【今回レビューする内容】2024年 最新のハイレゾ対応ポータブルヘッドホンアンプの性能とおすすめ・選び方:人気ポタアンの違いと人気ランキング USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ:有線イヤホンをBluetoothワイヤレス化できる小型アンプ:iPhone iOS Android対応
【比較する製品型番】 フィーオ FiiO BTR13 FIO-BTR13-B BTR13-L KA15 FIO-KA15-B FIO-KA15-L Q11 FIO-Q11-B KA5 FIO-KA5-B FIO-BTR15-B FIO-BTR15-L KA13 FIO-KA13-B FIO-KA13-L FIO-Q3-MQA KA2 TC FIO-KA2-TC FIO-KA2-LT FiiO Q15 FIO-Q15-T FIO-Q15-B KA17 FIO-KA17-L FIO-KA17-B KA11 FIO-KA11TC-S FIO-KA11TC-B iFiオーディオ iFi xDSD Gryphon iFi GO blu iFi hip-dac3 nano GO bar 剣聖 hip-dac 2 シャンリン SHANLING UA6 UP5 UA1s H7 H5 UA4 SV TI SHANLING H2 BK アイバッソ iBasso Audio DC-Elite DC04PRO DC03PRO iBasso Audio DC07PRO アステル&ケルン Astell&Kern AK HB1 IRV-AK-HB1 AK HC3 IRV-AK-HC3 AK HC2 IRV-AK-HC2 AK HC2 IRV-AK-HC4 RK-DA70L ラディウス Ne RK-DA60CK RK-DA50CKRK-DA70C DA70CK ikko Audio ITB03 erda ITM01 RADSONE ES100 MK2 CHORD Mojo MOJO-BLK Hugo 2 Mojo 2 カイン Cayin RU7 Hidizs DH80S DH80 HiBy FD1 ほか
今回のお題
音質の良いポタアンのおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2024年11月現在、最新のポータブルヘッドフォンアンプ(ポタアン)の比較です。
iOSやAndroid系のスマホ向けの超小型機から、デスクトップ向けの「小さめ」まで、音質部分のスペックを重視しながら、メーカーごとみていきます。
Bluetooth機を含めてハイレゾ対応製品を中心にまとめました。
1・ポータブルアンプの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:FiiO〈中国〉
1-3:Radius〈日本〉
2・ポータブルアンプの比較 (2)
2-1:iFI Audio〈台湾〉
2-2:Shanling〈中国〉
3・ポータブルアンプの比較 (3)
3-1:iBasso Audio〈中国〉
3-2:ikko Audio〈中国〉
3-3:Astell&Kern 〈韓国〉
3-4:Hidizs〈中国〉
4・ポータブルアンプの比較 (4)
4-1:CHORD〈イギリス〉
4-2:他の企業〈各社〉
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめに「ポタアンの選び方の基本」を紹介します。
そのあと、上図の順番で、メーカーごと各機を詳しく比較します。
・SONY
:PHA-1A PHA-2A
:PHA-3
・ONKYO
:DAC-HA200(B)
・TEAC
:HA-P50SE-B
:HA-P90SD-R
・JVC
:SU-AX01
ちなみに、上表は、過去に人気だった日本メーカーの製品です。
市場縮小の結果、2019年頃に、どのメーカーも生産終了(撤退)してしまいました。
現在は、中国・台湾などの中小のオーディオ企業が設計した製品を、日本の代理店が輸入する形式がほとんどです。デンキヤに並ぶものも、たいていそのような流通ルートです。
「分かりにくい状況」なので、今回はこのような新状況を整理して、「現在の水準」で比較するつもりです。
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軽量性 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
対応音源の幅 ★★★★★
スマホ利便性 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
また、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
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1・ハイレゾ対応ヘッドホンの比較
2・ハイレゾ対応イヤホンの比較
3・ハイレゾ対応ポタアンの比較
4・Bluetoothヘッドホンの比較
5・Bluetoothイヤホンの比較
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較
7・ノイキャンヘッドホンの比較
8・ノイキャンイヤホンの比較
9・Beatsのヘッドホンの比較
10・ライトニング端子イヤホンの比較
11・ウェアラブルネックスピーカーの比較
12・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのポータブルオーディオ関係の比較記事の3回目記事として書きました。
1-1・ポータブルアンプの選び方の基本
はじめに、ポータブルアンプの「選び方の基本」の説明からです。
主に初心者に向けて、現在のポタアンのスペック面の「トレンド」について説明したあと、スマホとの接続を考えている場合の「ケーブル部分の注意点」について、あらかじめ解説します。
1・サンプリング周波数
= 384kHz以上
2・ビット数
= 32bit以上
第1に、サンプリング周波数とビット数についてです。
いずれも、ポタアン内蔵のDACに由来するスペックですが、音質面でとても重要なスペックとされます。
ポータブルアンプは、定期的に「ブーム」があります。
