1回目記事からの続きです→こちら
2-1・ソニーのVlog向けカメラ(続き)
2回目記事のトップバッターは、ソニーのVlog用カメラのうち、前半で紹介できなかったフルサイズの上位機の説明からです。
1・Vlog 動画向けカメラの比較(1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ソニー
2・Vlog 動画向けカメラの比較(2)
2-1:ソニー〈続き〉
2-2:パナソニック
3・Vlog 動画向けカメラの比較 (3)
3-1:キヤノン
3-2:ニコン
4・Vlog 動画向けカメラの比較 (4)
3-2:富士フイルム
3-3:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で示した「選び方の基本」に基づいて説明していきます。
ーーー
なお、以下では、高評価できるポイントは赤系の文字色で、イマイチなところは青字で表記していきます。
【2023年発売】
【ボディのみ】
23・SONY VLOGCAM ZV-E1 B ボディ
24・SONY VLOGCAM ZV-E1 W ボディ
¥232,691 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【ズームレンズキット】
25・SONY VLOGCAM ZV-E1L B ボディ
26・SONY VLOGCAM ZV-E1L W ボディ
¥308,627 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
タイプ:ミラーレス型
撮像素子:フルサイズ
画素数:1290万画素
手ぶれ補正:5軸(ボディ)
ファインダー;なし
AF:ハイブリッドAF(759点)
連写速度:8コマ/秒
動画: 4K(120p)
モニター:3型(103万)
重さ:483g+167g
VLOGCAM ZV-E1/E1Lは、ソニーのフルサイズのVLOGカメラです。
フルサイズの撮像素子をもつVLOGカメラは、全社でも初となる機種です。
今一番売れるジャンルのカメラですから、野心的な投入に思えます。
重さは、483グラムです。
動画用以外を含めて、歴代のソニー機のフルサイズ機としては最小・最軽量です。
ただし、後述のセットレンズ(2.1倍ズーム)を合わせると650gではあるので、APS-C機よりも「本格的」とは言えます。
ファインダーは、さすがに未装備で、ダイヤル類も少なめではあります。
重さ重視ですし、動画用ならば問題ないでしょう。
動画撮影は、4K HDR撮影に対応します。
6月のアップデートで、4K 120P撮影に対応になります。
フルHD時ならば240Pであり、フルサイズの撮像素子である部分に加えて、ここも本機の良い部分です。
Vlog向け機能は、美肌効果(S-Cinetone)がとくに強調されます。
その上で、一発で雰囲気を作れる自動モード(クリエイティブルック)が10種類あり、本体だけでも、効果の高い絵作りが可能です。
ダイヤルも、「背景ぼけ切換機能」「商品レビュー用設定」「美肌効果」ほか、同社のVLOG用のAPS-C機で評判だった機能はそのまま搭載されます。
なお、本機も、編集用に(扱いやすい)Log記録をする場合、カメラ内LUTで、あらかじめ登録した形式でエフェクトを確認できます。ただ、その適応(焼き込み)はできません。
フラットな「あっさり味」の編集前の動画です。
音声録音は、本体内に、インテリジェント3カプセルマイクを内蔵します。
指向性マイクなどで、集音範囲を前方・全方位で調整できます。自動化もできます。
ウインドスクリーンが最初から付属しているのも動画機らしいです。
MIシューもあるので、こだわるならば外部機器は使えます。
先ほどの機種と同じく、ショートカットが充実します。
1ボタンでボケを切り替えられる背景ぼけ切換ボタン、AFモードをワンタッチで切り替えられるボタンなど、小回りが効きます。
動画用の、美肌効果・顔優先AEなど、セルフ撮影時に便利な機能も網羅です。
撮像素子は、裏面照射型の35mmフルサイズ(35.8×23.9mm)です。
APS-Cに比べて、面積が4割ほど大きく、取り込める光量が多いです。
そのため、スナップではボケ味が出しやすいほか、レンズの倍率に比して広角側が広く撮れるので、より芸術的に写真が撮れる機種です。
