Top PC用液晶モニター 比較2025'【目に優しい】4Kモニター72機の性能とおすすめ・選び方(1)

2025年01月02日

比較2025'【目に優しい】4Kモニター72機の性能とおすすめ・選び方(1)

【今回レビューする内容】2025年 PC用4K液晶ディスプレイの価格・性能とおすすめ・選び方: Windows Mac パソコン用4Kモニターの違いと人気・口コミランキング:4K UHD 4KHDR 5K HDR400 600 1000 HDCP 2.2対応

【比較する製品型番】Dell U2723QE S2722QC U2720Q S2721QS S2721Q UP2720Q LGエレクトロニクス 27BP85UN-W 27UQ850V-W 27UP550N-W 27UL500-W 27GP950-B 27UQ85RV-W EIZO FlexScan EV2740X-BK EV2740X-WT EV2785-BK ColorEdge CG2700X CG2700X-BK CS2740-BK CS2740-XBK 27US550-W LG MyView Smart Monitor 27SR75U-W 27SR73U-W アイオーデータ EX-CU271AB-F LCD-CU271AB-FX CD-CU271AB-F DI-CU271AB-F フィリップス 279P1/11 288E2UAE/11 27E1N1900AE/11 27E2F7903/11 ベンキュー MA270U MA270U-JP SW272U SW272U-JP PD2705U PD2705U-JP PD2705UA PD2725U PD2725U-JP EW2880U ASUS VP289Q ProArt PA279CRV PA279CV-J PA279CV-R PA27UCX PA27UCX-K HP Series 7 Pro 727pk 4K UHD Acer Vero V7 V277KLbmiipxv Vero CB2 CB272Kbmiprux NITRO VG0 VG270KLbmiipx OmegaLine CB282Ksmiiprfx JAPANNEXT JN-272IPSB4FLUHDR JN-iB4FL272U-C6-H JN-27IPSB4FLUHDR-HSP JN-27IPSB4FLUHDR JN-IPS273UHDR-C65W JN-IPS270U-H-C65W JN-IPS2710UHDR-HSP JN-i270U-C65W JN-i270U-C65W JN-IPS2709UHDR JN-IPS27UHDR-C65W-HSP-W JN-i283U-H JN-i283U JN-IPS28U JN-IPS28U-C6 JN-IPS282UHDR-C65W Apple Studio Display MMYQ3J/A MK0U3J/A MK0Q3J/A MMYX3J/A MMYW3J/A MMYV3J/A イイヤマ XUB2792UHSU-B6 MSI Modern MD271UL 富士通 VTU27021BT ほか 

今回のお題
最新4K液晶モニターのおすすめはどの機種?

 ども、Atlasです。

 今日は、2025年1月現在、最新の4K液晶モニターの比較です。

 基本となるパネルのスペックほか、スタンド部分の調整力、あるいは、明るさセンサーなどの独自の工夫などに注目しながら、長時間作業でも「目が疲れにくい」モニターを提案していきます。

 そのほか、各機の保証期間の長さや保証内容にも注目しました。

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1・4Kモニターの比較 (1)
:サイズ:27型・28型
;解像度:4K 5K
2・4Kモニターの比較 (2)
:サイズ:31.5型・32型
;解像度:4K 6K 8K
3・4Kモニターの比較 (3)
:サイズ:40型以上
;解像度:4K
4・4Kモニターの比較 (4)
:サイズ:23.8型以下
;解像度:4K
5・4Kモニターまとめ
=最終的なおすすめ機種の提案

 全5回の連続記事です。

 1回目記事(今回)は、家庭用として「最も人気」な、27インチ・28インチの4K液晶モニターを比較します。

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 1回目記事は、他のサイズを含めた全体の導入編を兼ねます。

 かなり特殊といえる、4Kモニターの「選び方の基本」を説明しています。

 他のサイズをお探しの方も、1回目記事の冒頭だけでもお読みいただいておけば、ご自身のニーズ合ったモニターが(わりと)選びやすいかと思います。

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6・4Kゲーミングモニターの比較

 ただ、高リフレッシュレート対応の「ゲーム専用」は、記事を「完全に別のもの」にしています。以上のリンク先の記事をご利用ください。

 よろしくお願いします。

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液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ  ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 というわけで、以下では、各社のモニターを比較していきます。

 そして、最後の「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから「Atlasのオススメ機種」を提案していきます。

 なお、既に「目当ての機種(型番)」がある場合は、ここまでの記事で、各ジャンルの執筆時の最新機は「だいたい網羅」したと思うので、Gooleほかの検索エンジンで「型番+家電批評モノマニア」で検索したほうが、素早くたどりつけるかもしれません。

 長い記事ですが、どうかよろしくお願いします。

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1・フルHD液晶モニターの比較
2・2.5K液晶モニターの比較
3・4K液晶モニターの比較
4・タッチパネルモニターの比較
5・ゲーミングモニターの比較
6・曲面・湾曲モニターの比較
7・Mac向けモニターの比較
8・液晶モニターの選び方【まとめ】

