【今回レビューする内容】 2024-2025年 最新A3カラーインクジェット複合機の性能とおすすめ・選び方:A3カラープリンター: エプソン カラリオ ブラザー プリビオ Canon インクジェットプリンター PIXUS Widows 11 Mac OS13対応
【比較する製品型番】Colorio EP-982A3 プロセレクション PIXUS iP8730 iP6830 プリビオ HL-J7010CDW SC-PX1V SC-PX1VL EW-M973A3T EW-M973A3T1ほか
今回のお題
A3対応カラープリンターのおすすめ機種はどれ?
ども、Atlasです。
今回は、2024年12月現在、最新のA3カラープリンタ(複合機)を比較します。
基本となる画質・印刷速度のほか、インク代の安さには特にこだわって比較しました。
1・A3インクジェット(複合機)の比較
価格:1.5万円〜
印刷単価:約10円/枚〜
用途 :年賀状/写真など家庭での利用
なお、A3プリンターは、数が多いので、記事は4つに大きく分けています。
1回目記事(今回)は、一般的な、A3カラーインクジェットプリンタ(複合機)の比較です。
簡単に言えば、インクを使う製品で、普通の文書印刷のほか年賀状・写真印刷などに向く家庭用プリンタです。
ファミリー向けに「一家に一台」あると便利な、「最もふつうのプリンタ」です。
2・A3ビジネスインクジェットの比較
価格:3万円〜
印刷単価:約3.7円/枚〜
用途 :ビジネス文書のカラー印刷向け
3・エコタンク搭載プリンタの比較
価格:3万円〜
印刷単価:0.9円/枚〜
用途 :コスト最優先での大量印刷向け
4・A3カラーレーザープリンタの比較
価格:5万円〜
印刷単価:11.1円/枚〜
用途 :高画質なオフィス向け
2回目記事は、同じインクジェットですが「仕事向け」の製品の紹介です。
インクに、耐久性・耐水性がよい「全量顔料インク」を採用しているのが特徴です。
「ふちなし印刷」などができない部分で、(年賀状をふくめた)家庭用にはあまり向かないと言えます。
3回目記事も、同じく仕事用のインクジェットです。
しかし、インク詰め替え式の「コスパ優先モデル」の製品の紹介です。。
4回目記事は、カラーのレーザープリンタです。
こちらは、説明不要でしょう。
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結論的にいえば、家庭で、仕事にも使うが、年賀状や写真印刷にも利用したいならば、今回の1回目記事をそのまま見て頂ければ、OKです。
仕事用に考える方のみ、次回以降の記事も合わせて検討してください。
よろしくお願いします。
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
設置性の良さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各社のプリンターを一機ずつ比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、予算別・目的別にAtlasの「おすすめ機種」をいくつか提案していきます。
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1・A4インクジェット複合機(6色)
2・A4インクジェット複合機(4色)
3・A3インクジェット複合機
4・ビジネスインクジェット
5・A4モノクロレーザー
6・A4モノクロレーザー 複合機
7・A4カラーレーザープリンタ
8・A3カラーレーザープリンタ
9・プリンターの基本的な選び方
なお、今回の記事は、このブログのプリンター比較シリーズの第3回目記事として、書きました。
1・A3カラープリンタの比較
では、具体的なA3インクジェットプリンターの比較にはいります。
1・A3インクジェットの比較 (1)
1-1:エプソン〈日本〉
1-2:キヤノン〈日本〉
1-3:ブラザー〈日本〉
2・A3インクジェットの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
今回は、上表のように、メーカーごとに比較していきます。
1-1・EPSONのA3インクジェット
最初に紹介するのは、エプソンのA3インクジェットプリンタです。
写真用インクジェットでは「業界最大手」といえる日本企業です。
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以下の記事では、Atlasのおすすめポイントについては赤字で、イマイチと思う部分については、青字で書いています。
Windows XP〜11 MacOS 10.6〜15
【2019年発売】
1・EPSON Colorio EP-982A3
¥28,209 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料インク
カラーインク数:5色
黒インク数: 1色
印刷速度:5.5枚/分(A4普通紙)
自動両面印刷:対応(A4)
サイズ:幅479x高さ148x奥行356mm
EP-982A3 は、同社の「カラリオシリーズ」のA3印刷対応プリンターです。
昔、「ふだんはA4、ときどきA3」というCMで宣伝されていた機種です。
本体のサイズは、幅479x高さ148x奥行356mmです。