振り返れば、2015年前後の(第一次)「ハイレゾポタアンブーム」の際は、ポタアンがハイレゾ基準に対応する最低水準(48kHz/24bit)あれば「高性能」でした。
しかし、現在は、384kHz/32bitが、現在の「平均値」です。
高スペック機だと768kHz/32bit表記の製品も現れていて、(意味があるかは置いておき)そのあたりが次世代仕様となります。
ただ、市販のハイレゾ音源は、ハイレゾ音源(Flac/WAV)は、たいてい96kHz・24bitの音源です。定額音楽サービスも同じで、Amazon MusicのULTRA HD音源も、この水準です。
この部分で言えば、最近のポタアンのスペックは過剰であり、(普通に)音楽自体を楽しみたい場合は、やはり「オーバースペック」と言えます。
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結論的にいえば、数字が多いのは魅力ですが、必要以上にこの部分をみる必要はないです。むしろ、DAC自体のグレードや配線、あるいは、近年流行している「デュアルDAC」採用の有無などに注目した方がよいかと思います。
第2に、Bluetooth規格についてです。
中型機では、USB-DACだけでなく、Bluetooth対応モデルが増えています。
Bluetoothの場合、スマホ側のコーデック対応がマストです。
特に、iOS系の場合AAC音質が限界なのでハイレゾ対応は不可です。Android系の場合、XperiaなどLDACに対応できるものはあります。
とはいえ、移動中の利用などにはやはり便利で、スマホ(あるいはイヤホン)内蔵のDACを利用するより音質は良いです。
今回の記事でも重視して説明します。
【USB-C】
SHANLING OTGケーブル USB-C to USB-C
¥2,475 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
okcsc C4T OTGケーブル
¥1,250 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
【Lightning】
SHANLING OTGケーブル Lightning to USB-C
¥2,970 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
FIIO OTGケーブル FIO-LT-LT2 Lightning to USB-C
¥2,430 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
第4に、USB接続についてです。
主には、ケーブルについての注意点です。
96kHz・24bitを超える高ビットレートで利用したい場合、ポタアンではUSB利用しか選択肢がないです。しかし、市販のどのケーブルでも良い「わけではない」点に注意が必要です。
高ビットレートを楽しみたい場合、ケーブルが、PC介在なしでも使えるOTG対応(USB On-The-Go)であることを確認してください。
非対応の場合、ビットレートは使えないことになります。上記製品(主に自社ポタアン向け)などは対応です。
スマホ側は、Lightning採用のiOS・Androidを含めて、OTG対応なので、ケーブルを注意しておけばOKです。
・アップル カメラアダプタ MD821 AM/A
¥4,606 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
iOS系は、USB-C接続であるiPhone15世代以降ならば、先ほどみた見たOTG対応ケーブルで問題ないです。
iPhone 14世代以前のLightningの場合、純正だと上のカメラアダプタがOTG対応です。割と太いですが、純正の安定感はあります。
なお、USB-C to USB-Cケーブルは製品に最初から付属のポタアンも多いですので、仕様をチェックしてみてください。
1・出力(=mW)
= 100mW以上
= 200mW以上(バランス接続)
2・ノイズフロア(=μV)
= 5μV以下
第5に、音質面でのスペックです。
音質部分は、ポタアンの価格に比例するので、費用対効果の部分ではあまり心配してみずとも、予算だけ工面すれば(基本)OKです。
ただ、写真(左図)のような超小型ポタアンで、開放型(オープンエア)などで、(Ωの値が極単位多い)高インピーダンスヘッドホンにつなげる場合、出力(最大音量)とノイズフロア(雑音のなさの指標)はみておきましょう。
1・ハイレゾ対応ヘッドホンの比較
2・ハイレゾ対応イヤホンの比較
第6に、イヤホン・ヘッドホン側の対応です。
ハイレゾに対応したいバア、再生端末側もハイレゾ対応のものを選ぶ必要があります。
業界基準で言えば、各機の高音域の再生周波数帯域が、40kHz以上出せる再生機器(イヤホン/ヘッドフォン)でないと、ポタアンの性能を活かせません。
このブログでは、上記の記事で、詳しく紹介しました。
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以上、ポータブルアンプの「選び方の基本」について書きました。
こうした要素をふまえつつ、冒頭で説明した順番で各社のポタアンを細かく比較していきます。
1-2・FiiOのヘッドホンアンプの比較
はじめに紹介するのは、FiiOです。
中国の音響メーカーですが、最近はグローバルに見ても、ポタアン市場の中心です。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2023年発売】FiiO BTR5後継機
1・FiiO BTR15 FIO-BTR15-B
1・FiiO BTR15 FIO-BTR15-L
¥19,063 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:9時間
Bluetooth:Bluetooth 5.1
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
音圧(32Ω):125mW×2(340mW×2)
ノイズフロア:2μV(2.7μV)
サイズ:72.2x32x12.5mm
