(新製品が出ているのでこちらに書き直しました!2011'11→こちらを参照)
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2010年を振り返って大きな事件?は、CANONのドキュメントスキャナ「Image Formula 」シリーズの DR-2010C, DR-2510CのMacintosh OSX用のドライバ が公開されたことではないでしょうか。DR-2510Cの発売が2007年ですから3年越しのまさに満を持しての登場でした。
その結果、マックユーザとウィンドウズユーザは、富士通のスキャンスナップS1500, S1500M、Canon Image Formula DR-2010C, DR-2510C、計4台から選べることになり「めでたい!」わけですが、それぞれ微妙に性能が違っているので、どれを買うべきか迷う人も多いのではないか?と思います。
そこで、研究者としてA4モノクロの紙資料の取り込みに使う場合の「ベストバイ」はどれなのかについて、ここで検討してみたいと思います。ちなみに、WIndowsでも同じ機種ですから、WIndowsユーザの方にも参考になるかと思います!!
1・値段と筐体デザイン

Canon imageFORMULA DR-2010C
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Canon imageFORMULA DR-2510C
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FUJITSU ScanSnap S1500 Acrobat X 標準添付 FI-S1500-A(windows)
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FUJITSU ScanSnap S1500M Acrobat 9 Pro標準添付 FI-S1500M-A(mac)
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まずは、筐体のデザインですが、CANONの DR-2010C、 DR-2510Cが白を基調にしつつなめらかな曲線を強調したフォルムです。プラスチック部分の品質は両製品とも同じだと思われます。
富士通のS1500は銀色の筐体です。筐体のセカンドカラーはブラックで、非常に色合いがいい感じ。PFUの旧機種(S-510シリーズ)は本当に「ださい」デザインでしたが、最新のこの機種はよいと思います。銀と黒のコンビニネーションは、最近のMacカラーと同じですから、机の上の調和もそれなりによい?かと思いましたが、銀色の色温度がちょっと違いますのでやはりMacユーザはS1500Mのがよろしいと思います。
富士通のS1500Mは、Windowsでも使えますがMacモデルという位置づけです。筐体の白い部分は、CANONの製品に比べるとざらつく質感です。単色なのでMacbook白はもちろん、控えめな色合いなので、最近の黒とシルバーのMacbook pro、iMac、シネマディスプレイにも合うかと思います。ちなみに、使用するために広げたとき、ボタン部が水色なのですが、そのワンポイントがちょっとおしゃれで、miyaは結構好きです。
値段から見ると、CANONのDR-2010Cが30,000円弱、ほかの3機種が40,000円前後です。発売してしばらく時間が立っていますので、これらの値段は落ち着いているとおもいます。予算の関係で少しでも安い機種を選ぶとするとDR-2010Cになります。しかし、以下で説明していくように、性能面から考えるとDR-2010Cは全くお勧めできません。
2・搬送性能
ドキュメントスキャナを使っているともっとも困るのは「ダブルフィード」「マルチ・フィード」と呼ばれる現象です。つまり、スキャニングしている紙がうまく解きほぐれておらず、紙が一度に2枚給紙されてしまって、知らない間にスキャンするページが飛んでしまうのが、ダブルフィードです。5,6年ほど前の旧機種のスキャンスナップは、少しローラー部分(消耗品)が摩耗するとかなりの確率でこれが起こっていました。しかし、現在、数世代の研究がなされ、また両メーカーともに、上位機種で培われた技術が転用されてきた結果、劇的にダブルフィードの発生が減ったといえます。
とはいっても、研究者が取り込む資料は、割と古くて状態の悪い原稿も多いと思います。だから、ダブルフィードは全く「ゼロ」にはなりません。そのような際にとても便利!!なのが、「超音波重送検知」機能です。これは、ダブルフィードが発生した際に、機械のセンサが感知し、スキャナを自動的に停止してくれる機能です。この機能がない時代、我々はスキャニングをしている間、ずっと目でスキャナを「監視」している必要がありました。しかし、この機能があれば「ながら仕事」でもスキャニングができるために、作業効率が劇的に改善しました。
さて、ここで重要なのは、4機種のうちDR-2010Cのみ、「超音波重送検知」機能がついていないと言うことです。どうせ高い買い物なのですから、DR-2510CかSnanSnapにした方が確実に「幸せ」になれると思います。
3・取り込み速度
スキャナの正確な取り込み速度を知るためには、メーカーのスペック表を見るとよいです。また、その際は「解像度」と「読み取り速度」を合わせてみてください。なぜなら、機種Aの低解像度での画像の取り込みで取り込み速度と、機種Bの高解像度での取り込み速度を比べることは意味がないからです。
具体的にいいましょう。コピーしてファイリングしてあるモノクロの論文の論文なら300dpiで最低限です。しかし、OCRソフトで(=取り込んだ資料の文字の部分をテキストデータ化して「文字が検索できるPDF」を作るためのソフトウェア・例えば「読取革命」など)取り込んだ資料の透明PDF化を考えている人は、最低400dpiはほしいところです。また、取り込んだデータを、必要なときに再びプリントアウトして読もうと考えている人は、できれば600dpi位の読み取り解像度を確保してほしいと思います。これ以下の解像度ですと、文字が結構ギザつきますから。
いろいろ、めんどくさいことを書きました。しかし、将来的な展開を含めて、白黒2色(モノクロ)モードで600dpi位の解像度で取り込めば、みな満足できると考えてください。ちなみに600dpiで取り込んだ場合、ファイルサイズは15ページほど取り込んで2MB位です。
では、これをふまえて、メーカーサイトから引っ張ってきたスペック数値を元にして、600dpiで取り込んだ場合のスペック数値を比べてみましょう。
CANONのDR2050C

