は、シングルエンド接続において工夫がみられる、シャンリングの製品と比較する必要はあるでしょう。
【2022年発売】
2・FiiO BTR7 FIO-BTR7
2・FiiO BTR7 FIO-BTR7-W
¥35,750 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:9時間(Qi対応)
Bluetooth:対応
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
音圧:80mW×2(120mW×2)
ノイズフロア:3μV(5.5μV)
サイズ:83.6x39.6x14.5mm
重さ:68g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO BTR7も、中国のFiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
先ほどみたBTR5の直接の上位機にあたるモデルで、10万円以内のモデルでは、同社の「最上位機」です。
はじめて1.3インチのカラー液晶(IPS)を装備しました。
合成皮革のケースはともかく、使い勝手ほか、高級感が増した印象です。
また、2023年には「BTR7 White」として新色も追加されました。
重さは、68gです。
まだまだ軽いとは言え、下位機種より重量は増えます。
Anker PowerWave II Stand 15W
¥4,390 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
バッテリーは、シングルエンド(3.5mm)で普通につなげた場合、最大で9時間です。
バランス接続は、本機は4.4mmになりましたが、そちらで8時間です。
880mAhのバッテリーが内蔵されます。
一方、今回、Qiワイヤレス充電に対応できるようになりました。
その場合の給電力については表示がないのですが、USB(2.0)充電の2倍速(3時間)となるので、おそらく15W給電かと思います。
上で挙げたAnkerの充電器等ならば、フルスペックで充電できるでしょう。
DACは、こちらも「ES9219C」を搭載します。
独立構成で2基搭載する部分を含めて、DACチップ周りは、下位機種を踏襲しています。
評判がよかった製品ですし、下手にいじるより良いかなと思います。
サンプリング周波数は、本機も、USB接続に限りますが、32bit/ 384KHzまで対応できます。
DSDは、256MHzまで、MQAのデコードも対応します。
下位機種と同じです。
音圧は、専用ケーブルでヘッドホンと4.4mmバランス出力する場合は、総合320mWです。
一方、一般的な3.5mmステレオ端子でシングルエンド出力する場合は、本機も片側のみの構成で、80mA(総合160W)になります。
基本的にこの部分も、下位機種の仕様を踏襲しているようです。
ノイズフロアは、3μV(バランス時5.5μV)です。
この部分のスペックは、多少下位機種より悪いですが、問題ない水準です。
下位機で積んでいたノイズ対策用のFPGA回路の言及はなくなったのでその関係かと思います。Bluetooth Soc自体の世代が上がった(QCC5124)ことによるかもしれません。
スマホへの接続は、iOS系・Android系ともフォローします。
この部分の仕様は下位機種と同じです。
Bluetooth接続は、先述のようにSocが新世代になりました。
対応するコーデックは、上表全部のコーデックに対応です。とくに、可変ビットレートのaptX Adaptiveにも対応したのは目立ちます。
ただ端末側(スマホ側)の対応は進んでいないのですが、ハイレゾ対応面のほか、遅延対策ができる部分で、映像視聴時には重要なコーデックになります。
本機は、Bluetooth 5.1に対応です。
PC・Macについても、下位機種同様、利用が可能です。
USB-DACとしてほか、Bluetooth経由でも使えます。
ヘッドホン出力は、一般的な3.5mmのステレオミニジャックと、4.4mmのバランス出力もできます。
標準に定められた5極4.4mmバランスの対応化が、本機登場の主要な意義とも言えます。
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以上、FiiOのBTR7の紹介でした。
利便性は確実に「値段相応」といえ、外観を含めて高級感が増しました。カラー液晶、Qiワイヤレス充電対応を含めて、文句はないです。個人的に欲しいと思えました。
一方、数値だけで言えば、3.5mmの一般的な接続で言えば、ノイズフロアやセパレーションは下位機種のが良い部分はありますし、そちらで十分かもしれません。
ただ、4.4mmのバランスを使う場合は話は別で、その部分では目的に適う製品だと思います。
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【2022年発売】
3・FiiO Q7 FIO-Q7
¥125,950 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:最大11時間
Bluetooth:対応
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C 同軸 光