重さ:37.3g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO BTR15は、中国のFiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
アキバのオヤイデが長年輸入していたブランドですが、現在はエミライの取扱になっています。Atlasもなじみが深いブランドです。
本機は、21年発売のFiiO BTR5の後継機となります。DACが変更になり、4.4mmのバランスに対応になりました。全体的にスペックアップと言えます。
本機は、Bluetoothを搭載しています。
そのため、USB有線ほか、スマホなどの再生機器との間は無線で接続することもできるポータブルアンプです。
重さは、37.3gです。
小型で、携帯性も良い機種です。
バッテリーは、シングルエンドで普通につなげた場合、最大で8時間です。
550mAhのバッテリーが内蔵されます。
DACは、米国のESSのDAC+アンプ統合型チップ「ES9219MQ」を搭載します。
この部分が旧機(ES9219C)から大きく変わった部分です。
DACというのは、デジタル音声をアナログ音声に変換する回路です。ポタアンにおいては、音質傾向に影響を与える重要なパーツと言えます。
パーツ代としてはさほど高いものではないですが、構成により音質は大きく変わります。各メーカーも、このパーツを中心に考えて音を設計する場合が大半です。本機の採用するES9219MQは、2022年頃から各社が採用しはじめたG級アンプです。
音圧は旧機に対して40%向上しました。ノイズフロアなどはほぼ変わらないので、性能向上でしょう。
また、旧機同様、左右独立構成で2機のDACが搭載です。
DACをデュアル構成にするのは、入門用のポタアンにおける最近の「流行」です。普通につなげる場合も、解像感の向上効果が期待できます。
サンプリング周波数は、USB接続に限りますが、32bit/ 384KHzまで対応できます。
冒頭書いたように、音源の展開的にここまでは不要(オーバースペック)ではあるのですが、幅が広い分には良いでしょう。
DSDは、256MHzまで、MQAのデコードも対応します。
なお、MQAはハイレゾを超圧縮してストリーミング再生に適応できるようにする規格のことです。
音圧は、専用ケーブルでヘッドホンとバランス出力する場合は、340mW(340mW×2)です。
3.5mmステレオ端子でシングルエンド出力する場合は、125mW(125mW×2)です。
シングルエンド接続の時も、2つのDACを活かす構成です
ライバルのSHANLING UPシリーズのDUAL DACブーストモードに相当する構造と言えそうです。
ノイズフロアは、2μV(バランス時2.7μV)です。
本機は超小型機ではないのでさほど気にしなくても良いかとは思います。しかし、数字としては悪くないです。
FIIO OTGケーブル FIO-LT-LT2 Lightning to USB-C
¥2,430 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
スマホ・PCとは、USB、あるいは、Bluetoothでつなげます。
ケーブルは、冒頭書いた、OTG対応のUSB-C to USB-Cと、USB-A変換アダプタが付属です。
iOS用(Lightning)はないので、別売を購入します。上記のような純正があります。
なお、WindowsでUSBで32bit/ 384KHzを利用したい場合、USB AUDIO 2.0対応ドライバーをインストールしてください。
行わない場合は、USB AUDIO 1.0ですので96kHz/24bitです。
Macは、OS標準なので不要ですが、DSDはDSD128(5.6MHz)までです。
Bluetoothは、Bluetooth 5.0対応です。
スマホ側がBluetooth5以上ならば、通信安定性の部分も向上します。
コーデックは、AAC・SBC・aptX/aptX LL・ aptX HD・LDAC・LHDCと、ほぼフルで対応します。
ヘッドホン出力は、一般的な3.5mmのステレオミニジャックと、4.4mmのバランス出力もできます。
バランス出力の方が一般的に音質が良いですが、ヘッドホン(ケーブル)側の対応も必要となります。
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以上、FiiOのBTR15の紹介でした。
ライバル機は他社にもありますが、割と古くからDACを作っており、定評もあるメーカーである部分での信頼性は強調できます。今回の改良で、音圧も強化されたと言えます。
Bluetooth接続に対応できる中級機で、バランス出力ができる機種を探しているならば候補になるでしょう。 お気に入りの有線ヘッドホンを「手軽」にワイヤレスにしたい場合にも、便利に思います。
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【2024年発売】
2・FiiO BTR13 FIO-BTR13-B
2・FiiO BTR13 FIO-BTR13-L
¥11,446 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 96kHz/16bit
バッテリー:8時間
Bluetooth:Bluetooth 5.1
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
音圧(32Ω):100mW×2(220mW×2)
ノイズフロア:1μV
サイズ:幅63.2x奥行30x高さ18.8mm
重さ:28.6g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、本機の下位機に当たるのが、 FIO BTR13です。
Bluetooth Socは上位機と同じQCC5125なので、コーデック対応も上位機と同じです。
サンプリング周波数は、 96kHz/16bit です。
一般的なFlacに対応なので、スマホ用として問題ないです。ただ、その使い方に止まるとはいえます。
DACは、シーラスロジックのCS43131のデュアルです。
小型機では、よく採用される低電力・中パワーのDACです。
中音域が充実していると言われることが多い、2022年登場の製品です。
