【今回レビューする内容】 2026年 最新A3カラーインクジェット複合機の性能とおすすめ・選び方:A3カラープリンター
【比較する製品型番】Colorio EP-982A3 プロセレクション PIXUS iP6830 プリビオ HL-J7010CDW SC-PX1V SC-PX1VL EW-M973A3T EW-M973A3T1ほか
今回のお題
A3対応カラープリンターのおすすめ機種はどれ?
ども、Atlasです。
今回は、2026年2月現在、最新のA3カラープリンタ(複合機)を比較します。
基本となる画質・印刷速度のほか、インク代の安さには特にこだわって比較しました。

1・A3インクジェット(複合機)の比較
価格:1.5万円〜
印刷単価:約10円/枚〜
用途 :年賀状/写真など家庭での利用
なお、A3プリンターは、数が多いので、記事は4つに大きく分けています。

1回目記事(今回)は、一般的な、A3カラーインクジェットプリンタ(複合機)の比較です。
簡単に言えば、インクを使う製品で、普通の文書印刷のほか年賀状・写真印刷などに向く家庭用プリンタです。
家庭向けに「一家に一台」あると便利な、「最もふつうのA3プリンタ」です。

2・A3ビジネスインクジェットの比較
価格:3万円〜
印刷単価:約3.7円/枚〜
用途 :ビジネス文書のカラー印刷向け
3・エコタンク搭載プリンタの比較
価格:3万円〜
印刷単価:0.9円/枚〜
用途 :コスト最優先での大量印刷向け
4・A3カラーレーザープリンタの比較
価格:5万円〜
印刷単価:11.1円/枚〜
用途 :高画質なオフィス向け
2回目記事は、同じインクジェットですが「仕事向け」の製品の紹介です。
インクに、耐久性・耐水性がよい「全量顔料インク」を採用しているのが特徴です。
「ふちなし印刷」などができない部分で、(年賀状をふくめた)家庭用にはあまり向かないと言えます。
3回目記事も、同じく仕事用のインクジェットです。
しかし、インク詰め替え式の「コスパ優先モデル」の製品の紹介です。。
4回目記事は、カラーのレーザープリンタです。
こちらは、説明不要でしょう。
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結論的にいえば、家庭で、仕事にも使うが、年賀状や写真印刷にも利用したいならば、今回の1回目記事をそのまま見て頂ければ、OKです。
仕事用に考える方のみ、次回以降の記事も合わせて検討してください。
よろしくお願いします。
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
設置性の良さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各社のプリンターを一機ずつ比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、予算別・目的別にAtlasの「おすすめ機種」をいくつか提案していきます。
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1・A4インクジェット複合機(6色)
2・A4インクジェット複合機(4色)
3・A3インクジェット複合機
4・ビジネスインクジェット
5・A4モノクロレーザー
6・A4モノクロレーザー 複合機
7・A4カラーレーザープリンタ
8・A3カラーレーザープリンタ
9・プリンターの基本的な選び方
なお、今回の記事は、このブログのプリンター比較シリーズの第3回目記事として、書きました。
1・A3カラープリンタの比較

では、具体的なA3インクジェットプリンターの比較にはいります。
1・A3インクジェットの比較 (1)
1-1:エプソン〈日本〉
1-2:キヤノン〈日本〉
1-3:ブラザー〈日本〉
2・A3インクジェットの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
今回は、上表のように、メーカーごとに比較していきます。
1-1・EPSONのA3インクジェット

最初に紹介するのは、エプソンのA3インクジェットプリンタです。
写真用インクジェットでは「業界最大手」といえる日本企業です。
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以下の記事では、Atlasのおすすめポイントについては赤字で、イマイチと思う部分については、青字で書いています。

Windows 7〜11 MacOS 10.9〜26
【2025年発売】
1・EPSON Colorio EP-988A3
¥35,200 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
インク種類:染料インク
カラーインク数:5色
黒インク数: 1色
印刷速度:5.5枚/分(A4普通紙)
接続方法:WI-FI5 USB
給紙容量:100枚
スキャナ:1200dpi×4800dpi
ADF:
自動両面印刷:対応(A4)
サイズ:幅479x高さ148x奥行356mm
EP-988A3 は、同社の「カラリオシリーズ」のA3印刷対応プリンターです。
昔、「ふだんはA4、ときどきA3」というCMで宣伝されていた機種です。6年降りにモデルチェンジされて、2025年に出ました。