出力端子:3.5mm + バランス (2.5+4.4+6.3mm)
音圧(32Ω):550mW(1500mW)
ノイズフロア:
サイズ:158.4x 88.5x28.3mm
重さ:620g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、同社の事実上の「フラグシップ」は、FIO-Q7です。
相当高額ですが、音圧はバランス時1500mW(DC電源時3000mW)と、相当強力な電源です。
DACは、ESSののES9038 Proです。
同社のハイエンドで、部品単価で、1.4万円ほどです。中身も、徹底的なノイズ対策をしており、価格の理由はある製品です。
ただ、重さが620gで、本体も大きいため、ポータブルといえるかは「微妙」です。
パワーは面白そうな部分もあるのですが、それがポタアンである必然性はないでしょう。サンプリング周波数的の部分で、格安機と最近は差が付かなくなっているので、あまりに高級なモデルは、個人的には選びがたく感じます。
ただ、市場にあっても良いモデルかなとは思います。
【2022年発売】
4・FiiO Q3 MQA FIO-Q3-MQA
¥21,900 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:最大12時間
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (2.5+4.4mm)
音圧(32Ω):160mW(340mW)
ノイズフロア:
サイズ:105x 59x12.5mm
重さ:110g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO Q3 MQA も、FiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
人気機種の最新版で、今バージョンからMQA対応になっています。
重さは、110gです。
値段と機能のわりに「軽量」と言えます。
バッテリーは、シングルエンドで普通につなげた場合、最大で12時間です。
1800mAhの結構大きめのバッテリーを積んでいるほか、最新の演算チップに換装した結果で、すこし長めと言えます。
DACは、旭化成エレクトロニクスのAK4452です。
2021年機でAK4462に換えた後、今回、以前に戻した形です。
性能は同じで(チップ自体は)768kHz対応ですが、DSD512(22MHz)もフォローできます。
ただ、AK4462のほうが世代が新しかったのは確かです。旧機種が2021年上半期在庫がなかったことをふまえると、同社の延岡工場の火災の影響かと思われます。
なお、新チップはダイナミックレンジが拡がったほか、(帯域外の信号を可とする)低分散ショートディレイフィルタが加わり、6種類のフィルタになった点が強調されてはいました。
オペアンプは、THXのTHX-AAA28です。
THX-AAA(Achromatic Audio Amplifier)の下位グレードのチップです。
高出力時の低歪・低ノイズの部分で品質が期待できます。
昨年モデルと比べると、今年からこちらがデュアル搭載となりました。
なお、オペアンプは、アナログ音声を増幅する回路で、やはり音質傾向に影響を与える部品です。
音圧は、160mW(バランス時330mW)です。
新機種になって10%ほど強化されています。
ノイズフロアは、一方、情報非公開になりました。
旧機種で5.5μVでしたが、今回は、MQAに対応させるため、演算性能の高いチップ(XU316)に換えているため、数値的には多少落ちた可能性はあります。
サンプリング周波数は、 768kHz/32bitです。
冒頭書いたように、現行水準では最大であり、「第3世代仕様」です。
DSDは、DSD512(22MHz)もフォローします。
ただ、MQAのデコードは、今回から対応です。
音質は、2016年頃発売の「第1世代」の入門機とは有意の差はあります。
現在的には、バランス接続でヘッドホンに出した際の解像感は、同社の上位機となるQ5には及ばないものの、ノイズも感じられず、値段以上の性能です。
2021年機との差については、先述のように、DACチップを戻した部分はありますが、オペアンプ部分の強化が見られるなど、進化を見せていると言えます。
試聴ができそうならば、補記する予定ですが、有意の差はみられないのではないかと思います。
Bluetooth接続は、本機は非対応です。
スマホへの接続は、USB-C端子を利用します。
3種類のケーブルが付属するので、iOS・Android双方にそのままつながります。
iOS系については、Lightning-to-micro USBケーブルが付属します。
そのほか、Windows/MacにもUSBケーブルでつなげられます。
一方、おそらく接続には問題ないとは思いますが、2020年バージョンにあったAppleのMFI認証の表記が新機種で消えました。
理由は不明ですが、付属するLightning部分がApple純正パーツでなくなったかもしれません。
PC接続も、付属のUSB-Cケーブルを利用します。
接続端子は、以前の同社の上級機は、バランス2系統がモジュール交換でした。
しかし、本機は、今回は、ステレオ端子を含めて「全部入り」になっています。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックと、2.5mmと4.4mmのバランスヘッドホン出力が選択可能です。