 なお、今回の記事は、このブログ「モノマニア」の液晶ディスプレイ関連記事全体としては、「3回目記事」として書きました。

1-1・4Kモニターの選び方の基本

  202007031020.jpg

 具体的な製品の紹介に入るまえに、「4Kモニターの選び方の基本」からです。

 では、具体的な4Kモニターの比較に入ります。

1・4K画質の利点と注意点
2・液晶パネル種類と選び方
3・スタンドの品質と選び方
4・画面サイズの決め方

 主に「目に優しい4Kモニター」を選びたい場合に重要といえる要素を、4点に分けて順番に解説します。

1・4K画質の利点と注意点

 はじめに、4Kモニターの利点と問題点を確認しておきます

 フルHD機より高いのに「4Kモニターを選ぶメリットはなにか?」「注意するべき点はどこか」について、はじめに確認します。

 4Kモニター(3840×2160)の自慢は、解像度の高さです。

 一般的なフルHD(1920×1080モニターの、4倍の密度で表示できるので、対応する動画や写真を高品質でみることができます。

 201804150342.jpg

 仕事用としても、4Kモニターは導入意義が大きいです。

 これは、細かく表示でき、書類をたくさん並べて「実作業面積を拡大できる」という意味ではありません

 小さい文字でも見えるのでその要素はありますが、小さく表示できても「目が疲れる」だけでしょう。

 180415-0026-22%.png

 「目への優しさ」の部分で言えば、4Kモニター導入の一番の利点は、テキストの視認性が向上する部分です。

 表示される文字の大きさは「フルHD」モニターと同じままで、その密度を、4倍の細かさにして、テキストなどを高詳細表示できるからです(右図)。

 202112091855.jpg

 数字で言えば、画面密度(ppi)は、4Kの場合、フルHDの2倍です。

 ただ、数字では分かりにくいので、例を出します。

 202108121530.jpg   

 スマホ(iPhone)を例にしましょう。

 昔のスマホは、画面が粗くて見づらかったと思います。しかし、今では、たいていの場合、細かい文字でも読みやすくなりました。

 同じような進化を「PCモニターも遂げたのだ」と考えてください。

 一昔前は、4Kモニターだと、システムの文字が小さくなりすぎたり、各ソフトでも文字(ビットマップ)を拡大する際に、文字が「ぼやけて、にじむ」問題がありました。

 今では、スケーリング未対応のレトロソフトを除けば、MacでもWindowsでもこうした「問題はない」です。

 鮮明に見えるぶん「目に優しい」ので、4K導入は予算が許せば、シニア世代を含め最高の選択肢です。

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 ただし、4Kモニターを導入する場合、注意点も「2点」あります。

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 第1に、著作権保護コンテンツの視聴です。

 HDCP2.2という業界規格があります。

 この規格に非対応のモニターだと、4K動画サービス4KゲームUltra HDブルーレイの映像が表示できません。

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 HDCP2.2は、モニター側・PC側双方の接続端子がHDMI2.0DisplayPort 1.4規格のフォローが最低必要です。 

 「未対応機」はあるので、今回はHDCP2.2の対応の有無も示すようにします。

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 第2に、必要なPC側のスペックです。 

 PC側の出力端子が、以上の規格のいずれかに対応している必要があります。

 Windowsの場合、デスクトップはもちろん、相当の格安ノートPCなどを除けば、近年のPCならば、いずれかのモニター用端子が「対応」しているのが普通になってきました。

 Macの場合は、Retinaでの統一が早かったので、だいぶ前(2014年前後)の機種から「4K/60p出力がサポート」がされています。

 ただ、マルチディスプレイを考える場合、接続可能台数の違いはあります。詳しくは【Mac向けのモニターの選び方】に書きました。

2・パネルの種類と選び方

 つづいて、4Kモニターのパネルの選び方です。

 この部分は「映像美」ほか、「目の疲れにくさ」に関係する部分でもあるため、重要です。

 PCモニター用に使われる代表的パネルは、IPS・TN・VAの3方式です。

 ただ、4Kパネルは上位品も多いので、もう少し細かく見るのが適切です。

 そ以下、各方式のパネルの概要を順番に説明していきます。


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 第1に、IPSパネルです。 

 視野角が広めで、ギラつかず目にも優しい特性がある上で、ある程度の色域を持つパネルです。仕事にも、趣味にもバランスが良く、家庭向きにも人気です。

 (こだわりがない場合)一般向けには、IPSが最善の選択肢です。

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 IPSパネルは、ただ、多くの企業が、色々なグレードの製品を生産します。

 特に、色域ほか、IPSの弱点と言える黒表現(コントラスト比)や応答速度を、強化したパネルは「固有名」で呼ばれます。

 例えば、広色域IPS(色域強化型)Black-IPS(色域・コントラスト比強化型)、Fast-IPS(応答速度強化型)、Nano-IPS(色域、応答速度強化型)などです。

 企業ごと名前が微妙に変わったり、単に「IPS」だけの表記の場合もありますが、一般的に、このように区分できます。

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 製造企業も、IPSパネルは多いです。

 上表は、IPS系パネルを生産する主要5社と、パネル名(商標)を示したものです。

 ADSパネルは、IPS系としては特に有名です。

 PCモニターほか、TVにも採用例が多いBOE製のパネルです。

 利用時の性質は(IPSの商標をもつ)LG製と変わりません。

 なお、PCモニターの販売企業は、「どこ製のどのIPSパネル」を採用した製品かを、ほとんど公開しません。また、「産業向け」出すパネルを「流用」したような、低スペックな製品も過去にはありました。

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 結論的にいえば、「IPSならどれでも同じ」と考えて選ぶのは駄目です。

 スペックをとにかく「細かく見る」のが重要です。

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 上表は、典型的な4Kモニターの(安めの)スタンダード機のスペックです。