ノイズフロアも優秀ですし、音圧も、スマホ+TWSイヤホンと考えれば問題ないです。
特にバランスで220mWというのは、形状からして強めです。
バッテリーは、最大8時間です。
PC利用の場合はPC電源で稼動できます(PCモード)。
そのほか、BTモードとして、レシーバーとして使えますが、ニーズは限定的でしょう。
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結論的にいえば、スマホ用ならば、小型ディスプレイ付として安いので、入門用に実際良さそうに思えます。
デュアルDACである面白みもありますし、モニターはあった方が便利ですから。
【2022年発売】
3・FiiO Q3 MQA FIO-Q3-MQA
¥20,900 楽天市場 (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:最大12時間
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (2.5+4.4mm)
音圧(32Ω):160mW(340mW)
ノイズフロア:
サイズ:105x 59x12.5mm
重さ:110g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO Q3 MQA も、FiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
人気シリーズで、今バージョンからMQA対応になっています。
重さは、110gです。
値段と機能のわりに「軽量」と言えます。
バッテリーは、シングルエンドで普通につなげた場合、最大で12時間です。
1800mAhの結構大きめのバッテリーを積んでいるほか、最新の演算チップに換装した結果で、すこし長めと言えます。
DACは、旭化成エレクトロニクスのAK4452です。
2021年機でAK4462に換えた後、今回、以前に戻した形です。
性能は同じで(チップ自体は)768kHz対応ですが、DSD512(22MHz)もフォローできます。
ただ、AK4462のほうが世代が新しかったのは確かです。旧機種が2021年上半期在庫がなかったことをふまえると、同社の延岡工場の火災の影響かと思われます。
なお、新チップはダイナミックレンジが拡がったほか、(帯域外の信号を可とする)低分散ショートディレイフィルタが加わり、6種類のフィルタになった点が強調されてはいました。
オペアンプは、THXのTHX-AAA28です。
THX-AAA(Achromatic Audio Amplifier)の下位グレードのチップです。
高出力時の低歪・低ノイズの部分で品質が期待できます。
昨年モデルと比べると、今年からこちらがデュアル搭載となりました。
なお、オペアンプは、アナログ音声を増幅する回路で、やはり音質傾向に影響を与える部品です。
音圧は、160mW(バランス時330mW)です。
新機種になって10%ほど強化されています。
ノイズフロアは、一方、情報非公開になりました。
旧機種で5.5μVでした。
今回は、MQAに対応させるため、演算性能の高いチップ(XU316)に換えているため、数値的には多少落ちた可能性はあります。
サンプリング周波数は、 768kHz/32bitです。
冒頭書いたように、現行水準では最大であり、「第3世代仕様」です。
DSDは、DSD512(22MHz)もフォローします。
ただ、MQAのデコードは、今回から対応です。
音質は、2016年頃発売の「第1世代」の入門機とは有意の差はあります。
現在的には、バランス接続でヘッドホンに出した際の解像感は、同社の上位機となるQ5には及ばないものの、ノイズも感じられず、値段以上の性能です。
2021年機との差については、先述のように、DACチップを戻した部分はありますが、オペアンプ部分の強化が見られるなど、進化を見せていると言えます。
試聴ができそうならば、補記する予定ですが、有意の差はみられないのではないかと思います。
Bluetooth接続は、非対応です。
スマホ・PCは、したがって、USB-C端子を利用しての接続です。
制限などは先ほどの機種で説明した通りです。
Lightningを含めて、3種類のケーブルが付属するので、iOS・Android双方にそのままつながります。
PC接続も、付属のUSB-Cケーブルを利用します。
接続端子は、以前の同社の上級機は、バランス2系統がモジュール交換でした。
しかし、本機は、今回は、ステレオ端子を含めて「全部入り」になっています。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックと、2.5mmと4.4mmのバランスヘッドホン出力が選択可能です。
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以上、FIO Q3 MQAの紹介でした。
Bluetoothに対応する必要がない方が、音質重視で選ぶポタアンと言えます。
細かいパーツの変更(に伴う一部データの非開示)は、実際、メーカーを信頼するしかない部分がありますが。ただ、ここのところ定評のあったシリーズの最新作ですし、間違いはないでしょう。
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【2023年発売】
4・FiiO Q11 FIO-Q11-B
¥11,997 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/384kHz
バッテリー:最大13.5時間
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (2.5+4.4mm)
音圧(32Ω):165mW(340mW)
ノイズフロア:2.4μV(2.4μV)
サイズ:105.7x 60.5x16mm
重さ:150g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、バッテリー搭載の中型筐体では最近割と珍しいかと思いますが、2023年に入門機が追加されました。
しかも、バランス接続対応です。
また、真ん中にあいた窓は、LEDの色変化で再生周波数がわかるような工夫でもあります。