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以上、FIO Q3 MQAの紹介でした。
Bluetoothに対応する必要がない方が、音質重視で選ぶポタアンと言えます。
細かいパーツの変更(に伴う一部データの非開示)は、実際、メーカーを信頼するしかない部分がありますが。ただ、ここのところ定評のあったシリーズの最新作ですし、間違いはないでしょう。
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【2023年発売】
5・FiiO Q11 FIO-Q11-B
¥12,340 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/384kHz
バッテリー:最大13.5時間
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (2.5+4.4mm)
音圧(32Ω):165mW(340mW)
ノイズフロア:2.4μV(2.4μV)
サイズ:105.7x 60.5x16mm
重さ:150g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、バッテリー搭載の中型筐体では最近割と珍しいかと思いますが、2023年に入門機が追加されました。
しかも、バランス接続対応です。
また、真ん中にあいた窓は、LEDの色変化で再生周波数がわかるような工夫でもあります。
音圧は、160mW(バランス時330mW)です。
ノイズフロアの数字も良く、最近増えているスマホ用の超軽量型(格安機)との差異化はできています。
DACは、Cirrus LogicのH級のCS43198です。
中音域の充実度が指摘されることの多いものです。
他社だとこれをデュアルDACにしているところもありますが、さすがにシングルです。
オペアンプは非公開ですが2系統です。その他、低ノイズレギュレータ等の採用などは、スペックにも表れているように思えます。
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結論的にいえば、面白さがある入門機に思えます。
持ち歩く際に必ずしも「ミニマム」でなくとも良いならば、こちらは候補の1つになるでしょう。
【2021年発売】
6・ FiiO KA3 FIO-KA3
¥16,194 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
出力〈32Ω):130mW(240mW)
ノイズフロア:3.9μV(4.4μV)
サイズ:幅56×高さ12×奥行20mm
重さ:17.5g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO KA3も、中国のFiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
重さは、17.5gです。
スマホ用の超小型機で、あまり邪魔にならずに持ち歩けるというコンセプトの製品です。
シャンリングなど、他社も同じような製品は展開しますが、同社からでるのは恐らく初かと思います。
バッテリーは、本機の場合、USB給電です。
他社機もそうですが、ここまで小型の機種はこの仕様です。
スマホの電池が相応に減るほか、バッテリー内蔵型よりも、音源の通信安定性は下がります。
DACは、米国のESSのES9038Q2Mです。
チップ自体は2019年頃に出たものですが、小型機向けの同社のハイエンドであり、768kHz//32bitとDSD512に対応した「第3世代」です。
音圧は、130mW(バランス時240mW)です。
シングルDACの小型機ですが、3.5mmの接続でも130mWですので、小型機ながら値段相応に優秀です。
バッテリー式よりスマホ給電型のほうが、割と出力レベルは高くしやすいようです。
ノイズフロアは、3.9μV(バランス時4.4μV)です。
この程度ならば問題ないでしょう。
Bluetooth接続は、非対応です。
スマホへの接続は、iOS系・Android系ともフォローします。
ただ、本機についてはUSB-C端子で、付属ケーブルもUSB-C to USB-CケーブルとUSB-Aアダプタのみです。
実際には、Android向けでしょう。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックと、4.4mmのバランス出力に対応できます。
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以上、FiiO KA3の紹介でした。
この手の製品は他社からも出ていて、比べると少し値段が高めですが、4.4mmのDACが利用できるのがポイントと言えそうです。
先述のように、音についての信頼性は強調できるメーカーですので、安心感はあるでしょう。
ただ、構成としてAndroid用であると言えますので、iOS(iPhone)については、やはりデフォルトでケーブルが付属するような製品を選んだ方が良いかと思います。
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なお、このタイプの小型機は、これ以外も複数出ています。