CANONのDR2510C

ScanSnap S1500 および S1500M

上で説明したように、白黒2色、600dpi、A4片面のコピー用紙を取り込んだ場合、CANONのDR2050Cは1分間11枚、CANONのDR2510Cは13枚、ScanSnap S1500およびS1500Mは20枚です。
一方で、白黒2色、600dpi、A4両面のコピー用紙を取り込んだ場合、CANONのDR2050Cは1分間22枚、CANONのDR2510Cは26枚、ScanSnap S1500およびS1500Mは20枚です。
つまり、読み取る原稿が片面の場合ScanSnapに優位性があり、両面の場合Canonに優位性があるといえます。ただし、一つ注意するべきは、ScanSnapの白黒読み取り性能が「600dpi相当」との表記であり、完全に同じかは分かりません。
4・画像処理性能(付加性能)
これは、読み取った画像を自動的に補正してくれる機能です。こちらについてはCANONの2モデルが優秀だといえます。

第一に、CANONのDR2510CD、R2510Cともに、スキャナの読み取りの際に斜行してしまった原稿を自動で修正してくれる「斜行補正機能」を実装しています。

第二に、CANONのDR2510C、R2510Cともに、 用紙の裏写りを自動で取り除く読み取りモードを搭載しています。「テキストエンハンスドモード」という機能も便利です。研究者の手持ちのコピー原稿と言えば大半が論文や書籍のコピーだと思います。こうした原稿をコピーする際、原稿の真ん中の部分がきれいに読み取れず網がかかります。

これがスキャニングの際は難敵なのです。スキャニングでは白黒2値化するわけですから、黒と白の二色として認識するわけです。だから普通は下のようになってしまいます。

実は、OCR化を考える場合、「Nation」という部分に黒い編みがかかってしまっているのが大問題で、ソフトがうまく文字として読み取ってくれません。これはScanSnapの場合解決不能の課題なのですが、DR2510CD、R2510Cの場合、「テキストエンハンスドモード」を使うと解決できる場合が多いです。

これはテキストエンハンスドモードで取り込んだ画像です。つまり、テキストエンハンスドモードを使うとほぼ枠を消した状態で取り込んでくれるわけです。すごいですね。
正直、私のようなOCR化を前提にスキャナを選ぶ文系研究者にとって、この機能は大きいです。たしかに、OCRソフトやPhotoshopで後で加工し直すことも不可能ではないと思うのですが、作業に費やすべき時間を考えると、DR2510C、R2510Cに優位性があると感じます。
ちなみにこの2機種、原稿への赤ペンでの書き込みを自動的に消去してくれる「赤色除去機能」や、ファイルの綴じ穴の後を自動的に消してくれる機能など、かゆいところに手の届く機能を満載しています。
5・ドライバーの汎用性(TwainとiSISへの対応状況)
ドキュメントスキャナを使ったことのない人でもフラッドベッドスキャナを使い慣れているなら分かる方も多いと思いますが、例えば、スキャナというものは、Photoshopでもイラストレーターなどの画像処理ソフトでも、読取革命などのOCRソフトでも、OSXプレビューやアクロバットなどの画像閲覧ソフトでも、そのソフトウェアのツールバー上のボタンから直接取り込むことができます。一見、当たり前のようなことですが、これは、TwainとiSISという規格に接続するスキャナドライバが準拠しているから可能なことなのです。
しかし、注意するべきは、ScanSnap S1500およびS1500MがTwainとiSISというに非対応であり、独自の規格であることです。したがって、ここに書いてある連携ソフトを除く他のソフトウェアから直接スキャナを操作して取り込むことは不可能になります。つまり、ScanSnap S1500およびS1500Mユーザーは、メーカーの指定する専用のスキャナソフト(添付)を使って、一度取り込んだデータを、使用したいアプリケーションに再度突っ込むという余分な操作をする必要があるわけです。とくに英語などの外国語の専用OCRソフトの使用を考えている方は、TwainとiSISへの対応しているほうが便利だと思います。ソフト独自にOCR化に最適な取り込みをしてくれる場合が多いので。