 これを基準とすれば、各値のスペックの「上下」はある程度判断がつくと思います。

 ただ、値が高ければ「良い」というわけでもないです。

 例えば、(最大)輝度が「高すぎる」機種は、仕事に使う際「低輝度に調光できない(=目が疲れる)」などの問題を持つ場合もあるからです。

 ややこしいので、今回の記事では、皆さんのニーズに向く製品かどうか、区別が付くように各機を説明するつもりです。ある程度安心してください。

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 第2に、VAパネルです。

 TVではよく使われる種類です。

 Black-IPS(2000:1)と比べても、コントラスト比がさらに良く(3000:1〜)「黒が締まる」性質があります。

 この点で「映像美」を追求したい方に人気です。視野角は、実際にはIPSより狭めとも言われますが、そこまで変わりません。

 ただ、独特の粒状感(ギラツブ)があり、タイピングなどの際は目疲れします。

 応答速度(ネイティブ)も遅いので、本格的なゲームにも向きません。

 そこを改良したFast-VAパネルもありますが、4Kでの展開はないです。

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 第3に、TNパネルです。

 ゲーム向けに応答速度は速いが、視野角が狭く(160°)、色味も悪いパネルです。

 応答速度の部分も、最近はFast-IPS・Fast-VAの登場であまり目立たなくなっています。特定の目的がない限り、PC用としては積極的にはおすすめしません。

 例外と言えるのが、応答速度がMaxとなるFast-TNです。ただ、一般向けの4Kだとやはり展開がないです。

 このブログだと【ゲーミングモニターの比較記事】で該当機を見ています。

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 第4に、その他の上位パネルです。

 デザイナー向けなどの「超高級機」だと、QLED(量子ドット)技術を採用する機種、あるいは、液晶ではなく、OLED(有機EL)を採用する機種もあります。

 それぞれのパネル性質は、街灯機種の紹介にて詳しく解説します。

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 なお、パネル表面処理は、20型以下と、40型オーバーの大画面機とを除けば、ほぼ全機種ともノングレア(非光沢)です。

 照明などの反射が少ない部分で、日本だと人気がある種類です。

 ノートPCとは違い、ハーフグレア(半光沢)、グレア(光沢)は、テレビ的な利用を志向した一部機種を除けば、皆無に近いです。

 特殊なモデルは本編で言及しますが、基本あまり気にしなくて良いです。

3・スタンドの品質と選び方

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 スタンドも「目への優しさ」を重視する場合、重要な要素です。

 とくに、27型以下の場合、稼動性が悪いと「目の疲れ」に大きく影響する要素です。

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 基本的に、モニターと目線は水平にするのが、目が最も疲れない配置です。

 しかし、上下のチルト角度は調整できても、高さが調整できない機種がほとんどです。

 そうした機種は「目に優しい」体勢をとろうとすると、椅子の高さを無理に調整する必要がでるため、腰や肩の疲労につながります。

 モニターアームなどへの交換を考えている場合は別として、スタンドの調整力の高い製品を選ぶのが、「疲れない」ためのコツです。

4・画面サイズの決め方

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 画面サイズの決め方も、割と重要です。

 このブログの【PC用デスクの比較記事】でも書きましたが、「目が疲れない」ための適切な視聴距離というものがあります。

 画面の左右方向の視線の移動をふまえての数字です。

 例えば、上表にあるように、目と画面の距離が80cm以上離せない小机ならば、27インチは大きすぎると言えます。

 なお、4Kモニターは高詳細ですが、(テレビと違って、モニターは近接してみるものなので)必要な距離はフルHD機と変わりありません。

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 以上、「4Kモニターの選び方の基本」を4点説明しました。

 色々書きましたが、目への優しさの部分を重視してもしなくても、「4Kモニターの導入は、メリット性がはるかに大きい」というのがAtlasの考えです。

1・4Kモニターの比較 (1)
:サイズ:27型・28型
2・4Kモニターの比較 (2)
:サイズ:31.5型・32型
3・4Kモニターの比較 (3)
:サイズ:40型以上
4・4Kモニターの比較 (4)
:サイズ:23.8型以下

 ここからは、 具体的な4Kモニターの比較に入ります。

 冒頭に書いたように、このブログは、モニターサイズ別に分けて書いています。

 そのため購入したいサイズ」がお決まりの場合、以上のリンクをご利用ください。

 今回は「1回目記事」なので、最も人気がある27インチ、28インチの紹介です。

 4Kモニターで最も種類が多いのがこのサイズといえますが、実際、4Kのメリット性が最も活かせるサイズといえるので、最初に紹介しています。

1・27型-28型4Kモニターの比較 (1)  
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:DELL〈米国〉
 1-3:LG〈韓国〉
2・27型-28型4Kモニターの比較 (2) 
 2-1:EIZO〈日本〉
 2-2:BenQ〈台湾〉
 2-3:ASUS〈台湾〉
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
 3-1:アイオーデータ〈日本〉
 3-2:フィリップス〈欧州〉
 3-3:HP〈米国〉
 3-4:ACER〈台湾〉
4・27型-28型4Kモニターの比較 (4)
 4-1:イイヤマ〈日本 〉
 4-2:JAPANNEXT〈日本〉
 4-3:Apple〈米国〉
 4-4:レノボ 富士通 ほか〈各社〉
5・4Kモニターの比較
 5-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 以上のような、メーカー順に、各機を紹介していきます。

1-2・デルの4Kモニターの比較

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 はじめに、米国デルの4Kモニターです。

 4Kモニターには力を入れていて、黎明期からいくつもの人気モニターを輩出している会社です。

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 なお、以下では、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で、本文を書いていきます。