順番にみておきます。
【2022年発売】
7・FiiO KA5 FIO-KA5-B
¥21,700 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C/Lightning
出力端子:3.5mm+4.4mmバランス
出力〈32Ω):130mW(265mW)
ノイズフロア:1.6μV(1.8μV)
サイズ:幅56.3×高さ12×奥行22mm
重さ:19g
対応:iPhone Windows Mac Android
第1に、 FiiO KA5です。
このタイプの上位版で、やはり、4.4mmのバランスにも対応する製品です。
アンプは、先ほど同社の中型入門機でもみましたが、Cirrus LogicのCS43198です。
中音域の充実度も高いタイプです。
少し高めの価格なのは、デュアル構成での採用だからです。
スペック的には、とくにノイズフロアの優秀さが目立ちます。他社(Astell&Kern)も同じDACを2つ詰む機種を出します。
スペックが確認できる分、こちらのほうが信頼感はあるかなと思います。
接続は、USB-Cですが、USB-C to Lightningのケーブルも付くため、iOS系でも問題ないです。
USB-Cケーブルも付属です。
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結論的にいえば、現状で併売中ながら、コンセプトと価格帯が似通っている部分でFiiO KA3の実質的な後継機になるのではないかと思います。
ノイズ対策や出力を含めて、スペック的な安心感もあります。
一方、DACは「低消費電力」とされますが、デュアル構成でそれなりにパワーを使うので、スマホのバッテリーにはやや注意を要するかと思います。
音質を求めるため、これは仕方ない部分です。放熱はアルミ筐体ですし、そちらは問題ないかなと思います。
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【2022年発売】
【USB-Cモデル】
8・ FiiO KA1 TC FIO-KA1-TC
¥7,273 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
【Lightningモデル】
8・ FiiO KA1 LT FIO-KA1-LT
¥8,800 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C/Lightning
出力端子:3.5mm
音圧(32Ω):45mW
ノイズフロア:
サイズ:幅40×高さ15×奥行8mm
重さ:10g
対応:iPhone Windows Mac Android
第2に、 FiiO KA1です。
このタイプの最廉価版です。
アンプは、ESSのES9281AC PROという最近登場した新しい汎用製品を使います。
評価は定まっていませんが、ほかにも、Audirect Beam3Sなどが採用してきているので、改めて加筆するかもしれません。
仕様的に、スマホ向けの格安機で、このグレードは、他社も伝統的に強いので、比較は必要でしょう。最終的なおすすめは、記事の最後で考えます。
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【2022年7月】
【USB-Cモデル】
9・ FiiO KA2 TC FIO-KA2-TC
¥9,900 楽天市場 (1/26執筆時)
【Lightningモデル】
9・ FiiO KA2 LT FIO-KA2-LT
¥11,550 楽天市場 (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C/Lightning
出力端子:4.4mm
音圧(32Ω):153mW
ノイズフロア:
サイズ:幅40×高さ15×奥行2mm
重さ:12.3g
対応:iPhone Windows Mac Android
第3に、FiiO KA2です。
KA1とほぼ同じ筐体を4.4mmバランス接続用としたものです。
DACは、小型ではお馴染みのシーラス・ロジック(Cirrus Logic)のCS43131がデュアルです。
小型で、バランス特化型は、大手からは今までなかったと思いますし、極小筐体で手軽に音質アップできる点が魅力と言えます。
スマホだけでなく、ラップトップ用にもニーズがありそうです。
アルミ製筐体で、放熱面の配慮もあるほか、インジケーターの色で、音源の種類(ハイレゾ/DSD)が分かる点も気が利いています。
1-3・iFI Audioのヘッドホンアンプの比較
続いて、台湾のオーディオメーカーのiFIオーディオの製品の紹介です。
第1次「ハイレゾポタアンブーム」時代にも目立ったメーカーですが、しっかり、後継品も出しています。
【2021年発売】
10・ iFi audio iFi hip-dac2
¥33,000 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:8時間
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
出力〈32Ω):280mW(400mW)
ノイズフロア:
サイズ:102x70x14 mm
重さ: 125g