横幅はありますが、高さ部分ではだいぶコンパクトです。
とくに奥行については、A4プリンターとあまり変わらないので、家庭でも邪魔にならないサイズです。
液晶は、感覚的に操作できるタッチパネルです。
本機は、電源がONになると自動で排紙トレイ・用紙カバー・操作パネルが開き、印刷が終わると自動で収納される自動オープン機能が搭載されます。
これは、高級プリンタだけに実装される「ギミック」です。
電源も、パソコンから印刷が指令されると、連動して自動的にスリープ状態から起動して印刷を開始する自動電源オン・オフ機能も搭載されます。
インクの色数は、6色です。
写真のようにシアン・マゼンダ・ブラック・イエローという標準色に加えて、ライトシアンとマゼンダという中間色を加えています。
全て写真向きの「染料インク」です。
写真印刷時の発色については、他社機に比べても能力は高いです。
カラー印刷のクオリティは、高いです。
他社のA3モデルは、4色インクの場合がほとんどです。
クオリティ重視でカラー印刷をしたければ、4色インクは性能的に限界があるので、6色インクはクオリティ上、優位性があります。
エプソンは、6色以上のインクを搭載する機種を「エプソンカラー」として、同社の「プレミアモデル」としています。
モノクロ印刷のクオリティは、注意が必要です。
なぜなら、黒インクも「染料インク」のため、ビジネス文書を普通紙に印刷する場合、やや文字が滲みやすいからです。
その点で言えば「写真は得意」だが、ビジネス文書は「そこそこ」な機種です。
【6色パック】
EPSON IC6CL80L
¥7,550 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【ブラック 増量1本】
EPSON ICBK80L
¥1,326 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、以上の通りです。
世の中には、他社製の「互換インク」もあります。
しかし、エプソンの高画質モデルは、インクが特別なので、互換インクだと十分な性能が発揮できない場合が多いです。
また、それらを使うと1年保証も得られなくなるので、画質重視の場合は、ネットの特売を利用しながら、純正品を買うのが良いでしょう。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約24.8円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約16.9円
フォト年賀状印刷:約24.9円
A4 Photoカラー:約93.3円
インクのコストパフォーマンスは Amazonでの実売価格をふまえると、上表のようになります。
なお、各社ともメーカー公表の印刷コストは、自社の光沢紙(L版)の値段を含めての算出ですが、それだとメーカー間で印刷コストを比べにくいと言えます。
そのため、実印刷コストは、用紙部分は除外したインクのみのコストとなります。(以下、他機も同じです)
写真印刷のコストは、画質重視の「6色インク」は、他社の4色モデルよりも高めのコスト水準です。
ただ、クオリティとコストは反比例するため、ある程度は仕方ないでしょう。
普通紙印刷のコストは、エプソンは非公開です。
しかし、用紙サイズや印刷密度から試算はできます。
A4普通紙印刷では(多く見積もって)約21円ほど、A4白黒印刷では、約9円でしょう。
こういった印刷ならば、それなりに低コストです。
印刷速度は、メーカー公表値を基にすると、A3の光沢印刷で1分55秒で、L版写真で13秒です。
A4カラー写真は、65秒程度で印刷できるでしょう。
また、実測値では、普通紙でビジネス文書を印刷する場合は、5.5枚/分でした。
より速い機種はほかにありますが、家庭用としては不満のないスペックです。
A3印刷は、一方、本機は「手差し対応」になります。
1枚づつ差していくことになるので、複数枚印刷する仕事用には向きません。
しかし、例えば、ショップのチラシやメニュー印刷や、図面印刷には活躍できるでしょう。A4については、トレイで100枚まで対応します。
自動両面プリントは、対応します。
A4までの対応です。
スキャナーは、解像度が4800dpiです。
そこそこ高性能で、8000円台の単品スキャナと同等程度です。
ただし、コピーやスキャニングの際に読み取る原稿を自動で送るADFは付属しません。また、スキャナーやコピーは、A4までの対応になります。
ネットワークは、USBのほか、Wi-Fiと有線LANでの接続に対応します。
スマホからの写真印刷もフォローします。
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以上、EPSONのEP-979A3 の紹介でした、
キャッチコピー通りで、普段はA4を使うが、「時々A3を使いたい」方に良い機種です。
画質については「エプソンカラー機」として、特に写真印刷に向く機種です。写真や年賀状印刷をメインに考えるならば「最適」です。
手差し給紙でA3用紙が印刷できる構造にしたため、本体もA4機並みに小型であり、設置性も良いです。家庭用A3機として隙がない1台です。
【2021年2月発売】
Windows XP〜11 MacOS 10.6〜15
2・EPSON エコタンク搭載 EW-M973A3T
¥83,880 楽天市場 (12/7執筆時)