音圧は、160mW(バランス時330mW)です。
ノイズフロアの数字も良く、最近増えているスマホ用の超軽量型(格安機)との差異化はできています。
DACは、Cirrus LogicのH級のCS43198です。
中音域の充実度が指摘されることの多いものです。
他社だとこれをデュアルDACにしているところもありますが、さすがにシングルです。
オペアンプは非公開ですが2系統です。その他、低ノイズレギュレータ等の採用などは、スペックにも表れているように思えます。
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結論的にいえば、面白さがある入門機に思えます。
持ち歩く際に必ずしも「ミニマム」でなくとも良いならば、こちらは候補の1つになるでしょう。
【2023年発売】FiiO KA3 FIO-KA3後継機
5・ FiiO KA13 FIO-KA13-B
5・ FiiO KA13 FIO-KA13-S
¥12,744 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm + バランス (4.4mm)
音圧〈32Ω):170mW(550mW)
ノイズフロア:1.7μV(3.1μV)
サイズ:幅56.3×高さ10.5×奥行22mm
重さ:18.5g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO KA13も、中国のFiiO(フィーオ)のポータブルアンプです。
21年発売のKA3 FIO-KA3の後継機ですが、形状は大きく変わりました。内部については、DACが変更され、パワーも上がりました。
ケースはアルミニウム製で、強化ガラスから内部がみえる斬新なデザインです。LEDで、接続状況がわかる工夫もあります。
重さは、18.5gです。
スマホ用の超小型機で、あまり邪魔にならずに持ち歩けるというコンセプトの製品です。
バッテリーは、本機の場合、USB給電です。
他社機もそうですが、ここまで小型の機種はこの仕様です。
スマホの電池が相応に減るほか、バッテリー内蔵型よりも、音源の通信安定性は下がります。
DACは、小型ではお馴染みのシーラス・ロジック(Cirrus Logic)のCS43131がデュアルです。
小型で低ノイズでパワーを得られるので、小型のDual DACだと採用例が多いです。
DACは「低消費電力」とされますが、デュアル構成でそれなりにパワーを使うので、スマホのバッテリーにはやや注意を要するかと思います。
オペアンプは、SGmicroのSGM8262になります。
サンプリング周波数は、 384kHz/32bitまで対応しています。
音圧は、170mW(4.4mmバランス時550mW)です。
バランス時の音圧が大きいです。ただ、PC(デスクトップ用)を想定していて、モード変更にて対応させた場合の値になります。なお、ボリュームコントロールはあります。
ノイズフロアは、1.7μV(バランス時3.1μV)です。
バランス時の値は、先述の構造もあり「さほど」という感じです。
Bluetooth接続は、非対応です。
スマホ・PCは、USB接続に限定されます。
ケーブルは、USB-C to USB-Cケーブルと、USB-C to Lightningです。そのまま使えます。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックと、4.4mmのバランス出力に対応できます。
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以上、FiiO KA13の紹介でした。
小型製品では、PCで能率の悪いヘッドホンが利用できる、4.4mmのDACが利用できるのがポイントと言えそうです。
DAC部分に目新しさはないですが、音についての信頼性は強調できるメーカーですので、安定感はあるでしょう。
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なお、このタイプの小型機は、これ以外も複数出ています。
順番にみておきます。
【2024年発売】
6・FiiO KA15 FIO-KA15-B
6・FiiO KA15 FIO-KA15-L
¥19,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
【2022年発売】
7・FiiO KA5 FIO-KA5-B
¥21,000 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C/Lightning
出力端子:3.5mm+4.4mmバランス
音圧〈32Ω):290mW(512mW)
ノイズフロア:1.7uV(3.2uV)
サイズ:幅52×高さ11×奥行25mm
重さ:21g
対応:iPhone Windows Mac Android
第1に、 FiiO KA15です。
Bluetooth未搭載型の小型のポタアンで従来最上位機だったKA5の後継になります。
先ほどの機種と比べると、こちらは、約1インチのIPS液晶モニターが付属です。
操作性が向上するほか、UIの工夫で見映えも良いです。
利用機器へのバッテリーへの影響はありますが、まあ、最小限でしょう。
アンプは、Cirrus LogicのCS43198です。
同社の入門機や他社機でよくみる2022年登場のミドルレンジのDACで、旧機(KA5)と同じです。
中音域の充実度が売りで、本機もデュアル構成です。
オペアンプはSGMICROのSGM8262で、やはりデュアルにしています。
デュアルなオペアンプは、このグレードだと、今シリーズからになるでしょう。
ノイズフロアは1.7uVで、出力は、290mWです。
旧機と比べて、出力が特に高められました。
とくに、バランス時は512mWです(デスクトップモード時)。
接続は、USB-Cです。
ケーブルは、USB-C to USB-Cケーブルのみです。
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結論的にいえば、下位機との主な差は、出力でしょう。
能率が良くないヘッドホンを利用する場合、自在性で有利ですが、それ以外は、下位機でしょうか。逆に、現在は次に見る、上位機もでているので、若干中途半端なグレードです。