画素数は、一方、1210万画素です。
同社のVLOG用APS-C機よりこの部分は低いです。
長時間の動画撮影は、熱とエンジンの部分が問題になるためでしょう。
ただ、フルサイズであることは、画質面でのメリット性は高いので、バーターです。
そもそも動画ならば、画素数を追っても仕方ない部分もありますし。
常用ISO感度は、最大ISO102400です。
画素数が低めの部分もあり、調整幅はかなり広めです。
オート時はISO12800というスペックです。落ちますが、他社はこの値を普通出しませんし、比べられません。
オートフォーカスは、ハイブリッドAFです(ファストハイブリッドAF)。
繰り返しの説明になりますが、デジカメのようなコントラストAFと、一眼レフのような像面位相差AFを複合させたソニーの開発した技術です。
位相差の測距点は、ソニーでは発売時最大の759点(動画627点)です。
速度部分はソニーの魅力です。
顔検出機能は、本機は、人間の瞳を検出して、それに追随する「瞳AF」も搭載します。
これは、他社上位機でもみられる機能ですが、かなりの精度で追随します。この機能は、Aマウントレンズでも利用可能です。
そのほか、一部ですが、「動物の瞳にも対応」です。
顔検出機能は、瞳AFに対応できる水準です。
さらに、動体の追随性については、リアルタイムトラッキングに対応で、瞳・顔・色・模様など諸要素を使いながら、自動的に追尾できます。
被写体認識は、発売年度の新しさもありつつ、同社のフルサイズ機の上位機相当です。
近年、この部分はビッグデータやAIによるディープラーニング技術の進化でめざましく機能性を高めています。
2023年発売の本機も、これらの技術と新しい画像エンジン(BIONZ XR)のパワーを利用し、高精度です。小さい被写体でも胴体と頭部を識別して追尾するほか、登録した被写体の識別も行います。
また、モード設定に限りはありますが、「複数人顔認識」もできるので、フォーカスの失敗は避けられるでしょう。
人間以外の被写体の認識は、動物/鳥、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対応できます。
暗い場所での利用は、AFの低輝度限界が、最大-6EVと性能が良いです。
手ブレ補正は、光学式5軸ボディ内手ブレ補正です。
動画撮影時は、電子式手ぶれ補正も利用する「ハイブリッド」です。
これを併用した新モード(ダイナミックアクティブモード)だと、手持ち時の大きなブレを吸収します。同じ画素数の旧機(静止画向け)より30%の効果上昇とされます。
ただし、利用する尾t画角は狭くなり、電子ズーム(超解像ズーム)は利用不可です。まあ、問題ないでしょう。
ソニー シューティンググリップ GP-VPT2BT
¥11,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
液晶モニターは、3型で、バリアングルです。
オープン角176度、チルト270度に稼働するバリアングルです。
シューティンググリップを利用しての自撮りも可能です。
連写は、スペック的に言えば最大で10枚/秒です。
ただ、他機と違って、電子シャッターのみです。
動画用ですし、この仕様なのだと思います。
ネットワークは、Wi-Fi・Bluetooth 4.2を搭載します。
本機は、ソニーの新アプリ(Creators' App)対応なので、Bluetooth経由でWi-Fiにツナがルンド絵、接続利便性が格段に良いです。
ここに課題があったメーカーなので、大幅な進歩に思えます。
防塵・防滴性能には、一方記載がないです。
バッテリーパック NP-FZ100
¥10,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
ライブストリーミングは、本機もUSB3.0ケーブルで有線接続することで対応できます。
仕組み的に、フレームレートは4K/30Pまでです。
予備バッテリーは、以上のものが対応です。
1・FE 28-60mm F4-5.6
レンズキットは、SEL2860です。
AmazonのセットではSELP2860とありますが、こちらかと思います(未確認)
単品としては2021年販売の新しいもので、6万円が希望小売価格です。