本体のサイズは、幅479x高さ148x奥行356mmです。
横幅はありますが、高さ部分では、収納時にはだいぶコンパクトです。
奥行は、とくにA4プリンターとあまり変わらないので、家庭でも邪魔にならないサイズです。

液晶は、4.3型と大きめのタッチパネルです。
本機は、電源がONになると自動で排紙トレイ・用紙カバー・操作パネルが開き、印刷が終わると自動で収納される自動オープン機能が搭載されます。
これは、高級なインクジェットプリンタだけに実装される「ギミック」です。
電源も、パソコンから印刷が指令されると、連動して自動的にスリープ状態から起動して印刷を開始する自動電源オン・オフ機能も搭載されます。

インクの色数は、6色です。
写真のようにシアン・マゼンダ・ブラック・イエローという標準色に加えて、ライトシアンとマゼンダという中間色を加えています。
全て写真向きの「染料インク」です。
写真印刷時の発色は、他社機に比べても能力は高いです。

写真印刷のクオリティは、高いです。
他社のA3モデルは、4色インクの場合がほとんどです。
クオリティ重視でカラー印刷をしたければ、4色インクは性能的に限界があるので、6色インクはクオリティの部分で優位性があります。
なお、エプソンは6色以上のインクを搭載する機種を「エプソンカラー」として、同社の「プレミアモデル」としています。
普通印刷のクオリティは、注意が必要です。
なぜなら、黒インクも「染料インク」のため、ビジネス文書を普通紙に印刷する場合、やや文字が滲みやすいからです。
その点で言えば「写真は得意」だが、ビジネス文書は「そこそこ」な機種です。

【増量6色パック】
EPSON KZR-6CL-L
¥7,027 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
【標準6色パック】
EPSON KZR-6CL
¥4,045 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
【ブラック 増量1本】
EPSON KZR-BK-L
¥1,327 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
純正インクの単価は、以上の通りです。
他社製の「互換インク」もありますが、保証が効かなくなる上で、発色に違いがあるので、あまりおすすめしません。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約24.8円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約15.8円
フォト年賀状印刷:約15.7円
A4 Photoカラー:約86.8円
インクコストは Amazonでの実売価格をふまえると、上表のようになります。
増量パックを利用した場合のコストになります。
なお、メーカー公表の印刷コストは、自社の光沢紙(L版)の値段を含めての算出です。このブログは用紙部分は除外したインクのみのコストを出しています。
写真印刷のコストは、L判〜A4を含めて、インクの平均値よりやや安めといったところです。
なお、A3印刷する場合は、表面積から言えば「A4の2倍」ですが、重ね合わせの効率が多少落ちるでしょうから、(まあ)2.1倍くらいと考えてください。
普通紙印刷のコストは、エプソンは非公開です。
しかし、用紙サイズや印刷密度から試算はできます。
A4普通紙印刷では、カラーで(多く見積もり)約21円ほど、白黒で約9円でしょう。
それなりに低コストです。

印刷速度は、メーカー公表値を基にすると、A3の光沢印刷で1分55秒で、L版写真で13秒です。A4カラー写真は、65秒程度で印刷できるでしょう。
普通紙(白黒)だと、旧機ですが実測値で5.5枚/分ほどでした。カラー速度は旧機も同じでしたし、本機もそれほどでしょう。
より速い機種はほかにありますが、家庭用としては不満のないスペックです。

給紙容量は、一方、トレイに100枚と十分です。
A3印刷は、ただし「手差し対応」になります。
1枚づつ差していくことになるので、複数枚印刷する仕事用には向きません。
しかし、例えば、ショップのチラシやメニュー印刷や、図面印刷には活躍できるでしょう。A4については、トレイで100枚まで対応します。
自動両面印刷は、対応します。
ただし、A4サイズまでの対応です。