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 【2022年5月発売】

 【27インチ】

 【通常型番】U2723QX同型機

 1・Dell U2723QE
  ¥72,800 楽天市場 (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル: Black-IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電: 90W
接続端子:HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

  U2723QEは、デルの発売する27インチの4K液晶モニターです。

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 「デジタルハイエンドシリーズ(Uシリーズ)」という同社の一般向けの上位ラインの最新機となります。

 書類仕事ほか、デザイン業務の入門機の役割も果たせるシリーズです。

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 パネルは、Black IPS(=Nano IPS Black)です。

 視野角が広く、目にも優しいIPSの改良型の上位製品です。2022年の見本市(CES)で発表されたLGパネルです。

 IPSが従来弱かったコントラスト部分にメスをいれ、2000:1というIPS液晶としては従来の2倍の水準の数値です。

 その点で、黒表現力を高めた映像(特に動画)向けたパネルです。

 バックライトに工夫のある製品(miniLEDモニターほか)を例外とすると、(普通のモニターでは)もっともこの部分の性能が良いです。

 「目の優しさ」の部分では、コントラストはあまり意味がないですが、映像美の部分の進化として意義深いです。

 色域は、ディスプレイの色域を知るために必要な数値です。

 一般的にはあまり気にしなくて良い数値ですが、「鮮やかさ」をしる手がかりになります。また、デザイン用に探している方には、ここが重要になります。

 本機は、動画コンテンツで重要なDCI-P3はカバー率で98 %です。

 写真など静止画向けに重要なAdobe RGBカバー率は出していません。

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 結論的にいえば、キャリブレーション機能もないので、本機専門的なデザイナー用ではないです。

 ただ、一般的ユーザー向けにはかなり良いスペックです。

 液晶の輝度は、400cd/uです。

 映像コンテンツの進化で、家庭用機でも、要求される輝度は最近増しています。

 この数字は、抜群に良くもないですが、逆にあまり高すぎると、(普通の)仕事用にうまく合わない場合もあるので、このくらいで十分です。

 ノングレア(非光沢)パネルなので、反射の心配もありません。

 応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。

 通常時は8msですが、問題のないレベルです。

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 HDRは、HDR400に対応です。

 必要なピーク輝度などの基準を満たします。

 ノングレア(非光沢)パネルなので、反射の心配もありません。

 応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。

 通常時は8msですが、問題のないレベルです。

 画質調整機能は、わりと「あっさり」です。

 「目の優しさ」の部分は、低輝度利用時のチラツキを防止するバックライトのフリッカー対策と、最近搭載が多いブルーライトカット機能は付属です。

 これらは、どのモニターでも対応です。

 「映像美」の部分では、一方、特段の機能は明言されません。

 米国系の企業は基本、PCに任せる方向性で、最低限レベルの場合が多いです。

 ただ、モニターのマニュアル調整については、後面ジョイスティックで操作できるなど、配慮はみられます。

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 接続端子は、HDMI2.0x2 DisplayPort USB-Cです。

 USB-Cについては、アップストリームポートもあるので、デイジーチェーン(数珠つなぎ)も可能です。

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 また、USB-C端子は、90WクラスのUSB-給電対応です。

 そこそこ大きなノートPCならば、速度低下なしに充電もできる水準です。

 HDMI端子は、2.0規格なので、4KHDR信号も通ります。

 HDCP2.2にも、対応です。

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 加えて、本機にはUSBハブ(ダウンストリームポート)も搭載です。

 コネクタ形状は(丸い)USB-Cが1つと(四角い)USB-Aです。

 速度は、いずれもUSB3.1クラスですので、高速対応です。

 ハブのUSB-Cを給電に使う場合は、USB-Cのみ15W給電が可能です。

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 スタンドの品質は、前後左右高さ回転と全てに対応する「フルスペック」です。

 調整幅は、チルト角度(上21° 下5°)・高さ(15cm)・左右(90度)です。

 他社高級機と比べても可動範囲で引けをとりません。 

 「目の優しさ」の部分で、アームの性能は重要ですし、本機はこの部分でも優秀です。

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 保証は、3年です。

 DELLのハイエンドラインのモニターは、普通の保証以外に、「3年間のプレミアムパネル交換保証(無輝点保証)」があります。

 常時消灯(黒点)こそ保証されませんが、この部分も、同社の「売り」と言えます。

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 以上、DELLU2723QEの紹介でした。

 良いパネルを使いますが、仕様的に「デザイナー用」ではなく、「デジタルハイエンド」の名前が示すように、一般ユーザーで画質の良いものを探している方に向く機種です。

 「映像美」の部分に注目して選びたい場合、IPS Blackパネルは選択肢になります。

 QLED(量子ドットLED)を採用する機種と違い、輝度表現や色域の部分で「味付け濃いめ」でもないので、(一般的な)仕事との兼用にも向くと思います。

 他社に比べてアイケアの部分で強い仕様でもないですが、モニター用としては向くかと思います。


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 【2021年発売】【27インチ】

 3・Dell S2722QC
  ¥38,800 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)  
HDR:HDR400
USB給電: 65W
接続端子:HDMI2.0×2 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 S2722QCは、先ほどの機種の1グレード下位機種になります。

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 本機については、Sシリーズと言うことで、ベゼルを薄くしたことで、多少ですがスリムです。