【Amazon限定】(専用用紙付 説明書なし)
3・EPSON エコタンク搭載 EW-M973A3T1
¥(86,200) Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:4色
黒インク数: 3色
印刷速度:
自動両面印刷:対応
サイズ:幅523x奥行379x高さ168mm
EW-M973A3Tも、EPSONのA3プリンターです。
冒頭で「エコタンクは分けて別記事で書く」としました。
しかし、本機に限っては、画質的に家庭用の一般木として利用できる(というより、下位機種より画質が良い)ため、例外としました。
本体のサイズは、幅523x奥行379x高さ168mm です。
幅広ですが、邪魔になると言えるほどではないでしょう。
インクの色数は、こちらも同じ6色インクです。
ただし、これまでにない構成です。
カラー系はお馴染みの三原色ですが、黒系を、フォトブラック・マットブラック・グレーの3色と充実させています。
インクは、カラリオカラーではなく、ClearChrome K2 Plusインクという名前です。プロ用上位機製品に沿ったネーミングであり、力の入れようがわかります。
なお、マットブラッグだけ顔料インクで、あとは染料インクです。
EPSON Velvet Fine Art Paper
¥3,280 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
とくに、マットブラックを顔料インクにした効果で、素材的に染料インクにシビアな、特殊素材のアート紙に、より適応的になりました。
コットン紙で凹凸があり、にじみやすいVelvet Fine Art Paperに対応させるためとされます。
カラー印刷のクオリティは、ライトシアンとライトマゼンダと淡い系の色味を大事にしてきた「カラリオカラー」とは少し違います。
黒系インクが多いため、カラーでも階調性が期待できます。エプソンによれば、従来より広色域化もなされたとのことです。
最近はカメラもテレビもですが、コントラスト強化の傾向なので、「時代に合わせた配色」だと思います。
モノクロ印刷のクオリティも、グレーインクの採用で、とくに写真印刷においては、効果が高いです。
一方、本機の使途として、あまり利用者はいないでしょうが、文字印刷の品質も、顔料インクの採用で、期待値は高いです。
【6色必要】
EPSON マットブラック TOB-PB
¥1,844 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
EPSON シアン TOB-C
¥1,844 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、以上です。
単体でしか売らない方向性ですが、全色で1万円強なので、「趣味の印刷」でも(それなりに)罪悪感がない水準はキープします。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約8.7円
A4カラー文書 約1.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約2,6円
フォト年賀状印刷 約3.8円
A4 Photoカラー 約14.2円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonでのインク売価をふまえた場合、上表のようになります。
カラー印刷のコストは、説明するまでもなく、上表のように、カラリオ系より7倍は安いです。
メーカースペックからL判光沢紙の用紙代を除いて計算すると、A4に伸ばして印刷しても10円前後(税別)というのは、写真用では考えられないコスパです。
サードパーティの詰め替えボトルではないので、エコタンクは「挿すだけで満タン」ですし、面倒さも少ないです。
普通紙印刷のコストは、用途的に説明不要でしょう。
ただ、A4カラー文書で1.6円という水準なので、1円を大幅にきるでしょう。
印刷速度は、一方、A4写真用紙で55秒、L判で19秒です。
A3印刷は、A3ノビまで対応です。
内蔵トレイはA4までなので、背面トレイを利用します。
もしくは、ストレート給紙もできます。
自動両面プリントは、対応します。
ただし、A4までの対応です。
スキャナーは、1200×4800dpiに対応で、すこし良いです。
A4までの原稿に対応します。
ネットワークは、USBとWi-Fiでの接続に対応です。
100Base-Tの有線LAN接続にも対応します。
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以上、EPSONのEW-M973A3Tの紹介でした、
抜群の印刷コストの安さがありつつ、画質も良い機種です。
ただ、印刷速度の部分で、ビジネス用として使うものではないので、その点だけは注意してください。
また、その場合もインクの使用期限(約2年)はあるので、家庭用としては少し特殊です。逆に、業務用とする場合、本機は(家庭用なので)「耐用枚数」が非開示です。
結論的にいえば、写真印刷を趣味にしている人に向けた製品で、そういった方におすすめします。
【2020年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.9〜15
【A3ノビ】
4・EPSON プロセレクション SC-PX1V