パワーズーム(PZ)ではないですが、軽量性が自慢で、2.1倍のズームレンズで167gです。
フルサイズ用のパワーズーム付は、現状で重いものしかないので、仕方ないです。
連続撮影時間は、APS-C機と同等です。
20分できれば、たいてい問題ないでしょう。
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以上、SONY VLOGCAM ZV-E1の紹介でした。
フルサイズでVLOGに特化するので、その目的ならばおすすめできる製品です。
予算が許せば、価値はあると思います。
1-2・パナソニックのVlog向けカメラ
続いて、パナソニックのカメラです。
同社の動画用は、既存のミラーレス一眼を改良したモデルです。
【2020年発売】
【標準ズームレンズキット】
27・パナソニック LUMIX DC-G100DK-K
¥86,200 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【ダブルズームレンズキット】
28・パナソニック LUMIX DC-G100DW-K
¥102,094 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【標準ズームレンズキット+グリップ】
29・パナソニック LUMIX DC-G100DV-K
¥91,180 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
ファインダー:0.39型 OLED(236万)
重さ:346g+70g
【2020年発売】
【標準ズームレンズキット】
30・パナソニック LUMIX DC-G100K-K
¥99,750 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【標準ズームレンズキット+グリップ】
31・パナソニック LUMIX DC-G100V-K
¥75,780 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
ファインダー:0.4型 LCOS(368万)
重さ:345g+70g
タイプ:ミラーレス型
撮像素子:フォーサーズ
画素数:2030万画素
手ぶれ補正:2軸+5軸(動画時)
AF:空間認識AF(49点)
連写速度:5コマ/秒
動画: 4K(30p)
モニター:3型タッチパネル(184万)
大きさ:115.6×82.5 × 54.2mm
DC-G100Dは、パナソニックのミラーレス一眼型の中級機です。
旧機種がのこります。
大きな違いは、ファインダーです。
後述するように、LCOS(液晶)からOLED(有機EL)になりました。後ほど書きますが、この部分は一長一短です。
そのほか、充電・転送用のUSB端子が、USB-C形状(速度はUSB2.0のまま)に変更になっています。その部分で、【USB-C PDモバイルバッテリーの比較】で書いたようなUSBバッテリーで、充電対応になっています。
ただ、対応の純正USBコンセント(DMW-AC9)の仕様から判断して、入力は9W(5V 1.8A)なので、速度的に高速なモバイルバッテリーである必要はなさそうです。約180分でフル充電です。
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結論的にいえば、本機が動画向けという点で言えば、USBの仕様変更はそれなりに意味のある変更かなと思います。新機種が良いでしょう。
本体の重さは、バッテリー込みで346グラムです。
「ミラーレス一眼」ベースですが、十分な軽さです。
2.6倍の標準レンズの重さが70gなので、総重量は416gです。
純正シューティンググリップも約102gと少し軽いので、つけたとして総重量は518gです。
ズーム倍率の違いはあるものの、ソニーと比べても、総重量ベースで言えば軽いです。
動画撮影機能は、4K動画の撮影に対応です。
本機も30フレーム/秒です。
ただ、画質部分で6Kからオーバーサンプリングして、クリアさを高める工夫は未付属です。
4K画像をフルHDに変換することで、流れるような映像効果を出す「4Kライブクロップ」など面白い機能はあります。
Vlog向け機能は、自動でスロー&クイック調整のできるダイヤルなどの部分で工夫があります。