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 パネルは、普通のノングレア(非光沢)のIPSです。

 スペック的には、コントラスト比1000:1と(IPS液晶の平均値ながら)上位機に少し及びません。そのため、色域の部分で、DCI-P3カバー率が非開示となります。

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 接続端子は、HDMI2.0が2つと、USB-Cです。

 ただ、USB-C給電は多少弱めの65W給電とです。

 また、USB-Cポートが1系統で、デイジーチェーンによる複数台の接続に非対応となります。

 そのほかは、USBハブが、(四角い)USB-Aのみ2つとなる部分、DisplayPortも持たない部分が違いと言えます。

 スタンドは、上位機より可動幅は少なくなります。

 ただ、それでも「前後左右高さ回転」とフル可動です。

 あとの部分のスペックは、保証を含めて、1通絵で見た上位機と変わりません。

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 以上、S2722QCの紹介でした。 

 5万円以内でおさまる「格安機」として一定のプレゼンスがあります。

 ただ、DELLの場合、画質向上機能がイマイチ充実しないので、同じ価格帯の他社機に負ける部分はあります。

 その部分で、比較は必要です。

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 【2020年発売】

 【27インチ】

 4・Dell S2721QS
  ¥41,800 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)   
HDR:HDR10
USB給電:  
接続端子:HDMI2.0×2 DP
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:3W
4K動画再生:
保証期間:3年

 なお、DELLの場合、上でみたUシリーズの下位機として、Sシリーズもあります。

 こちらもIPSです。

 しかし、本体の輝度が低く、HDR400に満たない水準です。

 また、パネルの広色域化技術も不採用です。むろん、USB-C給電機能もないです。

 スタンドの稼働性もわるいため、価格差をふまえても、選ぶならば上位機でしょう。


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 【2020年発売】【27インチ】

 5・Dell UP2720Q
  ¥189,800 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1,300:1
応答速度:6ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)   
HDR:
USB給電:  
接続端子:HDMI2.0×2 DP Thunderbolt3
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm  
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

  UP2720Qは、DELLの 27インチ4Kのハイエンド機です。

 こちらについては、完全に「デザイナー向け」で、価格面を含めて多くの方には他山の石でしょう。

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 液晶パネルは、上表では広色域IPSに分類できます。

 色域は、sRGB100%・AdobeRGB80%・DCI-P3 98%カバーですので、色域はかなり広めです。 

 特に、動画編集向けには良いスペックです。

 HDRは、非対応です。

 多少輝度が250cd/uクラスですし、基本的には、あくまでHDRを目的としない方向けの高級機と言えるかと思います。

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 画質調整機能は、他社のデザイン用のフラッグシップと比べると「あっさり」です。

 測色計内蔵でしっかり色合わせや調整はできますが、基本的には「ソフト」でというポリシーです。

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 スタンドの品質も、高いです。

 調整幅は、高さ13cm、チルト角度(上21° 下5°)、左右(90°)と回転です。

 デザイン用ですし、この部分はしっかりフルスペックで性能も良いです。

 保証は、3年です。

 先述のように、Dellは無輝点保証も付きます。

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 以上、UP2720Qの紹介でした。

 他社機を含めて言えば、モニター部分の仕様がやや古くなってきている気がします。

 相当価格差はありますが、こうした機種をDELLで選ぶならば【31.5インチ4Kモニターの比較記事】で紹介したフラッグシップでしょう。

1-3・LGの4Kモニターの比較

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 続いて、LGエレクトロニクスの4Kモニターです。

 同社は、自社で(部品としての)IPSが生産できる世界的企業です。性能の良い機種が割安の場合が多いです。


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 【27インチ】【2022年発売】

 6・LGエレクトロニクス 27BP85UN-W
  ¥53,560 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)   
HDR: HDR400
USB給電:90W
接続端子:HDMI2.0x2 DP USB-C
スタンド:チルト高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

  27BP85UNは、LGエレクトロニクスの製品です。

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 液晶パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。

 LGのIPSは、いくつか種類がありますが、こちらは普通のものです。

 色域は、本機は、sRGB98%・DCI-P3カバー率95%です。

 広色域ではない普通のIPSです。

 ただ、それでも、他方式に比べて、視野角ほかの性能は良いです。

 輝度は、平均輝度で400cd/uです。

 HDRは、HDR400に対応します。

 そのため、対応するコンテンツ(ゲーム・動画)再生の際、明るい光表現のリアリティが高いです。

 さらに、本機は、標準映像(SDR)のHDR映像へのアップコンバートにも対応するため、HDRに未対応のコンテンツの底上げも可能です。

 応答速度も、5ms (GTG)です。

 動く映像の画質に影響しますが、問題ない数字です。

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 画質調整機能は、高レベルです。

 「映像美」に関する部分では、テレビでお馴染みの超解像技術が採用されます。

 画質の粗い動画などを補整できるため、画像全般が高画質化します。

 また、主にゲーム向けですが、暗部補正技術(ブラックスタビライザー)も備えます。

 「目の優しさ」の部分では、基本となるフリッカーフリー機能も搭載されます。

 なお、ゲーム専用機ではないものの、AMD FreeSyncに対応します。

 また、DASモードを搭載しているため、ビデオカードが対応している場合、環境によってはゲームの応答速度の強化も望めます。

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 スタンドの品質も、結構良いです。

 上位機はチルト角度(上20° 下5°)と縦表示(ピポット)のほか、110mmの高さ調整が可能です。

 左右角度の調整はできないですが、台座を動かせば良いだけですし、それなりに性能は期待して良いでしょう。

 ただし、下位機種は角度のチルトのみですので、イマイチです。

 接続端子は、DisplayPort 1.2、HDMI 2.0ポートが2つという構成です。

 ケーブルは、いずれも付属です。

 HDMI2.0規格対応ですので、HDMI端子経由でもPCに接続可能です。

 USB-C給電は、90Wで対応です。

 発売時期の関係もありますが強力で、大画面ノートPCでも速度低下せずに給電できるでしょう。

 HDCP2.2には、対応です。

 保証は、3年間です。

 LG機も、保証期間内における無輝点保証をなします。ドット欠け(黒点)保証はないですが、これは他社もそうです。

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 以上、LG27BP85UNの紹介でした。

 格安に購入でき、特に動画面に強い高画質な27インチモニターといえます。費用対効果はかなり高いでしょう。

 HDR400に速くも対応しているほか、スタンドの品質も十分ですから、ビジネスに、ゲームに万能に使いやすい4K機と言えます。

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 なお、LGの場合、本機の下位機種が他にいくつかあります。