対応:iPhone Windows Mac
iFi hip-dac 2は、iFi Audioのハイレゾ対応アンプです。
本体の重さは、125gです。
同社の他機と同様軽量ですが、本機の場合、それに加えて、薄くて小型なので、持ちはこびに適します。
バッテリーは、シングルエンドで普通につなげた場合、最大で8時間です。
DACは、本機も、バーブラウンのDACです。
詳しくは書いていませんが、(ボカした)写真からみるとDSD1793のようです。
オペアンプは、OV2637という、同社のオリジナルになります。
音質は、同社の旧機(nano iDSD)の傾向を引き継ぎ、ノイズ・干渉に配慮した構成です。
とくに、3.5mm4極(TRRS)のS-バランス接続に対応する点も独自性です。
バランス接続でない一般的なステレオミニ端子の接続でも使える「バランス的接続の利点」が得られます。
要するに、入口はシングルエンドですが、左右を別々のアンプで駆動させる構造にすることで、ノイズ・干渉に強く、クロストーク現象が発生しにくい構造です。音質に影響を与えるDACを同系統にしており、同社のサウンドの特性は引き継いでいる感じです。
ただし、(高度なジッター対策への言及がありつつも)AMRのクリスタルクロックへの言及はない点が、旧シリーズとの違いでしょう。
実際、XBassつまみがあり、それを調整して、低域を「取り戻す」という仕様ですから、旧機(nano iDSD)と思想はやや異なるでしょう。
それらの点から言えば、現代に求められる音の傾向に合わせつつ、軽量化もなした別系統というのが適当かもしれません。
音圧は、280mW(400mW)です。
サイズ感からするとパワフルで、インピーダンスが高めでも鳴らせるでしょう。
ノイズフロアは、数値は非公開です。
サンプリング周波数は、 384kHz/32bitまで対応しています。
ハイレゾを超圧縮してストリーミング再生に適応できるMQA方式にも対応します。
Bluetooth接続は、非対応です。
A・アップル カメラアダプタ MD821 AM/A
¥4,587 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
B・変換名人 USB3.0接続ケーブル
¥547 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
スマホへの接続は、注意が必要です。
第1に、iOS系端末との接続です。
この場合、カメラアダプタ(A)を経由させてから、その先に変換ケーブル(B)をつける型式にしないと、音質が劣化します。
第2に、Android系端末との接続です。
お使いのスマホがUSB On-The-Goに対応ならば、市販のUSB-OTGケーブルを利用すれば可能と思います。ただ、しっかりとした対応の明示がない状況です。 ケーブルは、USB-C OTG・USB-A・USB-Cが付属します。iPhone用のカメラアダプタは別売です。
パソコンは、付属のUSBケーブルだけで接続可能です。
ヘッドホン出力は、一方、本機は、3.5mmのステレオミニジャックを1系統のほか、4.4mmのバランス接続にも対応します。
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以上、 iFi hip-dac2の紹介でした。
同社の新設計の小型機です。同社の音質の良さに「持ちやすさ」という要素が加わり、お出かけ用に良さそうです。S-バランス接続というユニークな発想もあります。
似たような機種が多くなっている最近の状況では「良い個性」かとも思います。
一方、iFi nano iDSDとは音質傾向は似てはいますが、ややパワフルさ重視かなと感じます。とはいえ、ハイレゾを含めて再生は問題ないでしょう。
【2021年発売】
11・ iFi audio iFi GO blu
¥27,500 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 96kHz/24bit
バッテリー:8時間
Bluetooth:対応
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
出力〈32Ω):165mW(245mW)
ノイズフロア:
サイズ:幅34x高さ13x奥行55mm
重さ:27g
対応:iPhone Windows Mac Android
iFi GO blu は、 iFi audioの出した超小型製品です。
軽量でスマホ向きな製品は、他社からも出ていますが、本機は仕様がユニークです。
重さは、27gです。
ポケットインして利用して苦にならないサイズであり、重さです。
バッテリーは、シングルエンドで普通につなげた場合、最大で8時間です。
DACは、米国のシーラス・ロジック(Cirrus Logic)のCS43131です。
あとで見るiBassoが同じく超小型機で先行採用していました。
そちらと違いシングルDACですが、しっかりバランス回路で配線しています。
オペアンプは、本機も同社のOVシリーズです。
音圧は、165mW(バランス時245mW)です。
重さからすると大健闘でしょう。十分です。
ノイズフロアは、数値は非公開です。
サンプリング周波数は、96kHz/24bitです。
先述のDAC自体のスペックは 384kHz/32bitですが、仕様はこれで間違いないです。