ネットワークは、USBとWi-Fi4が装備です。
スマホとは、Bluetooth LEを併用する形での簡単なペアリングほか、QRコードの読み取りで、スマホと簡単にダイレクト接続もできる仕様です。
また、メール形式でプリンタに印刷データを送る機能や、LINEから直接プリントする機能など、スマホと連携面では、一定の工夫がみられます。
一方、同社は自社サーバーを持つので、各社のクラウドストレージサービスからの直接のプリントや、外出先からのプリントなども(やろうと思えば)可能です。
そのほか、SDカードスロットもあるので、デジカメのダイレクト印刷も可能です。

スキャナーは、解像度が1200dpi×4800dpiです。
副走査が複合機だけで言えばやや良いです。
ただし、コピーやスキャニングの際に読み取る原稿を自動で送るADFは付属しません。
また、スキャナーやコピーもA4までの対応です。
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以上、EPSONのEP-988A3 の紹介でした、
キャッチコピー通りで、普段はA4を使うが、「時々A3を使いたい」方に良い機種です。
画質については「エプソンカラー機」として、特に写真印刷に向く機種です。写真や年賀状印刷をメインに考えるならば「最適」です。
手差し給紙でA3用紙が印刷できる構造にしたため、本体もA4機並みに小型であり、設置性も良いです。家庭用A3機として隙がない1台です。
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Windows XP〜11 MacOS 10.6〜26
【2019年発売】
2・EPSON Colorio EP-982A3
¥29,800 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
インク種類:染料インク
カラーインク数:5色
黒インク数: 1色
印刷速度:5.5枚/分(A4普通紙)
給紙容量:100枚
スキャナ:1200dpi×4800dpi
ADF:
自動両面印刷:対応(A4)
サイズ:幅479x高さ148x奥行356mm
なお、1世代前の旧機となるEP-982A3 が残ります。
2019年発売で、2025年まで生産されたロングセラーでした。

【6色パック】
EPSON IC6CL80L
¥7,500 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
【ブラック 増量1本】
EPSON ICBK80L
¥1,230 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約24.8円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約16.8円
フォト年賀状印刷:約24.7円
A4 Photoカラー:約92.6円
純正インクは、一方、型番は変わります。
ただ、公式コストは同じですし、ヘッドやインク品質も同じです。
そのほかも、ほとんど違いはなく、あえて言えば、Wi-Fiのセキュリティ規格が更新された点と、液晶パネルのUIの変更程度になります。
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結論的にいえば、本体のコスパを重視するならば、こちらでもOKです。
先述のように、2025年までは現行機だったので、(新品なら)相当前のものが来ることもないでしょう。

Windows XP〜11 MacOS 10.6〜26
【2021年2月発売】
3・EPSON エコタンク搭載 EW-M973A3T
¥80,998 楽天市場 (2/3執筆時)
【交換インクセット】
4・EPSON エコタンク搭載 EW-M973A3T
¥92,146 Amazon.co.jp (2/3執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:4色
黒インク数: 3色
印刷速度:
接続方法:WI-FI 5 USB LAN
給紙容量:100枚+50枚
スキャナ:1200dpi×4800dpi A4
ADF:
自動両面印刷:対応
サイズ:幅523x奥行379x高さ168mm
EW-M973A3Tも、EPSONのA3プリンターです。
冒頭で「エコタンクは分けて別記事で書く」としました。
しかし、本機に限っては、画質的に家庭用の一般木として利用できる(というより、下位機種より画質が良い)ため、例外としました。

印刷方式は、一方、カートリッジ式ではなく、ボトル式(エコタンク)です。
ただ、画質面では、EPSONの序列では上位扱いです。印刷見本見ても、良い発色であり、実際「現代的」と感じます。
交換も、サードパーティの詰め替えボトルではないので、エコタンクは「挿すだけで満タン」ですし、面倒さも少ないです。