¥89,979 楽天市場 (12/7執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:6色
黒インク数: 4色
印刷速度:
自動両面印刷:
サイズ:幅515×奥行368×高さ185mm
SC-PX1Vは、エプソンのプロセレクションシリーズという「ハイアマチュア」向けのプリンターです。
同社のハイエンド機ですが、このグレードでは、旧機の SC-PX5VII以来、2020年に実に6年ぶりの新機種です。
価格もとびきりします。
しかし、性能は、「業務用」レベルと言える値段にあった超高画質であり、写真家向け高性能機として、地味ながら、たいへん売れています。
なお、こちらは「複合機」ではありません。
本体のサイズは、幅515×奥行368×高さ185mm です。
下位機種に比べると大きいとはいえ、従来機の最上位機に比べて68%小型です。
設置性はすこぶる良くなったと言えます。
インクの色数は、この機種の場合、10色インクの製品になります。
黒・グレー系は4色です。
黒は、光沢・非光沢のフォトブラック・マットブラックが選択できます。
ライトグレーは、旧機種時代からありましたが、今回は、暗部表現のオーバーコートに使われる点が新機軸です。階調表現が高まっています。
カラーインクは、今回は、旧機種に対して、青系が強化されました。
シアン系3色目となるディープブルー色が加わり6色となります。
したがって強調されるのは、青・紫といった色域の拡大です。
なお、プロセレクションシリーズについては、「全色とも顔料インク」です。
「カラリオ」は染料インクを利用していましたが、プロ用については、速乾性があり、色温度の調整が容易な「顔料インク」を利用します。
「全量顔料インク」で彩度や階調を出すためには、「10本ものインクが必要」なわけで、クオリティが出せるのは、高級機のみです。
カラー印刷のクオリティは、印刷サンプルを見ても、暗部の階調表現の強化が強調できます。
前モデルでも黒・グレー系インクの改良階調性は最高レベルでした。しかし、黒系インクの構成の改良と、青インクを加えたことがで、すごみが増しています。
結果、黒つぶれを効果的に防ぐことに成功しています。
TVの場合もそうですが、黒の表現力(深み)が増すと、カラー部分の階調性が高まるため、全体的な階調性が劇的に改善します。
モノクロ印刷のクオリティも、高いです。
プロ用の印画紙を用いた展覧会用の印刷も、このグレードならばこなせます。
モノクロ写真モードでは、「冷黒」「温黒」「セピア」などの色調を変えられるモノクロ写真モードも搭載です。
一方、理論的には、文字印刷も「得意」となりますが、この目的に使うには「大げさな機種」でしょう。
EPSON 10i色パック IC10CL97
¥23,326 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
Epson UltraChrome K3Xインクを10本使うため、消耗品単価は高めです。
写真の世界で費用がかかるのはアナログの昔からそうなので、これは仕方ないです。 インクのコストパフォーマンスは、Amazonでの売価をふまえると、上表のようになります。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約22.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約15.4円
フォト年賀状印刷:約22.7円
A4 Photoカラー:約84.9円
写真印刷のコストは、1枚あたりで上表の通りです。
安価ではないですが、驚くほどは高くないという数字です。
A3にのばして印刷しても、1回150円前後のコストなので、ハイアマチュア以上なら、趣味の範囲として許される額でしょう。
普通紙印刷のコストは、試算すれば、A4普通紙印刷では約20円ほど、A4白黒印刷では約8円ほどです。
ただ、このプリンターは、フォト用紙への印字に最適化された製品なので、あえて言えば、という話です。
印刷速度は、L判の写真用紙の場合44秒というスペックです。
また、A3ノビの写真用紙を利用する場合、約3分17秒になります。
仕様上、時間がかかるのは仕方ないですし、問題もないでしょう。
A3印刷は、A3ノビサイズまで対応です。
A4を超えるサイズの用紙の場合、こちらも手差し対応です。
ただ、用紙のズレを効果的に防げる前面給紙を採用し、傾きによりミスプリントは少ない仕様です。
そのほか、4.3インチのタッチパネル式、液晶モニターで、簡易的ながら画像を確認することができるようになりました。
また、機内照明を装備し、閉めたままで、中を確認できるようにもなりました。利便性は上がっています。
用紙については、旧機種と同じで、ロール紙ホルダーが付属し、ロール紙にも対応できます。
刷り物に利用する場合には便利でしょう。なお、今回から、0.5mmのファインアート紙は、背面給紙も可能になっています。
自動両面印刷は、構造的に不可能です。
ただ、CDのレーベル印刷機能などは付属します。
スキャナーは、こちらはプリンタ専用機のため未付属です。
ネットワークは、USBのほか、Wi-Fiと有線LANでの接続に対応します。スマホからの写真印刷もフォローします。