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【2024年発売】
8・FiiO KA17 FIO-KA17-B
8・FiiO KA17 FIO-KA17-L
¥25,335 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm+4.4mmバランス
音圧〈32Ω):270mW(560mW)
ノイズフロア:2μV(2.2μV)
サイズ:幅64×高さ12.7×奥行22.7mm
重さ:33.5g
対応:iPhone Windows Mac Android
第2に、FIO-KA17です。
FiiO KA15の上位機で、2024年に登場した製品です。
こちらのほうが少し早い発売でした。
基本仕様やデザインは踏襲しつつ、DACチップを変更しています。
アンプは、ESSのES9069Qのデュアル構成です。
2023年登場で、ESSの新しい上位DACです。
ダイナミックレンジを拡大しつつ、低消費電力・低ノイズが特徴のDACです。MQA利用時のパフォーマンスもレンダラーの統合で高まっているというアナウンスです。
同社ほか、シャンリンほかも24年から採用してきましたし、スティック型の小型中級機だとしばらく話題になりそうです。
本体も、アンプ部分の出力を強化し、バランス時560mWと出力面で1段階高い性能を確保しています。
スマホで使う小型機としては、この部分でここまでの能力は不要です。
しかし、KA15と同じでデスクトップモードを備えています。
その際 650mW+650mWの部分を活かせるということになります。
なお、USB-Cは、2系統ですが、1つは給電用です。
先述の高出力を担保するための工夫になります。出先でのスマホ利用時でもモバイル電源を確保すれば利用できますが(まあ)煩雑でしょう。
回路は、デジタル・アナログ回路を分離することによるノイズ対策、新しいUSBインターフェイスチップ(XU316)による遅延対策などが示されます。
低インピーダンスのヘッドホンなどもしっかり駆動できるほか、余裕のあるパワーで、低音を含めた音質は、ワンランク上です。
利便性の部分では、IPS液晶ではなく、モノクロOLEDが搭載になります。
カラーではないですが、このクラスだとあったほうが便利です。
接続は、USB-Cです。
ケーブルは、USB-Cのみなので、 Lightningの場合は別売ケーブルが必要です。
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結論的にいえば、スティック型でも音質を追求したい場合、多少大きく重くはなりますが、こちらを選ぶ意義はあります。
潜在能力をフルに発揮させたい場合、外部電源をとりつつのデスクトップモードを利用する必要がありますが、このグレードを買う方は「自宅でも楽しむ」場合も多いと思いますし、この仕様で良いものと思います。
一方、本機に限りませんが、高解像度音源に特化させた高性能機は、音源が悪いと粗さが目立ちますので、ハイレゾほか音源にもこだわる方に向きます。
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このほか、同社の超小型ポタアンとして、以下のようなラインナップがあります。
順番にみておきます。
【2024年発売】
9・ FiiO KA11 FIO-KA11TC-B
9・ FiiO KA11 FIO-KA11TC-S
¥5,980 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3,5mm
音圧(32Ω):200mW
ノイズフロア:
サイズ:幅44.5×高さ9.7×奥行10.5mm
重さ:8.5g
対応:iPhone Windows Mac Android
第1に、FiiO KA11です。
2022年登場の FiiO KA1に変わる 同社の新しいエントリー機です。
アンプは、同社のデュアルDAC機にも使われていたCS43131です(オペアンプ SGM8262)。
むろん、サイズ的にこちらはシングルDACですが、性質は同じです。
なお、前モデル(KA1)は、ES9281AC PROでしたので、DACは変わっています。
接続は、3.5mmのステレオになります。
エントリー機ですし、追加で言及するべき部分は少ないですが、装着した際に、ポタアンと分からないスマートなデザインは評価できるでしょう。
ケーブルは、二重編組で剛性重視で断線は問題なさそうです。筐体は、アルミとマグネシウムの合金で、8.5gと軽いです。
インスタント食品などの「味変」ではないですが、気軽に音質強化できる部分が魅力でしょう。
ケーブルは、USB-C to USB-Cのみです
LightningはiPhoneでも廃止方向ですし、仕方ないです。
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結論的にいえば、スマホでハイレゾ視聴に対応させたい方で、できるだけシンプルな製品が良い場合、選択肢になるものです。
このタイプは、他社も結構出すので比較は必要ですが、FiiO製という部分で、信頼感はあります。
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【2022年7月発売】
【USB-Cモデル】
10・ FiiO KA2 TC FIO-KA2-TC
¥8,980 楽天市場 (11/17執筆時)
【Lightningモデル】
10・ FiiO KA2 LT FIO-KA2-LT
¥11,477 楽天市場 (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C/Lightning
出力端子:4.4mm
音圧(32Ω):153mW
ノイズフロア:
サイズ:幅40×高さ15×奥行2mm
重さ:12.3g
対応:iPhone Windows Mac Android
第2に、FiiO KA2です。
位置づけ的には、KA1の上位機ですが、22年モデルですので、KA12がそのうち出そうです。
こちらは、KA1(旧機)とほぼ同じ筐体を4.4mmバランス接続用としたものです。