本体のサイズは、幅523x奥行379x高さ168mm です。
結構、幅広ですので、設置場所は限られそうです。
ただ、収納時の高さは低めですし圧迫感は少ないです。

インクの色数は、こちらも同じ6色インクです。
ただし、これまでにない色構成です。
カラー系はお馴染みの三原色ですが、黒系を、フォトブラック・マットブラック・グレーの3色にして、充実させています。
インクは、ClearChrome K2 Plusインクという名前です。プロ用上位機製品に沿ったネーミングであり、ここまでの6色の「エプソンカラー」との違いをユーザーに意識させてます。
黒系は、マットブラッグだけ顔料インクで、あとは染料インクです。

EPSON Velvet Fine Art Paper
¥3,473 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
マットブラックを顔料インクにした意図は、素材的に染料インクにシビアな、特殊素材のアート紙に、より適応的するためです。
具体的には、コットン紙で凹凸がありにじみやすいVelvet Fine Art Paperが挙げられます。

カラー印刷のクオリティは、一方、ライトシアンとライトマゼンダと淡い系の色味を大事にしている、中位機までの「カラリオカラー」とは少し違います。
黒系インクが多いため、カラーでも階調性が期待できます。エプソンによれば、従来より広色域化もなされたとのことです。
最近はカメラもテレビもですが、コントラスト強化の傾向なので、時代に合わせた配色だと思います。

モノクロ印刷のクオリティも、グレーインクの採用が、効果を発揮します。
文字印刷にも効果はあるでしょう。それもあり、本機の場合、ここまでの6色機と違って「文字印刷にも使える」という売り方です。

【6色必要】
EPSON マットブラック TOB-PB
¥1,782 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
EPSON シアン TOB-C
¥1,700 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約8.7円
A4カラー文書 約1.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約2,6円
フォト年賀状印刷 約3.9円
A4 Photoカラー 約14.4円
インクのコストは、Amazonでのインク売価をふまえた場合、上表のようになります。
なお、こちらも、A4カラー印刷した場合の額なので、A3は、2.1倍くらいかけ算して考えてください。
カラー印刷コストは、カラリオ系より4倍は安いです。
L判光沢紙の用紙代を除いて計算すると、A4に伸ばして印刷しても10円強というのは、写真用では、これまで考えられなかったコスパです。
価格ベースでも、全色揃えても1万円強なので、「趣味の印刷」でも(それなりに)罪悪感がない水準をキープします。
メーカースペックからL判光沢紙の用紙代を除いて計算すると、A4に伸ばして印刷しても10円前後(税別)というのは、写真用では考えられないコスパです。
普通紙印刷のコストは、非開示です。
あえて言えば、A4カラー文書で1.6円という水準なので、1円を大幅にきるでしょう。
印刷速度は、A4写真用紙で55秒、L判で19秒です。
自動両面印刷は、対応です。

給紙容量は、本機も2段式のトレイに合計100枚と十分です。
その上で、背面に最大50枚差し込むこともできます。
アート紙などはこの背面給紙ほか、ストレート給紙でも対応できます
A3印刷は、A3ノビまで対応です。
内蔵トレイはA4までなので、こちらも背面トレイを利用します。
もしくは、ストレート給紙もできます。
スキャナーは、1200×4800dpiに対応で、本機も複合機としてはすこし良い水準です。
ただし、A4までの原稿に対応です。

ネットワークは、USBとWi-Fi 5での接続に対応です。
100Base-Tの有線LAN接続にも対応します。
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以上、EPSONのEW-M973A3Tの紹介でした、
抜群の印刷コストの安さがありつつ、画質も良い機種です。
ただ、印刷速度の部分でビジネス用として使うものではないので、その点だけは注意してください。
また、その場合もインクの使用期限(約2年)はあるので、家庭用としては少し特殊です。逆に、業務用とする場合、本機は(家庭用なので)「耐用枚数」が非開示です。
結論的にいえば、写真印刷を趣味にしている人に向けた製品で、そういった方におすすめします。

【2020年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.9〜26
【A3ノビ】
5・EPSON プロセレクション SC-PX1V
¥87,526 楽天市場 (2/3執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:6色
黒インク数: 4色
印刷速度:
接続方法:WI-FI 5 USB LAN
給紙容量:120枚(背面)
スキャナ:
ADF:
自動両面印刷:
サイズ:幅515×奥行368×高さ185mm
SC-PX1Vは、エプソンのプロセレクションシリーズに属する「ハイアマチュア」向けの高画質プリンタです。
同社のハイエンド機ですが、このグレードでは、実に6年ぶりに登場した新機種です。
印刷用紙は、A4だけでなく、A3ノビまで印刷可能です。