 順番に確認しておきます。

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 【2024年発売】

 【27インチ】

 7・LGエレクトロニクス 27US550-W
  ¥39,900 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)   
HDR: HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI DP
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 第1に、27BP85UNです。

 先ほどの機種の下位機です。

 パネルは、同じIPSです。

 ただ、輝度が300cd/uと、色域もDCI-P3 90%となります。

 4Kのスタンダードレベルで、値段からすると決して悪くないですが、上位機とは差があると言えます。

 HDRは、ノーマル(HDR10)水準です。

 画像調整は、フリッカー対策など一通りあります。

 「映像美」に関わる部分でも、超解像技術、暗部補正を含めて、上位機の機能性は持ちます。

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 スタンドは、フル稼動です。

 調整幅は、チルト(上5°・下21°)と左右(90°)と高さ(15cm)と縦回転です。

 余裕がある可動幅で充実します。

 接続端子は、HDMIとDPという構成です。

 USB-Cは非対応ですが、ノートPCを使わないならばこれでも良いように思います。

 保証年数は、本機も3年です。

 無輝点保証もあります。

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 結論的にいえば、飛び抜けた個性はないものの、4Kのスタンダード機として、価格面で値ごろ感のある製品です。パネル・スタンド・フリッカー対策という「目の優しさ」に関わる部分も問題ないです。

 同クラスの他社機と比べる必要はありますが、「ベター」な4Kスタンダード機として候補にできると言えます。

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 【27インチ】

 【2021年発売】

 8・LGエレクトロニクス 27UP550N-W
  ¥41,730 楽天市場 (1/2執筆時)

USB給電: 90W
接続端子:HDMI×2 DP USB-C
スタンド:チルト・高さ・回転

 【2019年発売】

 【Amazon限定】

 9・LGエレクトロニクス 27UL500-W
  ¥27,600 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

USB給電:
接続端子:HDMI×2 DP
スタンド:チルト

解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)    
HDR:HDR10
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

 第2に、27UP550N-Wなどです。

 1つ上の製品の旧機に当たる下位機です。

 パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。

 輝度は同じですが、色域がsRGBカバー率で98%ですので、現行品より多少です。

 スタンドは、2機種で変わります。

 上位機は、左右調整できないものの、稼動性のよいスタンドです。

 下位機は、チルトのみです。

 アームに交換する場合を除けば、あまりおすすめできません。

 接続端子は、上位機は、HDMI・DPほか、USB-C対応で、90W給電に対応します。

 あとは、1つ上の製品に対して、言及したい違いはないです。

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 結論的にいえば、USB-C接続が「マスト」ならば、上位機は選べるでしょう。

 それ以外の場合は、1つ上の新機種の方が良いように思います。


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 【2024年発売】

 10・LG MyView Smart Monitor 27SR75U-W
  ¥64,799 楽天市場 (1/2執筆時)

スタンド:チルト・高さ

 11・LG MyView Smart Monitor 27SR73U-W
  ¥46,800 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

スタンド:チルト

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)    
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子:HDMI×2 USB-C(Wi-Fi
VESA:100mm
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

  MyView Smart Monitor 27SR75Uは、LGエレクトロニクスの中級機です。

 このシリーズは少し特殊で、どちらかと言えば、チューナーレステレビに近い感じです。

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 実際、LGのWebOSを積んでいて、アプリ対応できる定額動画サービスなどの視聴が可能です。

 リモコンも付属します。また、【LGの4Kテレビの比較記事】でみている同社のTV用の上位リモコンも使えます。むろん、TVチューナーは、未付属です。

 そのほか、本機は、Wi-Fiを搭載するので、同社のアプリ(LG ThinQアプリ)で、スマホをリモコンとしての操作にも対応できます。

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 加えて、スマホからの映像のキャストも、AppleのAirplay2や、ミラキャストに対応するため、専用のSTB機器がなくても可能です。

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 液晶パネルは、非光沢のIPSです。

 色域は、DCI-P3カバー率90%で、輝度は、平均輝度で350cd/uです。

 広色域ではない普通のIPSです。

 HDRは、HDR10には対応です。

 応答速度は、IPSとしては平均値と言える5ms (GTG)です。

 画質調整機能は、自動輝度センサーの言及があります。

 周囲の明るさから、画面輝度を適切に調整する機能です。ただ、部屋の照明色などまでみる環境光センサーではないようです。

 また、コンテンツ自体の輝度を測定して「映像美」を高めるような使い方は、(ベンキューと違い)言及がないです。

 とはいえ、TVでもこの仕様は効果的ですし「目の優しさ」に寄与するとも言えます。フリッカーフリーも、むろん対応です。

 一方、TV的な部分での画像補正は言及がないです。ここは(大画面の)4Kテレビとの差とと言えそうです。

 スタンドは、上位仕様だと、チルト(上5° 下15°)と、高さ(11cm)の調整ができます。

 下位機はチルトのみですが、主にテレビ的につかうならば、この仕様でも良いように思います。

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 接続端子は、HDMIが2系統とDP・USB-Cという構成です。