DACは、シーラス・ロジック(Cirrus Logic)のCS43131ですが、デュアルです。
小型機向けのバランス特化型で、極小筐体で手軽に音質アップできる点が魅力と言えます。
スマホだけでなく、ラップトップ用にもニーズがありそうです。
アルミ製筐体で、放熱面の配慮もあるほか、インジケーターの色で、音源の種類(ハイレゾ/DSD)が分かる点も気が利いています。
用途に合えば選べるでしょう。
【2024年発売】
11・FiiO Q15 FIO-Q15-B
11・FiiO Q15 FIO-Q15-T
¥67,677 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:最大12時間
Bluetooth:5.0
コーデック:LDAC Apt-x Adptほか
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm +4.4mm
音圧(32Ω):625mW(1610mW)
ノイズフロア:
サイズ:143.5×71.8×21.8mm
重さ:305g
対応:iPhone Windows Mac Android
FiiO Q15 は、同社のポタアンの上位機です。
2021年登場で、しばらく前に終息していたFIO-Q5S-C (FIOQ5SC)の後継機として24年に登場しました。
大きな、カラーディスプレイは、IPS液晶です。
フルカラーである必要は無いかなと思いますが、フルカラーです。
重さは、305gです。
旧機から大きく変わった部分と言え、大きく重めになりました。
現状でスティック型中位機の進化が著しいので、それらに音質面ではっきりと差をつけるためは、パーツ的にこのサイズが必要なのかなと思います。
いずれにしても、据置利用が基本で、持ち歩きは工夫が必要です。
バッテリーは、5500mAh搭載です。
スマホより多い容量で、重さの原因の1つです。
バランス再生時約9時間、充電は3.5時間です。
DACは、旭化成のAK4191EQ+AK4499EXです。
旧機となるQ5SはAK4493EQのデュアルだったので、構成が変更です。
2機搭載ですが、こちらは左右独立という方向ではなく、前者がデジタル(デジタルフィルターとデルタシグマ変調)を、後者がアナログDACをという、役割分担の形でのセパレートDACの採用です。
もちろんノイズ対策のためで、SN比は、バランスで123dB以上という数字です。
この構成はAstell&Kernの超ハイエンドプレーヤー(A&ultima SP3000 )でみられた構成です。DAC自体をデュアル(以上)にはしていない仕様です。
アンプは、旧機や上位機はTHX(THX-AM3D)でしたが、今回は変更です。
音圧は、625mW(バランス1610mW)です。
かなりアンプが強化されています。
下位機(KA17)でもあった「デスクトップモード」時でこの部分は活きてきます。
こちらはバッテリー内蔵ですが、音源とは別の、電源供給用のUSB-C端子からバッテリーをパススルーして電源を直で使うモードです。
USB-Cコンセントほか、USB-PD対応のモバイルバッテリーでも電源を供給できます。
30W充電(9V)なので【大容量USB-C PDモバイルバッテリーの比較】で書いたような、PD対応バッテリーのそれ以上の出力に対応できるものが良いかと思います。
なお、PDを扱う場合、USBケーブルも対応水準のものが必要ですが、本機は長短2本付属していますので、問題ないです。
ノイズフロアは、一方、情報非公開です。
ただ、ここは心配ないでしょう。
サンプリング周波数は、 768kHz/32bitです。
DSDは、DSD512(22MHz)もフォローします。
MQAも、フルデコードです。
音質は、2016年頃発売の「第1世代」の入門機とは有意の差はあります。
Bluetooth接続は、搭載です。
SOCはクアルコムのQCC5125です。
上記にしめしたコーデックはLC3を除けば全て対応です。
PC接続も、付属のUSB-Cケーブルを利用します。
接続端子は、3.5mmほか、4.5mmのバランスに対応です。
背面のボリュームコントロールは大きく操作しやすいです。
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以上、FiiO Q15の紹介でした。
満を持して出てきた、同社の上位機に思います。
強力なアンプ出力に加えて、セパレートDACの工夫は面白い上で効果的です。
サイズ的には、普段持ち歩くものではないですが、この価格のポタアンジャンルではかなりおすすめできる製品です。
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【2022年発売】
12・FiiO Q7 FIO-Q7
¥133,091 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 32bit/768kHz
バッテリー:最大11時間
Bluetooth:対応
コーデック:aptX-HD LDAC ほか
入力端子:USB-C 同軸 光
出力端子:3.5mm + バランス (2.5+4.4+6.3mm)
音圧(32Ω):550mW(1500mW)
ノイズフロア:
サイズ:158.4x 88.5x28.3mm
重さ:620g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、同社の「フラグシップ」は、FIO-Q7です。
相当高額ですが、音圧はバランス時1500mW(DC電源時3000mW)と、相当強力な電源です。
DACは、ESSののES9038 Proです。
同社のハイエンドで、8ch分のDAC回路を搭載するDACチップです。
部品単価で、1.4万円ほどです。中身も、徹底的なノイズ対策をしており、価格の理由はある製品です。
FiiO Q15と比べる場合、この部分ほか、バランス入力端子の選択肢が多めです。
そのほか、THXとの共同開発となる、ヘッドホンアンプ回路(THX AAA-788+)もこちらのみです。
重さは、ただ620gです。
本体も大きいため、実際「ポータブル」といえるかは「微妙」です。
パワーは面白そうな部分もあるのですが、それがポタアンである必然性はないでしょう。サンプリング周波数的の部分で、格安機と最近は差が付かなくなっているので、あまりに高級なモデルは、個人的には選びがたく感じます。