本体のサイズは、幅515×奥行368×高さ185mm です。
スキャナ機能のない機種としては「大きい」ですが、従来機の最上位機に比べて68%小型です。
設置性はすこぶる良くなったと言えます。

本機も、4.3型のタッチパネル式の液晶が搭載されます。
簡易的ながら画像を確認することができます。

そのほか、機内照明を装備し、プリンタカバーを閉めたままでも、印刷状態を確認できるようにもなりました。利便性は上がっています。

インクの色数は、10色です。

黒・グレー系は4色です。
黒は、光沢・非光沢のフォトブラック・マットブラックが選択できます。
ライトグレーは、旧機種時代からありました。
しかし、今回は、暗部領域のオーバーコートに使われる点が新機軸です。
キヤノンの高級機だと、透明インク(クロマオプティマイザー)を利用しますが、役割としては同じで光沢表現の均一化に利用する形です。
いずれにしても、光沢紙における黒濃度が高まり、光沢紙対応力が上がっています。
なお、エプソンは、最大1/5,760インチの滴下で、後ほど紹介するキヤノン機は、最大1/4800インチの滴下なので、粒状感はもともと出にくいとは言えます。

カラーインクは、青系が強化されました。
シアン系3色目となるディープブルー色が加わり6色となります。
したがって強調されるのは、青・紫といった色域の拡大です。

なお、プロセレクションシリーズは、「全色とも顔料インク」です。
「美術作品」を印刷する機種という位置づけであるため、保存性(耐候性)の高い顔料インクを採用します。
こちらは、染料インクと違って、速乾性があり色温度の調整も容易です。
顔料インク(UltraChromeK3Xインク)は、反射光の関係で一般的に光沢紙でムラが出やすい部分があります。
しかし、エプソンは、この点を補うため、全量とも樹脂コーティングされた顔料インクを利用しており、(ブロンジング現象の部分を含め)弱点は緩和されています。
ただし、10色という(並外れた)色数だから顔料インクでも実現できるのであって、一般的には「染料インク」のほうが「顔料インク」のほうが写真向きです。

カラー印刷のクオリティは、従来の「エプソンカラー」構成を軸に、階調表現を高める方向性です。印刷サンプルを見ても、暗部の階調表現の強化が強調できます。
前モデルでも黒・グレー系インクの改良階調性は最高レベルでした。しかし、黒系インクの構成の改良と、青インクを加えたことがで、すごみが増しています。
結果、黒つぶれを効果的に防ぐことに成功しています。
TVの場合もそうですが、黒の表現力(深み)が増すと、カラー部分の階調性が高まるため、全体的な階調性が劇的に改善します。

モノクロ印刷のクオリティも、高いです。
プロ用の印画紙を用いた展覧会用の印刷も、このグレードならばこなせます。
モノクロ写真モードでは、「冷黒」「温黒」「セピア」などの色調を変えられるモノクロ写真モードも搭載です。
一方、理論的には、文字印刷も「得意」となりますが、この目的に使うには「大げさな機種」でしょう。

EPSON 10色パック IC10CL97
¥23,227 Amazon.co.jp (2/3執筆時) 。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約22.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約15.4円
フォト年賀状印刷:約22.7円
A4 Photoカラー:約84.9円
インクコストは、Amazonでの売価をふまえると、上表のようになります。
Epson UltraChrome K3Xインクを10本使うため安価ではないですが、驚くほどは高くないという印象です。
A3にのばして印刷しても、1回150円強のコストなので、ハイアマチュア以上なら、趣味の範囲として許される額でしょう。
普通紙印刷のコストは、用途として、説明は不要でしょう。
あえて試算すれば、A4普通紙印刷では約17.3円ほど、A4白黒印刷では約7.5円ほどです。
印刷速度は、L判の写真用紙の場合で、約44秒です。
また、A3ノビの写真用紙を利用する場合、約3分17秒です。
もちろん、印刷するファイルサイズにもよるので、あくまで参考値です。