 一方、本機は、Wi-Fi内蔵なので「コードレス接続(Win)」の提案もあります。いわゆる「キャスト」ですが、場合によっては便利でしょう。

 USB-C給電は、65Wの給電ができます。

 ノートPCの接続を予定している方は便利でしょう。

 HDCP2.2には、対応です。

 スピーカーは、総合10Wです。

 PCモニターとしては、充実しますが、テレビ用としては最低減でしょう。

 ただ、本機はHDMIについてeARCに対応なので、【サウンドバーの比較記事】で書いたような高性能な外部スピーカーを簡単につなげられます。

 保証は、無輝点保証を含めて、3年間です。

 LG機も、保証期間内における無輝点保証をなします。ドット欠け(黒点)保証はないですが、これは他社もそうです。

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 以上、LGMyView Smart Monitor 27SR75Uの紹介でした。

 家庭用として「動画も見られたら便利だな」という場合に良い選択肢です。Wi-Fi経由のキャストも実用性がありますし、家庭向きには意外と良い構成に思います。

 パネルも、スタンダードなIPSです。明るさセンサーの工夫で「目の優しさ」にも配慮があります。こうした点をふまえると、主には「趣味用」だが、たまに「仕事」というような場合に合いそうです。

 スタンドは、主にテレビ的な運用ならば、チルトだけの下位機でも良い気がします。


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  【27インチ】

 【2024年発売】27UQ850-W後継機

 (キャリブレーションセンサー付属)

 12・LGエレクトロニクス 27UQ85RV-W
  ¥87,982 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

 (キャリブレーションセンサーなし)

 13・LGエレクトロニクス 27UQ850V-W
  ¥64,700 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:Black IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)    
HDR:HDR400
USB給電: 90W
接続端子:HDMI2.0x2 DisplayPort USB-C
スタンド:チルト 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 27UQ85RV-Wは、LGのデザイナー向けの上位仕様です。

 なお、キャリブレーションセンサーが未付属(別売)となる27UQ850Vもありますが、パネル部分の性能は同じです。

 専用設計ですしキャリブレーターとしては値段も安めですから、必要ならば付属モデルが良いでしょう。

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 仕様としては、別売のハードウェアキャリブレーションに対応する製品です。

 また、マシンスペック的にも、静止画・動画問わずに便利に使えそうな水準です。

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 液晶パネルはBlack IPS(=Nano IPS Black)です。

 IPS液晶の「進化形」です。とくにIPS液晶が苦手な「黒の締まり」を強化できます。

 結果、コントラスト比は2000:1と、(VAに及ばないものの)IPS系では高水準です。

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 繰り返しになりますが、「目の優しさ」の部分では、コントラストはあまり意味がないです。

 しかし、「階調表現」が良くなることで、IPSの品質そのままで、映像美の部分で性能が良くなります。

 色域は、DCI-P3カバー率98%と、「デザイナー向け」です。

 静止画の諸指標は開示がないですが、sRGBは、DELLの例からして100でしょう。

 輝度は、350cd/uです。

 輝度も高いです。輝度ピークは400cd/uなので、HDR400には対応です。

 画質調整機能は、下位機種と同様ですが高レベルです。

 ブラックスタビライザや、超解像処理など、一通りの技術を持ちます。

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 スタンドの品質は、左右の調整(スイーベル)ができない部分は少し注意です。

 あとは「フルスペック」です。

  調整幅は、高さ11cm、チルト角度(上20° 下5°)と縦回転です。

 大画面の場合は、(個人用なら)スイーベルは要らない場合が多いので、これでも良いかと思います。

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 接続端子は、HDMI2.0x2・DisplayPort・USB-Cです。

 USB-C端子は、90W給電です。

 16インチのノートPCなら速度低下なしに充電できます。

 ただし、出力はないのでPCのデイジーチェーン(数珠つなぎ)は、想定されません

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 USBハブは、USB-A(USB3.0)が1つとUSB-B(USB2.0)が1つ用意されます。

 KVM対応なので、複数のPCを利用する場合、マウスやキーボードををつなげておくとディスプレイ側で、一括した同時切替が可能です。

 ケーブルは、各種ケーブルが全て同梱されます。

 スピーカーは、総合10Wで付属です。

 HDCP2.2にも、対応です。

 TVなど著作権保護された4K接続にも使える点で、汎用性がある製品です。

 保証は、3年です。

 無輝点保証もしっかりあります。

---

 以上、LG32UQ850Vの紹介でした。

 他社提供もありますが同社が開発するNano-IPS Black搭載の「LGのご本家版」と言えます。例年DELLが先行して、LGが後から出すような順番ですが、今回もそうでした。

 値段差を見ずに言えば、LGのほうが映像部分の調整においては上位です。DELLはどちらかと言えば、ビジネスニーズをくみ取る方向なので、同じパネルでも、意外と「住み分け」はされている印象です。

 あえて言えば、デザイン用としてだけでなく、楽しみのために利用する場合、先述の「ブラックスタビライザ」ほか、テレビ系の画像補正が(テレビ屋さんとして)LGは強いと言えます。