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以上、プロセレクションシリーズ SC-PX1Vの紹介でした。
ハイアマチュア向けの超高級機で、画質は家庭用としては最高峰です。ここまでの額をプリンタに投資できる方は限られるでしょう。
インクコストは、下位機種に比べてさほど高いわけではないです。その点で言えば、初期コストさえなんとかなれば、長期間楽しめるでしょう。
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Windows 7〜10 MacOS 10.9〜15
【A2ノビ】
【2020年発売】
5・EPSON プロセレクション SC-PX1VL
¥159,973 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:6色
黒インク数: 4色
印刷速度:
サイズ:615×368×199mm (収納時)
自動両面印刷:
また、同型でA2ノビサイズまで対応できるプロセレクション SC-PX1VL という商品もあります。
同じく、10本の顔料インク技術を使う製品ですが、A2サイズということで完全に業務用に向いた品です。注意しましょう。インクタンクの型番も異なります。
なお、こうした「プロ用」の写真専用プリンターについては、キャノンのライバル機機を含めて、【高画質プリンターの比較記事】で、割と詳しく比較しました。
1-2・キヤノンのA3インクジェット
続いて、CANONのA3対応プリンターの紹介です。
【2014年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.10〜14.0
7・Canon インクジェット PIXUS iP8730
¥28,512 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 3色
印刷速度:A4カラー10枚/分 白黒14.5枚/分
自動両面印刷:
サイズ:幅590x高さ159x奥行331mm
PIXUS iP8730は、キヤノンのA3インクジェットプリンタです。
「A3ノビ」まで対応しますが、「複合機」ではない機種です。
本体のサイズは、幅590x高さ159x奥行331mm となります。
エプソンの「カラリオ」に比べると、横幅がある製品ですので、寸法には注意してください。
インクの色数は、合計で6色です。
エプソンの構成とは異なり、イエロー・シアン・マゼンダ・ブラック・グレーという染料インクと、顔料系のブラックという構成です。
注目点は、ブラックに顔料インクを利用する点です。
顔料インクは、速乾性で文字が滲みにくいため、文字の印字に力を発揮します。
したがって、例えば、喫茶店のメニューなど、文字混在でカラー印刷する場合は優位性があります。
カラー印刷のクオリティは、「顔料黒インク」である点が、逆にネックです。
「染料インク」で統一するエプソンの「カラリオ」とは差があります。
一方、普通紙で文字入りチラシなどを作成する場合は、差はないといえます。
なお、エプソンの高級機「プロセレクション」は「全量顔料インク」でした。(繰り返しますが)あれは、8色インクという「力業」ゆえの例外であり、基本的に写真は「染料インク」がおすすめです。
モノクロ印刷のクオリティは、ビジネス文書については、文字の鮮明度の面でこちらがエプソン「カラリオ」より上です。
なお、グレーインクは採用されますが、「モノクロームな写真」については、「染料インク」で統一するエプソンの「カラリオ」に及びません。
BCI-351XL+350XL/6MP 6色セット
¥7,800 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
BCI-350XLPGBK 黒大容量インク
¥889 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
6色組のセットが販売されています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約20.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約12.0円
フォト年賀状印刷:約17.8円
A4Photoカラー:約66.0円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonでのインク価格をふまえた場合、上表のようになります。
写真印刷のコストは、上表の通りです。
エプソン機(カラリオ入門機)と比べて少し安いものの、とびきり安いわけでもない水準です。
普通紙印刷のコストは、試算すれば、A4普通紙印刷で約17円ほど、A4白黒印刷では約7円ほどです。
エプソンの入門機に比べるとコスパは良いです。しかし、次に見る上位機に比べるとやや高めの水準です。
印刷速度は、文字中心のビジネス文書をA4印刷する場合、カラーは1分に10枚、モノクロだと1分に14.5枚印刷できます。
写真を印刷しない場合は、キャノンのは速度面で優秀です。
一方、写真用紙で印刷する場合は、L判の光沢紙で30秒、A3写真用紙で約2分というスペックです。
これは、エプソンに比べると多少遅いといえます。
A3印刷は、EPSONのカラリオと異なり、こちらは「後部トレイでA3印刷を標準でサポートする」機種です。
同時に150枚まで用紙挿入可能です。