ソニーは「背景ボケ」ボタンでした。目指すカメラの方向性の違いが出ていると思います。
ソニーは、撮像素子のサイズを活かし、カメラでしか撮れない画像を追求する、「伝統的な芸術志向」といえます。パナソニックは、(わりと)新しいビデオ機能を重視した、「先進的な実用志向」とでも言えるでしょうか。
なお、編集向きのログ記録は、本機も可能ですが、本体内でのLUTプレビューや、書込は仕様上、できないようです。
音声録音は、内蔵のステレオマイクを装備です(Featuring OZO Audio from NOKIA)。
内蔵式としては優秀で、5種類の指向性を設定できます。
前方集音・360度集音・後方集音など、インタビュー、コンサートから独り言(ナレーション)まで対応できます。
面白いのは、顔・瞳認識AFに連動するトラッキングモードです。集音範囲を映像に合わせ得自動調整する仕組みです。
音声部分に注目すると、パナソニック機のが断然「面白い」です。
【ステレオガンマイクロホン】
DMW-MS2
¥25,946 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【ステレオマイクロホン】
DMW-VMS10
¥7,327 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
こだわりたいならば、外部マイクが良いでしょう。
DMW-MS2については、カメラ画角と連動させての集音や、より絞り込んだ範囲の集音ができます。
トライポッドグリップ DMW-SHGR1
¥10,300 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
撮影方法は、三脚にもなるグリップを利用する方法が標準です。
グリップは、ボタン構成が単純でシンプルです。
これは、「本体自体が重い」ことへの対処かと思います。
グリップなしの手持ちで使えなくもないですが、この用途で(特に動画では)使いやすいかときかれると、微妙です。
撮像素子は、フォーサーズ(3/4型)を採用します。
ソニーのコンデジ型(1型)とミラーレス型(APS-C)の中間です。
情報量は大きさに比例するので、作れる画質も中間です。
画素数は、2030万画素です。
ISO感度は、一方、静止画はISO12800までですが、動画はISO6400までです。
この部分だけで言えば、やや暗いシーンに弱い部分はあるでしょう。
1・LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-F5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
2・LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
ズーム倍率は、標準付属レンズで2.6倍です。
ソニーと撮像素子のサイズが違うので、35mm換算値で比べる必要があります。
本製品は、24mm-64mmですので、多少、ズーム側が弱い程度で、広角側の画角はソニーとほぼ同じです。問題ないです。
レンズの明るさは、広範囲が撮れる広角側でF値3.5で、ズーム側でF5.6で、それなりに明るく撮れるレンズです。
一方、ダブルズームキットには、45-150mmの望遠レンズも付属です。ただ、200gと重いので、手持ちで動画(写真)を撮る方向けといえます。
【焦点距離 50mm 重さ125g】
LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.
¥22,418 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【焦点距離 90-300mm 重さ200g】
LUMIX G VARIO 45-150mm
¥(17,200) Amazon.co.jp (6/23執筆時)
ミラーレスですから、レンズ自体は別売品にも交換可能です。
例えば、LUMIX G 25mmは、明るいレンズで、50mmでスナップ向けです。
また、G VARIO 45-150mm はわりと安いですが、35mm換算で300mmの望遠レンズです。
固定しての動画撮影ならば、使えるでしょう。
LUMIX G X VARIO PZ 14‑42mm F3.5‑5.6 POWER O.I.S.