自動両面印刷は、構造的に不可能です。
ネットワークは、USBのほか、Wi-Fi5と有線LANでの接続に対応します。
スマホからの写真印刷もフォローします。
給紙容量は、本機は背面トレイに挿すのが基本で、最大120です。
そのほかロール紙ホルダーが付属し、ロール紙にも対応できます。
刷り物に利用する場合には便利でしょう。なお、0.5mmのファインアート紙は、背面給紙も可能です。
そのほか、CDのレーベル印刷機能は、本機も付属します。
スキャナは、プリンタ専用機のため未付属です。
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以上、プロセレクションシリーズ SC-PX1Vの紹介でした。
「写真用」としては最高峰機の1つです。
展覧会作品に向けての個人用途のほか、ロール紙を利用したポスターなど業務用機を所有したい場合選択肢となります。
とはいえ、実際のインクコストは、下位機種に比べてさほど高いわけではないです。その点で言えば、初期コストさえなんとかなれば、誰でも長期間楽しめるでしょう。
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Windows 7〜11 MacOS 10.6〜26
【A2ノビ】
【2020年発売】
6・EPSON プロセレクション SC-PX1VL
¥143,973 Amazon.co.jp (2/3執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:6色
黒インク数: 4色
印刷速度:
接続方法:WI-FI 5 USB LAN
給紙容量:120枚(背面)
スキャナ:
ADF:
自動両面印刷:
サイズ:幅615×奥行368×高さ199mm
このほか、同型でA2ノビサイズまで対応できるプロセレクション SC-PX1VL という商品もあります。
同じく、10本の顔料インク技術を使う製品ですが、A2サイズということで完全に業務用に向いた品です。インクタンクの型番も異なります。

なお、こうした「プロ用」の写真専用プリンターについては、キャノンのライバル機機を含めて、【高画質プリンターの比較記事】で、割と詳しく比較しました。
1-2・キヤノンのA3インクジェット

続いて、CANONのA3対応プリンターの紹介です。

【2014年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.10〜26
7・Canon PIXUS iP6830
¥24,791 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 2色
印刷速度:A4カラー10枚/分 白黒14.5枚/分
給紙容量:150枚(後トレイ)
接続方法:WI-FI 4 USB
スキャナ:
ADF:
自動両面印刷:
サイズ:幅590x高さ159x奥行331mm
iP6830は、キャノンのA3ノビ対応プリンタです。
タイプは、単体プリンタで、スキャナ・コピー機能はないタイプです。

本体サイズは、幅590x高さ159x奥行331mmとなります。
エプソンの「カラリオ」に比べると、横幅がある製品ですので、寸法には注意してください。

インクの色数は、5色です。
「染料インク」としてイエロー・シアン・マゼンダ・ブラックの4色です。それに「顔料インク」の黒が加わり、タンクは5本です。
カラー印刷のクオリティは、平均的です。
というのも、同社の本格的な写真印刷向けは6本構成でグレーインクが加わる6本構成だからです。、こちらの構成は、専用紙印刷の用途では「入門機水準」です。
モノクロ印刷のクオリティは、ただし、上位機相当と言って良いです。
注目点は、ブラックに顔料インクを利用する点です。
ただし、グレーインクがない分、階調のあるモノクロ写真は、本機については不得意です。顔料インクは、速乾性で文字が滲みにくいため、文字の印字に力を発揮します。
例えば、喫茶店のメニューなども、文字混在でカラー印刷する場合、黒が染料インクの製品よりも、期待値が高いです。