もちろんその分本体の大きさもやや大きめで、幅も広めです。
自動両面印刷は、非対応です。
スキャナは、未付属です。
ネットワークは、USBのほか、Wi-Fiでの接続に対応します。スマホからの写真印刷もフォローします。
一方、EPSON「カラリオ」と異なり、液晶窓やタッチパネルは装備されません。CDのレーベル印刷ができる程度です。「ストイック」なプリンターです。
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以上、キヤノンのPIXUS iP8730の紹介でした。
手差しではなく後トレイ(150枚)から直接A3が印刷できるのが大きな魅力です。
ただ、片面のプリントしかできない機種で、スキャナなども付属しない機種です。筐体もやや大きめです。
「ときどきA3」ではなく「A3をよく印刷する」人向きの機種と言えます。
ビジネス文書の印刷速度も速いので、業務用に探している方は選択肢にしても良いかもしれません。
【2014年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.10〜15
8・Canon PIXUS iP6830
¥24,791 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 2色
印刷速度:A4カラー10枚/分 白黒14.5枚/分
自動両面印刷:
サイズ:幅590x高さ159x奥行331mm
iP6830も、キャノンのA3ノビ対応プリンタです。
1つ上で見た、PIXUS iP8730の「廉価版」という扱いの製品になります。
インクの色数は、「染料インク」としてイエロー・シアン・マゼンダ・ブラックの4色です。それに「顔料インク」の黒が加わり、タンクは5本です。
上位機と比べると、中間色のグレーインクが欠如します。
カラー印刷のクオリティは、グレーのインクがないために、写真の階調表現については、上位機種に劣ります。
モノクロ印刷のクオリティは、上位機なみです。
ただし、グレーインクがない分、階調のあるモノクロ写真は、本機については不得意です。
【5色 大容量パック】
Canon BCI-351XL+BCI-350XL
¥6,546 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【ブラック大容量】
Canon BCI-350XLPGBK
¥889 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。5色組の大容量のセットが販売されています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙:約20.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙:約13.2円
フォト年賀状印刷:約19.4円
A4Photoカラー:約72.8円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonでの売価をふまえた場合、上表のようになります。
写真印刷のコストは、インクが少ない分、上位機種より安めです。
普通紙印刷のコストは、メーカ公表値でカラー普通紙15.6円です。
白黒での実コストは、試算すればA4白黒印刷では約6円ほどです。
印刷速度は、先ほどの上位機種と同じです。
繰り返せば、ビジネス文書をA4印刷する場合、カラーは1分に10枚、モノクロだと1分に14.5枚です。
A3印刷は、後トレイから150枚の給紙に対応します。
実用的な方法です。
一方、上位機と比べると、CDのレーベル印刷ができない点が追加の違いです。
そのほかは、Wi-Fi対応になる部分をふくめて同じです。
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以上、PIXUS iP6830の紹介でした。
上位機に比べると画質が及ばず、コスト面も悪い機種です。
本体価格の差もさほどないため、キヤノンを選ぶならばこの機種ではなく、先ほどの上位機種を選ぶのが正解だと思います。
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Windows 7〜11 MacOS 10.12〜15
【2020年発売】【上位機】
9・CANON imagePROGRAF PRO-G1
¥78,200 楽天市場 (12/7執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:6色
黒インク数: 3色
印刷速度:
ふちなし印刷:対応
自動両面印刷:
サイズ:幅639×奥行379×高さ200mm
【2020年発売】【下位機】
10・Canon PIXUS PRO-S1
¥76,780 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料インク
カラーインク数:5色
黒インク数: 3色
印刷速度:
ふちなし印刷:対応
自動両面印刷:
サイズ:幅639×奥行379×高さ200mm
なお、キヤノンのインクジェットプリンタの「最高画質機」は、これらの製品です。
全量「顔料インク」と全量「染料インク」という2種類となります。