¥25,955 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
一方、動画撮影だと、パワーズーム(PZ)対応だと、ズームがしなやかで撮影が便利ですが、パナソニックの場合標準セットではないです。
あまり予算をかけずにもあるので、使い方が合う場合、こちらを検討しても良いかもしれません。
手ぶれ補正機能は、搭載です。
動画用には、光学式と電子式を併用する、5軸ハイブリッド手ブレ補正(VR)です。
仕組み的に、ソニーよりも強力です。
静止画(写真)については、しかし、5軸補正が効きません。
手ぶれ補正対応レンズの場合、レンズシフト式の2軸補正が効く仕様です。
この部分で、あくまで「動画向け」と言えます。
オートフォーカス(ピント合わせ)は、優れます。
パナソニックは独自改良した空間認識AFという仕組みを採用しており、オートフォーカス(ピント合わせ)が速いです。
合焦速度は、0.07秒とかなり速いです。
動画においては、コントラストAFとして作動しますが、動画なら、これで問題ないです。
顔検出機能は、顔・瞳認識AFを持ちます。
先述のように、サウンドと連動する部分が面白いです。
美肌撮影機能は、人物の肌を自動で綺麗な調整する機能はあります。
連写は、ただし、メカシャッター時の追尾AFで5コマ/秒です。
動画にはあまり関係ない部分です。
ただ、「4Kフォト」モードを利用する場合「30コマ/秒」で、長時間撮影が可能です。「4K動画」を「切り出して」写真にしているので、画素数的に約850万画素程度に劣化します。
とはいえ、決定的瞬間を逃せない場合は、割と実用性はあるでしょう。
この機能を「応用」して、複数の写真から、フォーカスポイントを「後から」選べるフォーカスセレクト・合成など、他社にない独自の機能も見られます。
オート撮影モードは、パナソニックは充実し、おまかせiAを搭載です。
自動でシーンを選択して撮影してくれます。動画では、人物・マクロ・風景・ローライト(夜間)については利用できます。
モニターは、3型のタッチパネルで、広範囲に稼働するチルト式液晶です。
ファインダーも、ポップアップ式ではないものが標準装備です。
ただ、Vlog動画専用カメラにファインダーが必要だったかは、論争的かもしれませんが、写真用カメラとして利用するならば、あった方が断然良いです。
先述のように、旧機は364万画素で0.4型の強誘電性の液晶(強誘電LCOS)でした。しかし、新機種になって236万画素で、.39型 OLED(236万)に変更です。
上表のようにそれぞれ利点があります。ただ(暗い空間で見る)ファインダーという性質上、解像度が同程度ならば、視認性は有機ELのが上位とは言えるでしょう。
視野率は100%で、倍率は1.48倍/50mmです(旧機は1.46倍)。
フラッシュは、内蔵式です。
ネットワーク機能は、Wi-FiとBluetoothを搭載します。
パナソニックの場合、BluetoothとWi-Fiを画像転送に併用するので、基本的にワンボタンでスマホに動画を送れます。それを活かして、縦撮りした動画をそのままスマホに送る機能もあります。
ソニーは、スマホとのシームレスな連携ができないので、出先でアップロードのような使い方は、パナソニックが良いです。
ライブストリーミングは、本機は未対応です。
バッテリーパック DMW-BLG10
¥6,040 楽天市場 (6/23執筆時)
連続撮影時間は、バッテリーの保ちという意味では、4K動画撮影で40分、フルHDで45分です。
一方、廃熱に関する部分もあり、パナソニックの場合、4K/30P動画は約10分、フルHD/60Pで約20分で撮影が停止します。
また、温度が高いと「温度上昇警告」がでて撮影が止まります。
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以上、パナソニックのDC-G100DKの紹介でした。
ミラーレスのソニー機がライバルでしょう。比較する場合、撮像素子のサイズと、動画撮影時の稼働時間部分がネックです。
ただ手ぶれ補正は本機が強く、また、マイク部分に面白い工夫があるため、一概に負けているわけでもないです。
その上で、本機は、ミラーレスにしては軽めで、ここにはフォーサーズ採用の「利点」は出ているように思います。
最終的なおすすめは、2回目記事の最後で改めて考えますが、シューティンググリップを使いたい場合で、画質的にミラーレスを「マスト」で軽めを選ぶ場合、意外によい選択肢に思えます。
【2024年発売】
【ボディ】
32・パナソニック LUMIX DC-GH7
¥277,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【12-60mmレンズキット】
33・パナソニック LUMIX DC-GH7L