ただ、市場にあっても良いモデルかなとは思います。
1-2・ラディウスのポタアンの比較
続いて、日本のradius製品です。
米国起源の会社で、元はApple系のアクセサリーに強い会社というイメージでした。
その後、日本法人は独立し、スマホ向けの音楽機器などニッチな音楽製品も展開するようになっています。
【2021年発売】
13・radius RL-DA60C RK-DA60CK
¥7,280 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
【2020年発売】
13・radius Ne RK-DA50CK
¥8,415 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:USB-C
出力端子:3.5mm
音圧〈16Ω):66.8mW
ノイズフロア:
サイズ:105mm(長さ)
重さ:6g
対応:iPhone Windows Mac Android
RK-DA60CKは、ラディウスの販売するポータブルアンプです。
開発拠点は中国のようですが、日本オーディオ協会に加盟しています。
この分野は競争者が少ないとはいえ、本機はVGP2022の部門賞をとっています。
重さは、6gです。
見た目通りの超軽量機です。
DACは、米国のConexant CX31993です。旧コネクサント系のDACです。
本機もデュアルDACです。このDACは、日本では採用例がないので、結構面白そうです。
なお、旧製品はDACがQualcomm Aqstic DACで、196kHz/24bitとなります。
音圧は、16Ωでの数字ですが、66.8mWです。
値段・形状からしてもイヤホン用でしょうし、問題ありません。
ノイズフロアは、数値は非公開です。
サンプリング周波数は、DACとして、 384kHz/32bitまで対応しています。
スマホ・PCとの接続は、USBのみです。
ケーブルは、直付けでUSB-C端子のみです。Lightning変換アダプタはないです。
ヘッドホン出力は、3.5mmのステレオミニジャックとなります。
なお、ラディウスは、ハイレゾ対応のNePLAYERというアプリを出しています。
本機をつなげた場合に限り、通常アプリ内課金(610円)となるハイレゾ再生機能が無料で利用できます。
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以上、radius Ne RK-DA60CKの紹介でした。
原型機の輸入でなく日本の法人がだしている唯一のポタアンとして貴重です。DACも面白そうなのですし、実力はあると言えます。
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【2023年発売】(USB-C)
14・radius Ne RK-DA70C DA70CK
¥12,980 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サンプリング周波数: 384kHz/32bit
バッテリー:USB給電
Bluetooth:
コーデック:
入力端子:Lightning
出力端子:3.5mm
音圧(32Ω):31.3mW
ノイズフロア:
サイズ:100mm(長さ)
重さ:6g
対応:iPhone Windows Mac Android
なお、DACの種類が異なる製品が、2022年にでました。
音圧は、小型機としても数字が低めですが、スマホ向けですし問題ないでしょう。
DACは、ESSのES9270Cです。
初耳の型番でしたが、カタログだと class-Gアンプを搭載した点が強調されています。
ただ、これ自体は珍しいわけでなく、前半で見た、ESSのES9219CやES9219MQ/Qほか、G級は小型ポタアンで採用される方式です。
昔からお馴染みの旭化成のAK4375aなどもそうです。
ちなみに、G級は、信号レベルで電源電圧を切り替えます。
必要に応じて電力を増やせるので、省電力が必要ながらパワーが不足する傾向にある小型端末(スマホ)との接続には「向き」ます。
そのほか、ノイズ対策部分で、Hyperstream DACとTime Domain Jitter Eliminator(タイムドメイン‧ジッターエリミネーター回路)も、カタログでは強調されます。
ES9219Cと機構を同じくしていて、ESSのDACだとあまり珍しいものでもないです。
同じDACを採用した製品などが出そろうまで個人的には待ちたいですが、今までのDACと劇的に違うという類ではないようには感じました。
次回につづく
ポータブルヘッドフォンアンプのおすすめは、結論的にこれ!
というわけで、今回は、ポータブルヘッドフォンアンプの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・ポータブルアンプの比較 (2)
2-1:iFI Audio〈台湾〉
2-2:Shanling〈中国〉
3・ポータブルアンプの比較 (3)
3-1:iBasso Audio〈中国〉
3-2:ikko Audio〈中国〉
3-3:Astell&Kern 〈韓国〉
3-4:Hidizs〈中国〉
4・ポータブルアンプの比較 (4)
4-1:CHORD〈イギリス〉
4-2:他の企業〈各社〉
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、iFI Audioほか、以上の製品を追加で紹介していきます。
軽量性 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
対応音源の幅 ★★★★★
スマホ利便性 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、4回目記事(こちら)で、いつものように、ここまで紹介した全機種から、目的別・価格別にAtlasのオススメ機種を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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