これらについても「フォト用のプロ専用機」となるため、【高画質プリンターの比較記事】のほうでで、エプソン機とまとめて比較しています。
1-3・ブラザーのA3インクジェット
最後に、ブラザーのA3インクジェットプリンターです。
【2022年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.11〜15
11・ブラザー First Tank HL-J7010CDW
¥55,000 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:A4カラー30枚/分 白黒30枚/分
自動両面印刷: 対応(A3)
サイズ: 幅576×奥行477×高さ315mm
HL-J7010CDWは、ブラザーのA3プリンター複合機です。
同社は、近年「家庭用」と「ビジネス用」とを明確に分けなくなったので、この機種はビジネスプリンターとも言えます。
本体のサイズは、幅576×奥行477×高さ315mm です。
加減はありますが、それでも2段トレイの複合機なので、背の高さはある機種です。
インクの色数は、4色です。
ブラザーの場合、このモデルは全量顔料インクです。
カラー印刷のクオリティは、顔料インクのため、写真印刷には苦手とします。
とくに、ブラザーの高画質機は最小液滴量が1.5pLなのですが、スピード重視のビジネス用は、若干スペックが落ちます(カラー2.5pl〜、ブラック4pl〜)。
しかし、グラフなどのビジネスカラー文書については、にじみやすい染料インクを利用しない分、クッキリハッキリします。
モノクロ印刷のクオリティも、顔料インク採用ですから、やはり文字がにじみにくい利点がある機種です。
【4色別売】
Brother 交換インク LC417XLBK
¥3,545 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
この機種については、4色組の大容量のセットの販売がありません。
そのかわり、大量に印刷できる製品です。ただ、インク自体の耐用期間は、1年未満なので、大量に使う予定がない場合は、あまり向かない機種です。
メーカー公表印刷コスト
A4普通紙カラー:4.1円
A4普通紙モノクロ: 0.9円
インクのコストパフォーマンスは、ブラザーの場合、この機種を「写真印刷用機」としては販売していないため、光沢紙などへの写真印刷に要する費用は非公開です。
A4普通紙のコストは、インクの実売価格を加味した場合、1枚あたりの普通紙カラーの印刷コストは、約4.1円、モノクロカラーの印刷コストは、約0.9円です。
他社と比べても、劇的に安いと言えます。
印刷速度は、こちらはビジネス向き機種として、大きなヘッドを採用し、印刷スピードが劇的に速い機種です。
A4カラー・A4白黒とも30枚/分と、業務用クラスのハイスピードです。
もちろん両面印刷もできます。
A3印刷は、強調するべき点です。
手差しや後トレイでなく、しっかりとした給紙トレイから差し込める形式だからです。
トレイは、250枚入りで2段に対応します。大量印刷に向きます。
自動両面印刷も、A3に対応します。
ネットワークは、USBのほか、Wi-Fi・無線LANでの接続に対応します。液晶窓もあるため、スマホからの写真印刷もフォローできます。
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以上、ブラザーの HL-J7010CDWの紹介でした。
写真印刷にはあまり向かない機種です。一方、ビジネスカラー文書は、コスト面でも、印刷速度面でもかなり優秀ですが、インクの耐用年数を考えると、ここまでのスペックは一般的に不要でしょう。
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なお、今回は「家庭用A3プリンターの特集」ということで、ブラザー・エプソンを含めて、(筐体が大きめとなる)複合機は除外して掲載しています。
それを含める場合、この機種と同じく、顔料インク採用でビジネスに向くA3機プリンターの選択肢はかなり増えます。
インクタンクがもっと小さい機種もあるため、ビジネス用と考え、設置サイズ面で問題ない方は、このブログの【A3ビジネスプリンターの比較記事】もチェックしてみてください。
次回につづく
A3カラープリンタのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、A3インクジェットプリンタの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
1・A3インクジェットの比較 (1)
1-1:エプソン〈日本〉
1-2:キヤノン〈日本〉
1-3:ブラザー〈日本〉
2・A3インクジェットの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
インクコスト ★★★★☆
画質(普通紙)★★★★☆
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回の2回目記事(こちら)では、ここまで紹介したプリンター全機種から、いつものように、目的別・予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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