【5色 大容量パック】
Canon BCI-351XL+BCI-350XL
¥6,482 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
【ブラック大容量】
Canon BCI-350XLPGBK
¥1,250 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。5色組の大容量のセットが販売されています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約20.5円
普通紙カラー:約15.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約16.8円
フォト年賀状印刷:約24.7円
A4Photoカラー:約92.4円
インクのコストは、Amazonでの売価をふまえた場合、上表のようになります。
写真印刷のコストは、高くも安くもない平均的な水準です。
普通紙印刷のコストは、メーカ公表値でカラー普通紙15.6円です。
白黒での実コストは、試算すればA4白黒印刷では約8円ほどです。
こちらも水準としては中庸です。
印刷速度は、文字中心のビジネス文書をA4印刷する場合、カラーは1分に10枚、モノクロだと1分に14.5枚印刷できます。写真を印刷しない場合は、キャノンのは速度面でわりと優秀です。
一方、写真用紙で印刷する場合は、L判の光沢紙で30秒、A3写真用紙で約2分というスペックです。
これは、エプソンに比べると多少遅いといえます。
自動両面印刷は、非対応です。

給紙容量は、A3を含め、後トレイに150枚です。
カセット型の用紙トレイはない機種です。
スキャナは、未付属です。
ネットワークは、USBのほか、Wi-Fiでの接続に対応します。
スマホからの写真印刷もフォローします。
また、SDカードからの印刷にも対応できます。

ネットワーク連携の部分では、PCを介さずWI-FIで直接他社のクラウドサービスとの送信連携が可能です。そちらのデータの直接的な印刷ほか、スキャンした書類の自動転送ができます。
ビジネスプリンターだと、この仕様は他社も持ちますが、家庭用の入門機だと珍しいです。ただ、必須かといわれると微妙ですが。

そのほか、「PIXUSトークプリント」として、アプリ不要でLINEなどから直でプリントできる機能性もあります。このあたりの家庭向けの機能性は、キャノンは工夫があります。
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以上、PIXUS iP6830の紹介でした。
単体プリンタとして画質面、コスト面でもそこまで特徴はない機種です。
ただ、原稿のインクジェットだと、A3用紙を(後ろトレイにせよ)150枚置ける機種は少ないです。
その点で、A3サイズをある程度の枚数を一気に印刷したい場合、ニッチですが、ニーズがあるかもしれません。
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【A3ノビ】
Windows 7〜11 MacOS 11〜26
【2025年発売】
8・CANON imagePROGRAF PRO-G2
¥87,800 楽天市場 (2/3執筆時)
Windows 7〜11 MacOS 10.12〜26
【2020年発売】
9・CANON imagePROGRAF PRO-G1
¥79,244 Amazon.co.jp (2/3執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:6色
黒インク数: 3色
サイズ:幅639×奥行379×高さ200mm
【A3ノビ】
【2025年発売】
Windows 7〜11 MacOS 11〜26
10・ CANON PIXUS PRO-S1 Mark II
¥72,000 Amazon.co.jp (2/3執筆時)
【2020年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.12〜26
11・Canon PIXUS PRO-S1
¥63,554 Amazon.co.jp (2/3執筆時)
インク種類:染料インク
カラーインク数:5色
黒インク数: 3色
サイズ:幅639×高さ200×奥行200mm
給紙容量:10枚
印刷速度:
接続方法:WI-FI5 USB
スキャナ:
ADF:
自動両面印刷:
なお、キヤノンのインクジェットプリンタの「最高画質機」は、これらの製品です。
全量「顔料インク」と全量「染料インク」という2種類となります。
これらについても「フォト用のプロ専用機」となるため、【高画質プリンターの比較記事】のほうでで、エプソン機とまとめて比較しています。
1-3・ブラザーのA3インクジェット

最後に、ブラザーのA3インクジェットプリンターです。

【2022年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.11〜26
12・ブラザー First Tank HL-J7010CDW
¥50,000 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:A4カラー30枚/分 白黒30枚/分
接続方法:WI-FI4 USB LAN
給紙容量:250枚+250枚+100枚
スキャナ:1200dpi×4800dpi
ADF:
自動両面印刷: 対応(A3)
サイズ: 幅576×奥行477×高さ315mm
HL-J7010CDWは、ブラザーのA3プリンター複合機です。
同社は、近年「家庭用」と「ビジネス用」とを明確に分けなくなったので、この機種はビジネスプリンターとも言えます。