¥340,500 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
タイプ:ミラーレス型
撮像素子:フォーサーズ
画素数:2520万画素
手ぶれ補正:2軸+5軸(ボディ)
ファインダー:有機EL 0.5型(368万)
AF:ハイブリッドAF(779点+315点)
連写速度:6コマ/秒
動画: 5.8K/60p
モニター:3.0型タッチパネル(184万)
大きさ:138.4×100.3×99.6mm
重さ:805グラム
LUMIX DC-GH7は、パナソニックの「フォーサーズ」のミラーレスの上位機です。
本機も系統としてはVlog向けですが、仕様としていえば、プロ向き、上級者向きな感じです。
重さは、805グラムです。
野外でタフに使いやすい、防塵防滴・対低温設計だから重い部分もあります。
まあ、同社のフルサイズは(本体だけで)1kgを超えていることを考えると軽いとは言えます。
動画撮影は、最大で5.7K/60pに対応です。
また、4K/120Pにも対応しており、コマ数の多い滑らかなHFR(ハイフレームレート)に対応できます。
おそらく、この部分が本機を選ぶ大きな理由になろうかと思います。
Vlog向け機能は、初心者向けの使いやすさへの配慮、のような部分では言及できる部分は少ないです。
先述のように、本機は「プロ向き」なVlog用であり、UIやダイヤルを含めて、設定を詰めて利用する場合に「使いやすい」感じの製品です。
こちらは、編集向けのログ記録をする場合、登録したLUT(ルックアップテーブル)をかけて、プレビューできますし、また、カメラ内で焼付けもできます。
音声録音は、内蔵マイクで対応です。
ただ、さほど高度なものではなく、基本的に外部マイクを利用するような方に向けた仕様です。ただを連動させての4ch収録は可能です。
一方、32bitフロート録音に対応です。
録音レベルの調整が不要で集音できる規格です。このブログだと【音楽用のICレコーダーの比較記事】で紹介しています。録音方面だと、最近のトレンドの1つです。
液晶モニタは、3.0型タッチパネルです。
チルト稼働と、270度のフリーアングル構造で、操作性は良いです。
ファインダーも、搭載です。
先述のように、動画専用設計ですが、プロ向けですし、付けています。
368万ドットの有機ELで、視野率は100%、倍率は0.8倍です。
撮像素子は、「フォーサーズ」です。むろん高感度MOSです。
画素数は、2520万画素です。
常用ISO感度は、最大でISO25600です。
問題ありません。ローパスフィルタレスです。
1・LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0
レンズキットは、12-60mmの中望遠レンズです。
5倍ズームという部分は下位機と同じですが、明るめのライカレンズで、実売9万円ほどのものを添付させています。
手ぶれ補正を内蔵するレンズです。
手ブレ補正は、ボディとレンズの手ぶれ情報を複合させる複合的なDual I.S.2です。
段数は、最大で5軸7.5段です。
動画だと、電子式を併用して、大きな手ぶれを制御する仕組み(アクティブ I.S.)ほか、従来、ジンバル撮影でないと難しかった、大ブレを低減する仕組み(動画周辺歪み補正)もあります。
HDR機能は、動画用の「HDR合成技術」としてダイナミックレンジブーストも注目点です。
低ノイズ・高飽和の画像を2枚合成することで、室内などの暗い場所での白トビや黒つぶれを抑えます。新機種になって低輝度でも利用できるようになりました。
相当な処理能力が必要だと思いますが、先述のように、新エンジンのパワーを活かして行います。フォーサーズは、撮像素子が小さめですので、その弱点を補うための技術と言えます。
静止画の暗部補正にも有効ですが、主には動画用でしょうか。
フォーカスは、下位機種と大きく変わる部分です。
このグレードからパナソニックはハイブリッド方式です。
長年、コントラスト式にこだわっていた企業ですが、23年頃の機種から換えてきています。
同社は、位相差AFの採用のメリット性を上図のように説明します。
一方、コントラストAF部分は、従来機同様に、空間認識オートフォーカス(DFD)になる部分はパナソニックの引き続きの特色です。
顔検出機能は、顔・瞳認識AFに対応します。
その上で、ディープラーニング技術の進化で、体認識ができるようになったことも強調します。複数の被写体を追うこともできます。
瞳の追尾も、フォーカス方式の変更で可能になっています。ただ、左右の瞳の区別は、(ソニーと違い)言及がないです。
被写体認識は、動物認識に対応です。
鳥系・イヌ科・ネコ科の動物とされます。ライオンもいけるそうです。
動物は、瞳レベルの認識も可能です。
乗り物は、車・バイク・飛行機・列車にも対応です。