本機の用途を考えるとBluetoothでつなげるユーザーが多いでしょうし、この仕様で問題ないように思えます。
ただ、MQAのデコードには対応できません。
Bluetooth接続は、対応です。
ハイレゾ用は、「aptX HD・LDAC・LHDC」に対応可能です。
音質は、 iFi hip-dac2と同じく、XBassを備えていて、「低音を取り戻す」こともできます。
加えて、XSpaceも対応です。
これは、ヘッドホン特有の「耳の中からきこえてしまう」という位置感覚を是正するための技術で、同社の上位製品に搭載されるものです。
同社のユニークな技術の1つです。
スマホへの接続は、本機はUSB-C入力を備えます。
ただ、USB接続の場合、96kHz/24bitですから、その用途はあまり意図していないでしょう。
基本的に、Bluetoothでつなげるユーザーに向く機種です。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックほか、4.4mmのバランス出力に対応できます。
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以上、 iFi audio iFi GO bluの紹介でした。
超小型機は他社からも多く出ますが、ハイレゾ対応のBluetoothを装備して、4.4mmのバランス出力ができる機種としては、最小・最軽量機といって良いでしょう。
その上で、電源回りもパワフルで、バランス回路配線でノイズ対策もあります。その上で、XBassとXSpaceというメーカー独自の補整を行うので、スペック部分からは、個性も実力も十分読み取れます。
問題は、小型機としては少し高めである点ですが、Atlasが持ちはこび用途で今すぐ買うならば、これを選ぶかと思います。
【2021年発売】
12・ iFi audio GO bar
¥46,800 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
出力〈32Ω):300mW(475mW)
ノイズフロア:
サイズ:幅64x高さ22x奥行13.2mm
重さ:28.5g
対応:iPhone Windows Mac Android
GO barも、iFi audioの製品です。
「ポケットサイズで最高に音質の良いポタアン」を目指した点で、 iFi GO bluの上位機になります。
重さは、28.5gです。
シンプルな外観にすることで、軽量性を保っています。
バッテリーは、USB給電です。
DACは、米国のシーラス・ロジック(Cirrus Logic)の384kHz/32bit対応のDACです。
型番については情報がないですが、シングルです。
オペアンプも同様に情報がないです。
音圧は、300mW(バランス時475mW)です。
相当クセのつよいヘッドホンでも対応できそうなパワーです。
この部分はだいぶ重視していると言えます。
ノイズフロアは、数値は非公開です。
サンプリング周波数は、384kHz/32bitです。
DSDは256で、MQAフルデコードも対応です。
Bluetooth接続は、非対応です。
音質は、 XBass+でのブーストと、XSpaceに本機も対応です。
その上で、4種のカスタムデジタルフィルタを搭載し、デジタルフィルタのかかりを調整できます。
スマホへの接続は、本機もUSB-C入力をりようする形式です。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックほか、4.4mmのバランス出力に対応できます。
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以上、 iFi audio GO bar の紹介でした。
軽量小型であることを前提に、パワフルにならせるという特性を突き詰めた機種でしょう。
かなりニッチで趣味性が強いのでニーズが合致する方は少なそうです。ただ、「尖った商品」なので、こういったものは試したい誘惑にかられます。
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【2022年発売】
13・iFi audio GO link
¥12,100 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm
出力〈32Ω):70wW
ノイズフロア:
サイズ:幅135x高さ12.6x奥行7.6mm
重さ:11g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、2022年に、ケーブル付きの超小型モデルがでました。
iFi audioでは、このタイプは記憶がないです。
DACは、ESSのES9219MQ/Qです。
あまりきいたことのないものですが、Class Gのアンプです。調整がうまいと思える、同社の調律でどのような音がするのかは、個人的に興味があります。
同じコンセプトのライバル機に比べて出力は少し弱めですが、堅実に音は鳴らしてくれるでしょう。
【2021年発売】
14・iFi xDSD Gryphon
¥82,500 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
サンプリング周波数: 768kHz/32bit
バッテリー:6時間?