一方、CANONのDR2510C、DR2510CはTwainとiSISという規格に対応していますので、ソフトウェアに左右されず使用することが可能です。これは、ScanSnapに対する高いアドバンテージだと思います。
6・添付されるAdobe Acrobat
最後に、添付されるAdobeAcrobatについて書いておきます。CANONのDR2010C、DR2510Cには、いずれも、Windows版のAdobe Acrobat 9 Standard版が添付されます。ですから、Macユーザは取り込んだPDF化については、OSXのプレビューなどで見ることになります。Adobe Acrobat 9 Standardは、普通に買うと30,000円以上する高価なソフトウェアです!。したがって、「おまけで」でついてくるのは相当「お得」なわけです。
一方、ScanSnap S1500についても同じようにWindows版のAdobe Acrobat 9 Standard版 がつきます。ですからMACユーザーは取り込んだPDF化については、OSXのプレビューなどで見ることになります。
しかし、Macユーザーモデルである、S1500Mについては、Mac用のアクロバットである、Adobe Acrobat 8 Professional版がつきます。MacにはStandard版のアクロバットがないために、Professional版が添付されています(ソフトウェアが50,000円以上するために、S1500Mの方が値段が高額に設定されている)。しかし、ご存じの方もいるとは思いますが、現在Macの最新バージョンのアクロバットはAdobe Acrobat 9 Professional です。Acrobat8は型落ち(といっても、やはり50,000円以上したソフトで、発売も1年程度しか異ならない)ですが、ver.8とver.9とはほとんど違いがない(例えば、PDFへの文字入力アシスト機能の有無、ソフト起動速度の違いなど)ので、あまり気にしなくてはいいかもしれません。
7・結論:廉価版A4ドキュメントスキャナのベストバイ!
というわけで、6点にわたって比較してきたわけですが、最後にいずれの品を買うべきかについて、独断と偏見ながらまとめたいと思います!

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500
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第一に、Windowsユーザーで、A4片面の原稿で、プリントアウトした会議資料など、網かかったような地色部分もなく、比較的状態のいい原稿のみを取り込もうと考えている方は、取り込み速度面で利のあるScan SnapのS1500がよいと思います。初めてのドキュメントスキャナで、とくに使用したいソフトも決まっていない場合、これがガチでお勧めです。

Canon imageFORMULA DR-2510C
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第二に、Windowsユーザーで、上の画像で示したような、網がかった状態の悪い資料を取り込もうと考えている方は、画像処理性能で利のあるCanonのDR-2510C がよいと思います。この機種は、両面では、ScanSnapのS1500よりも取り込み速いため、今後の書籍資料のコピーはコピー機で両面で取るように心がければ、取り込み速度の不利もマイナスには感じないでしょう。

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500M
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第三に、Macintoshユーザーで、比較的状態のいい原稿のみを取り込もうと考えている方は、取り込み速度面で利のあるScan SnapのS1500Mでいいと思います。とくに初めてのドキュメントスキャナで、Macintosh版のAdobe Acrobat 8 Professionalをもっていない人は、このソフトを単品で買うと5,0000円することをふまえても、これの機種がいいでしょう。ごくたまに、OSXのプレビューだと文字が化けてしまうPDFファイルというのが存在しますし、万一のための保険に、Adobe Acrobat 8 Professionalを持っている価値もあります。

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第四に、Macintoshユーザーで、上の画像で示したような、網がかった状態の悪い資料を取り込もうと考えている方、そして、Mac版のAdobe Acrobat 8 Professionalが必ずしも必要ではない方は、画像処理性能で利のあるCanonのDR-2510Cをお勧めします。繰り返しになりますが、この機種は、両面では、ScanSnapのS1500Mよりも取り込み速いため、今後の書籍資料のコピーはコピー機で両面で取るように心がければ、取り込み速度の不利もマイナスには感じないと思います。価格もAmazonだと、量販店よりも10000円近く安くお買い得なので(ビックカメラ京都店で44,000円)のでお勧めです。
・・というわけで、Atlasが考える2010年のスキャナの選び方でした!(珍しく長く書いた・・・) メーカーサイト→
CANON メーカーサイト→
富士通