本体のサイズは、幅576×奥行477×高さ315mm です。
加減はありますが、それでも2段トレイの複合機なので、背の高さはある機種です。
液晶は、2.78型ですが、タッチパネル式で搭載です。

インクの色数は、4色です。
ブラザーの場合、このモデルは全量顔料インクです。

カラー印刷のクオリティは、顔料インクのため、写真印刷には苦手とします。
とくに、ブラザーの高画質機は最小液滴量が1.5pLなのですが、スピード重視のビジネス用は、若干スペックが落ちます(カラー2.5pl〜、ブラック4pl〜)。
しかし、グラフなどのビジネスカラー文書については、にじみやすい染料インクを利用しない分、クッキリハッキリします。
モノクロ印刷のクオリティも、顔料インク採用ですから、やはり文字がにじみにくい利点がある機種です。

【4色別売】
Brother 交換インク LC417XLBK
¥4,054 Amazon.co.jp (2/4執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
この機種については、4色組の大容量のセットの販売がありません。

そのかわり、大量に印刷できる製品です。ただ、インク自体の耐用期間は、1年未満なので、大量に使う予定がない場合は、あまり向かない機種です。
メーカー公表印刷コスト
A4普通紙カラー:4.1円
A4普通紙モノクロ: 0.9円
インクのコストパフォーマンスは、ブラザーの場合、この機種を「写真印刷用機」としては販売していないため、光沢紙などへの写真印刷に要する費用は非公開です。
A4普通紙のコストは、インクの実売価格を加味した場合、1枚あたりの普通紙カラーの印刷コストは、約4.1円、モノクロカラーの印刷コストは、約0.9円です。
他社と比べても、劇的に安いと言えます。
印刷速度は、こちらはビジネス向き機種として、大きなヘッドを採用し、印刷スピードが劇的に速い機種です。
A4カラー・A4白黒とも30枚/分と、業務用クラスのハイスピードです。
もちろん両面印刷もできます。

自動両面印刷も、A3に対応します。
用紙トレイは、相当多いです。
250枚トレイが2段と(使うならば)後トレイに100枚です。
トレイにはA3用紙も入るので、しっかり使い分けられます。

ネットワークは、USBのほか、Wi-Fi4・無線LAN(100Base-T)対応します。
スマホから直接的に印刷できるため、今の時代には便利な機種だと思います。専用アプリ(Brother Mobile Connect)も用意されます。
なお、LANは、Wi-Fiとの排他利用ですが、問題ないでしょう。

クラウド連携も強いです。
ここは次に見るキヤノンも力を入れますが、同社もクラウドサーバーを用意しているので、PCを介さず、各社のストレージサービスから直接印刷すること、あるいは、保存することができます。

そのほか、メール添付でプリンタにメールを送る形での印刷(Eメールプリント)、あるいは、スキャン資料に対して自動でOCR(光学文字認識)をかけたり、Office(Word、Excel、PowerPoint)データに変換する機能性もあります(スキャン to Office文書 )。
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以上、ブラザーの HL-J7010CDWの紹介でした。
写真印刷にはあまり向かない機種です。一方、ビジネスカラー文書は、コスト面でも、印刷速度面でもかなり優秀ですが、インクの耐用年数を考えると、ここまでのスペックは一般的に不要でしょう。
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なお、今回は「家庭用A3プリンターの特集」ということで、ブラザー・エプソンを含めて、(筐体が大きめとなる)複合機は除外して掲載しています。
それを含める場合、この機種と同じく、顔料インク採用でビジネスに向くA3機プリンターの選択肢はかなり増えます。
インクタンクがもっと小さい機種もあるため、ビジネス用と考え、設置サイズ面で問題ない方は、このブログの【A3ビジネスプリンターの比較記事】もチェックしてみてください。
次回につづく
A3カラープリンタのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、A3インクジェットプリンタの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

1・A3インクジェットの比較 (1)
1-1:エプソン〈日本〉
1-2:キヤノン〈日本〉
1-3:ブラザー〈日本〉
2・A3インクジェットの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
インクコスト ★★★★☆
画質(普通紙)★★★★☆
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回の2回目記事(こちら)では、ここまで紹介したプリンター全機種から、いつものように、目的別・予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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