飛行機(機体・機首)、列車(先頭車両・主要部)、バイク(全体・ヘルメット)と、細かいターゲットの指定ができるのは、パナソニック独自です。
暗い場所での利用は、低輝度限界が、最大で-4 EVです。
十分でしょう。
連写は、メカシャッター時に6コマ/秒です。
同社の製品として高速です。ピント固定(AFS/MF)ならば、メカシャッターで14コマ/秒です。
ネットワークは、本機も、Wi-Fi・BluetoothLEを搭載します。
ただ、Wi-Fiを利用したライブ配信は、非対応です。
PCとUSBで接続しつつ、そちらで制御して配信するのが基本的な使い方になります。
連続撮影時間は、熱の部分では明確に示されません。
ただ、本機はファン搭載であり、ここは問題ないでしょう。
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以上、パナソニックのDC-GH7 の紹介でした。
主なニーズは、超高画質の動画撮影でしょう。フルサイズに比べ、重さのほか形状的に小回りが効くので、この部分で人気がでそうです。
一方、ライバルは、同時期に出た、ソニーのVlog向けミラーレス(ZV-E10 II)になるでしょう。それに比べると、センサーサイズや重さでは負けます。
ただ、手ぶれ補正の部分で圧倒するほか、録音部分を含めた、本格的なプロ向けの使い勝手の提案は、こちらが優るように見えます。
いずれにしても、主要ターゲット層は、ソニーより「プロより」に見えます。
ーー
【2022年発売】
【ボディ】
34・パナソニック LUMIX DC-GH6
¥173,880 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【12-60mmレンズキット】
35・パナソニック LUMIX DC-GH6L
¥242,108 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
タイプ:ミラーレス型
撮像素子:フォーサーズ
画素数:2521万画素
手ぶれ補正:2軸+5軸(ボディ)
ファインダー:有機EL 0.5型(368万)
AF:コントラストAF(315点)
連写速度:8コマ/秒
動画: 5.7K/60p
モニター:3.0型タッチパネル(184万)
大きさ:138.4×100.3×99.6mm
重さ:823グラム
なお、本機の1世代前となるのが DC-GH6です。
比較する場合、最も大きな違いは、オートフォーカスです。
こちらは、従来のコントラスト式(空間認識AF)です。
パナソニックが従来力を入れてきた方式ではあります。
しかし、近年の上位機だと、位相差とのハイブリッドAFに換えてきていますし、企業的にも(昔と違い)そちらのほうが優位性があるような宣伝に換えてきています。
あとは、新機種で、32bitフロート録音に対応した部分や、動画向けの手ぶれ補正で電子式を併用するようになった部分が、目立つ違いです。
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結論的にいえば、価格差はありますが、パナソニックの場合、ハイブリッド式を採用した前後で、大きな性能差があると言える点で、選ぶならば、新機種でしょう。
今回の結論
自撮りにおすすめのデジカメは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、Vlog向けカメラの比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもうすこしだけ「続き」ます。
3・Vlog 動画向けカメラの比較 (3)
3-1:キヤノン
3-2:ニコン
4・Vlog 動画向けカメラの比較 (4)
4-1:富士フイルム
4-2:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の3回目記事は、キヤノンと・ニコンのVlog向けカメラを観ていきます。
動画の画質 ★★★★★
写真の画質 ★★★★★
軽量性 ★★★★★
ズーム倍率 ★★★★★
手ぶれ補正 ★★★★★
連続撮影時間 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、4回目記事の結論編(こちら )に入ります。
今回みた動画用のカメラを含めて、ここまで紹介した全ての機種から、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案していきたいと思います。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら!
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