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 【27インチ】

 【2023年発売】

 14・LG UltraGear 27GP95RP-B
  ¥75,100 Amazon.co.jp (1/2執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:nano-IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:1ms (GtoG)
リフレッシュレート:144Hz(4K)
HDR:HDR600
USB給電:
接続端子:HDMI2.1x2 DPx1
スタンド:チルト 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間: 3年

 27GP95R-Bは、LGの27型モニターでは、最高級機となります。

 本機は、高リフレッシュレート対応機で、特定のビデオカードが必要なゲーム用です。

 ただ、今回、仕事に使う場合どうなのかという観点で考えてみます。

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 液晶パネルはNano IPSです。

 同社のBlack IPSと似ています。しかし、色域だけでなく、応答速度も強化した上級仕様と言えます。

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 「nano」という言葉がつきます。

 これは、バックライトにナノ粒子層(蛍光体)を追加し、黄色・オレンジ系の余分な色を排除し、色彩(特に赤)を整える技術です。同社のテレビにも使われる上位技術です。

 このパネルは、テレビ向けだとコントラスト比も強化されたものがあります。ただ、本機のようにリフレッシュレートが高い機種は、どれも普通水準です。

 色域は、DCI-P3カバー率98%と、「デザイナー向け」とも言えます。

 輝度は、400cd/uです。

 下手なテレビより輝度は高いです。ゲーム・動画などのエンターテインメント系には良いでしょう。

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 応答速度は、1msです。

 この部分は、nano-IPSのもうひとつの美点です。

 HDRは、ピーク輝度が600カランを超えるので、HDR600です。

 一方、コントラスト比は1000:1なので、 Black IPSには負けます

 ただ、総合的なパネルグレードは、HDRの対応水準を含めて、Nano IPSのが少し上という位置づけになりそうです。

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 本機は、リフレッシュレート(垂直走査周波数)が144Hz(オーバークロック時:160Hz)です。

 通常のビジネス用モニターのリフレッシュレート(60Hz)より高く、1秒間に書換えられるコマ数が多いです。

 (落書きの)ペラペラ満画を思い出せば、分かりやすいかと思いますが、この場合、動画は「ぬるぬる動き」ます。

 この点で、高リフレッシュレート機は、高速な動きを伴うゲームには最適です。PS5も対応しています。

 一方、ワープロを含むビジネス文書作成や、一般的な動画視聴などについて言えば、高リフレッシュレートは、不要です。

 静止画(ワープロ)や普通の動画ならば、「あまり意味はない」というのが、通説です。

 「目の疲れやすさ」より、「画質(ゲーム)」に主眼が置かれた技術革新です。

 普通の書類仕事は、輝度が高く調整される分、目が疲れやすいかと感じます。

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 画質調整機能は、「映像美」の部分はやはり充実します。

 ゲームの部分でも、AMDのFreeSync Premiam Premium PROに対応するため、HDR対応ゲームでもチラツキ・カクツキ対策が可能です。

 スタンドは、本機も、左右のスイーベルには非対応です。

 調整幅も、高さ(110cm)チルト角度(上15° 下5°)と縦回転(90°)と(高性能スタンドの範疇では)「そこそこ」のレベルに止まります。

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 接続端子は、HDMI2.1x2 DisplayPor tx1という構成です。

 新機種になって、HDMI2.1となりました。これにより、4K/120Hzのリフレッシュレートに、公式対応です。

 PC用としてはあまり意味のないことでしょうが、DPがない、PS5(4K/120P)との接続には意義深いです。

 なお、HDMIの場合はもちろんPC側も規格対応が必要です。また、DPでつなげる場合も、PC側もDP1.4規格への対応が必要です。

 HDCP2.2には、対応です。

 付属ケーブルは、HDMIケーブル・DisplayPortケーブル双方が付属です。

 保証は、3年間です。

 本機も、無輝点保証が3年間です。

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 以上、LG27GP95RP-Bの紹介でした。

 FPSのような速度が要求されるゲーム用として最高峰機です。その方面では、値段に相応する性能は期待できそうです。

 一方、通常65W・最大95Wと電気を食います。翻せば、夏場は発熱も問題となるので、設置環境については購入前にしっかり考えた方が良いでしょう。そのほか、要求されるビデオカードの水準も、ゲーミング用4K機の場合、念のため確認してください。

ーーー

4・4Kゲーミングモニターの比較

 なお、リフレッシュレートが高いタイプは、基本ゲーム用です。

 そのため、本機以外のゲーム用4Kについては、以上のリンク記事で別に紹介しています。

次回に続く!
おすすめの4K液晶モニターは結論的にこれ!

 というわけで、今回はは、PC用の27型28型の4Kモニターの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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2・27型-28型4Kモニターの比較 (2) 
 2-1:EIZO〈日本〉
 2-2:BenQ〈台湾〉
 2-3:ASUS〈台湾〉
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
 3-1:アイオーデータ〈日本〉
 3-2:フィリップス〈欧州〉
 3-3:HP〈米国〉
 3-4:ACER〈台湾〉
4・27型-28型4Kモニターの比較 (4)
 4-1:イイヤマ〈日本 〉
 4-2:JAPANNEXT〈日本〉
 4-3:Apple〈米国〉
 4-4:レノボ 富士通 ほか〈各社〉
54Kモニターの比較
 5-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 続く、2回目記事こちら)では、ここまで紹介できなかった各社の製品をみていきます。

液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ  ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 その上で、結論編こちら)へと向かいます。

 いつものように、紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。

 引き続き、よろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら

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posted by Atlas at 13:53 | PC用液晶モニター

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