Bluetooth:対応
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
出力〈32Ω):320mW(1000mW)
ノイズフロア:
サイズ:幅75×高さ19×奥行123mm
重さ:215g
対応:iPhone Windows Mac Android
xDSD Gryphonは、iFi Audioのハイレゾ対応アンプの上位機です。
本機は、iFi xDSDの後継機で、同社の最上位機です。
重さは、215gです。
持ち運べないこともないですが、軽量でもありません。
バッテリーは、時間や量としての表記がないです。
なお、本機の旧機種は6時間という表記でした。
後述するように、本機はBluetooth対応ですが、コーデックで時間はかなり大きく変わるので、あえて非開示なのかもしれません。
DACは、バーブラウンのDSD1793です。
生産は、テキサスインスツルメンツですが、合併する前のバーブラウンの設計となる「最終モデル」です。
オペアンプは、同社独自のOV2637とOV4627です。
音圧は、320mW(バランス時1000mW)です。
値段からすると当然ですが、パワーは相当です。
ノイズフロアは、数値は非公開です。
サンプリング周波数は、 768kHz/32bitまで対応します。
FiiOの最上位機と同じですが、音源的には完全に「ほぼ皆無」な世界でしょう。
MQAもフルデコード対応です。
音質は、クリアな特性はそのままに、低音の充実度とサラウンド感が調整可能な仕様です。
とくに、XBass IIシステムの効果で、やや「品の良すぎる」感のあった従来機の特性を改善しています。
フルバランス回路設計(PureWave)で電源回りもパワフルなので、ハイインピーダンスのヘッドホンにバランス接続するような使い方に向くでしょう。
そのほか、高感度イヤホン特有のヒスノイズ(サー音)を軽減するiEMatchなどが見どころです。
加えて、ヘッドホン特有の「耳の中からきこえてしまう」という位置感覚を是正するためのXSpace技術も備わります。
Bluetooth接続は、本機は非対応です。
スマホへの接続は、下記の通りです。
A・アップル カメラアダプタ MD821 AM/A
¥(4,587) Amazon.co.jp (1/26執筆時)
第1に、iPhone系との接続は、768kHz/32bitに対応させたい場合は、下位機と同じで、OTG/CCKコネクターが必須です。
【純正ケーブル USB-C】
USB On-The-Goケーブル
¥3,688 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
第2に、Android系は、USB OTGに対応するケーブルを買えば良いでしょう。こちらには、スマホ側USB-Cタイプと、Micro USBタイプがあります。
パソコンの場合は、付属のUSBケーブルだけで対応可能です。
Bluetooth接続は、上表にある全てのコーデックに対応です。
今回は、クアルコムのQCC5100を採用した結果で、今回進化した部分です。
Bluetoothのバージョンも、Bluetooth5.1ですので、安定性も高いです。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックを2系統装備します。
バランスについては、4.4mmのバランス接続に対応できます。
使い勝手の部分も見やすい有機ELが付きました。
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以上、iFi xDSD Gryphon の紹介でした。
旧機種(iFi xDSD )より重くなった部分はありますが、Bluetooth接続の部分でかなり進化しました。
主なターゲット層は、従来的なiFi Audioのユーザーでしょう。
同社がこだわるバーブラウンのDACと、クリスタルクロックに由来する同社の音質が好きな方で「バージョンアップ」を狙う場合は、今回のモデルは良い選択肢です。
一方、値段の理由の大部分は出力強化にあるので、(少し高いくらいの)ヘッドホン・イヤホンで利用するには、ここまでのスペックは不要には思えます。
はじめて同社の製品を選ぶ場合は、下位機種でも良いかなと思います。
次回につづく
ポータブルヘッドフォンアンプのおすすめは、結論的にこれ!
というわけで、今回は、ポータブルヘッドフォンアンプを紹介しました。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・ポータブルアンプの比較 (2)
2-1:Shanling〈中国〉
2-2:iBasso Audio〈中国〉
2-3:Astell&Kern 〈韓国〉
2-4:Radius〈日本〉
2-5:Hidizs〈中国〉
3・ポータブルアンプの比較 (3)
3-1:ikko Audio〈中国〉
3-2:CHORD〈イギリス〉
3-3:その他の企業〈各社〉
3-4:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、以上の製品を追加で紹介していきます。
軽量性 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
対応音源の幅 ★★★★★
スマホ利便性 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)で、いつものように、ここまで紹介した全機種から、目的別・価格別にAtlasのオススメ機種を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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